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まだ間に合う! 正月休みのうちに見ておくべきDVD 20選

Text & Edit:Shu Nissen

皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

2016年いかがお過ごしでしょうか。長かった正月休みもあっという間ですね。迫り来る仕事始めから逃げるように、最後の休みは映画の世界にどっぷりと浸りましょう。

EYESCREAM.JPがお送りする新年一発目の特集のテーマは、映画。 2015年に発売されたDVDタイトルを中心に、この正月休みを利用して観ておきたい映画を5つのジャンルからセレクト。あなたが見たい映画はきっとここにある!?

※昨年の20選はこちらから

「実話」をベースとした話題作。


『フォックスキャッチャー』


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この映画を満たしているのは哀愁と狂気だ。聴衆もまるで興味を示さない講演で薄謝を受け取りながら、ストイックな食生活とトレーニングを続けている、五輪レスリング金メダリスト(チャニング・テイタム)。人を呼び寄せるのにヘリを出すほどの財力を持っているが、“友人”を金で雇わなければならないほど孤独な資産家(スティーヴ・カレル)。

鍛え上げられたメダリストの背中には哀愁が漂い、情緒不安定な資産家の表情には狂気がちらつく。ふたりの名演もさることながら、物静かで色彩に乏しい農場を舞台にしているだけに、それぞれの感情の揺れがより際立って見える。




『アメリカン・スナイパー』


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反戦か戦争賛美か、賛否両論に分かれ、アメリカではオバマ大統領夫人までも巻き込み大きな物議を醸した2015年の話題作。背景となる政治や歴史的側面には、あえて言及しないにしても、一つ言えることは、イーストウッド映画に頻出するアイロニーが確実に存在している作品だということ。

伝説と呼ばれたイラク戦争の狙撃手、クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は、タイムトラベラーではないかと思えるほど古風な人物だ。優れた人格者であり、誇り高き愛国者であり、良き夫であり、良き父親。そんな時代錯誤な善人が送り込まれるのは、しかし、女子供も前線に出てくる現代的な戦場である。世界と個人の間には絶望的なギャップが存在している。もしかしたら、これは戦争に限ったことではないのかもしれない。古典的な善人であればあるほど、現代というのはつらく厳しい時代に思えるに違いない。





『セッション』


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なんと言っても、アカデミー助演男優賞に輝いたJ・K・シモンズの鬼教官ぶりは圧巻。場を凍らせる威圧感に息もできない張り詰めた空気。なんとこの狂気のドラムレッスンは、デイミアン・チャゼル監督自身の経験を基に作られたストーリーだというから驚きだ。

理不尽なブラック上司に従わざるを得ない日々を送っているあなたには、とても身につまされる話だろう。ぶん殴ったりバックれたりするのをぐっと堪えて我慢してきた分、ラストシーンの開放感もひとしお。まさにしてやったり。




『ビッグ・アイズ』


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その時代その時代の社会構造でしか機能し得ない話というものがある。このゴースト・ペインター事件は、まさにその典型だ。1950年代のアメリカが舞台といったら、圧倒的に男たちの話が多い。きちっとした背広に、ポマードで頭を撫でつけ、仕事中でもタバコをすぱすぱ。ウィスキーをちびちび。郊外の家に奥さんと子供を放置して、夜遊び上等、浮気上等の男たちの話だ。

ウーマンズ・リブが起こる前のアメリカで、女性たちはどういう状況におかれていたのか。アメリカ社会史に疎ければ、この映画は勉強になるかも。




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