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Stormzy meets NIGO®
StormzyとNIGO®に聞く、[adidas Originals by NIGO]のこと

Photo:Takuya Murata、Text&Edit:Keita Miki

当サイトでもデビュー時から常に注目を続けてきた、NIGO®と[adidas Originals(アディダス オリジナルス)]によるコラボレーションコレクション、[adidas Originals by NIGO]。その最新コレクションが、本日2月12日(金)より、遂に発売開始となった。

このリリースを記念し、EYESCREAM.JPでは同コレクションのルックブックのモデルとして作シーズンに引き続き起用されたUKグライムシーンの雄、StormzyとNIGO®にそれぞれエクスクルーシヴなインタビューを敢行。Stormzyを核として世界中のストリートで大きな盛り上がりを見せる"グライム"、そして[adidas Originals by NIGO]の現在について、たっぷりと話を聞いた。

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グライムのシーンでは[adidas Originals]のトラックスーツこそがスーパースターの着るものとされているんです。


— 恐らく日本のメディアがあなたにインタビューするのは今回が初めてになるかと思いますので、まずはあなたがこれまでどのような環境で育ち、どのような経緯を経て、今この場に立っているのかということについて教えて頂けますか。

Stormzy:生まれはロンドンの南にあるCroydon(クロイドン)という小さな街です。大学までCroydonで育ち、自分で音楽をやりたいと思うようになったのは、大学を卒業し、エンジニアとして2年くらい働いた後のことでした。初めはエンジニアとしての仕事も続けながら音楽をやっていこうとしたんですが、しばらくすると、やはりどうしても上手くいかなくなってしまい、どちらか一方を選択しなければならなくなりました。その時に自分が選んだのが、音楽だった。幼いころからミュージシャンを志していたという訳では無く、本当にただそれだけだったんです。

— 音楽、そしてグライムを好きになったきっかけは何ですか?

Stormzy:偶然にも僕が育った家の周りには、曲を作ったり、MCをやっている人が大勢いたんです。その人たちの影響が一番大きいかもしれませんね。自分だけでは無く、誰もがグライムのMCに憧れていた。僕らにとってのスターは2PACやThe Notorious B.I.G.、Jay-Zでは無く、身近なグライムMCだったんです。

— ご自身のことを”a child of grime”と形容していますが、その名称にぴったりのエピソードですね。

Stormzy:聴き始めたのは11歳か12歳の頃だったと記憶しています。それからは本当にいつでもグライムを聴いていましたね。グライムという音楽の歴史はまだ浅く、15~20年くらいの歴史しか無いので、僕も含めて、自分の周りにいた人達はその全てを知っています。そういった意味では自分だけでなく、僕たちはみんな”a child of grime”なのかもしれませんね。ちなみに当時僕が聴いていたWiley、Dizzee Rascal、Skeptaといったアーティスト達は、ヒップホップで言うところのRUN DMCや2PAC、Jay-Zにあたるジェネレーション。なので、僕はグライムシーン全体で見ると第二世代のニューアーティストにあたります。


アルバム『Boy in Da Corner』

Dizzee Rascalのアルバム『Boy in Da Corner』



— あなたの存在を世にしらしめたのはYouTubeの存在も大きかったと思いますが、初めてYouTubeに動画を投稿したのはいつ頃だったのでしょうか?

Stormzy:16か17の時だと思います。きちんとアーティストとして動画を投稿したのは2013年の11月13日。”Where you been”というタイトルのもので、今考えると全然出来も良くないし、見返すのが少し恥ずかしいくらいですが(笑)。

— でも、冒頭の話を加味すると、その動画を投稿した時はミュージシャンになろうという考えはご自身の中に無かったわけですよね?

Stormzy:そうですね、誰しもがそうだと思うんですが、ティーンエイジャーの頃は毎日考えが変わっていました。「ミュージシャンになる」と言った2週間後には、すっかりミュージシャンに対する興味が無くなっていたりして。

— 先日、Brit awardsに関するあなたの言及が、様々な海外メディアに取り上げられていましたが、改めて現在のグライムを取り巻く状況に関してどのように考えているのか、伺えますか。

Stormzy:グライムは本当に今がピークなんです。これまでの歴史を振り返ってみても、グライムという音楽がここまで有名になったことはありません。世界中で多くのキッズたちがグライムを聴き、[adidas]のトラックスーツを着ることがクールなことだとされている。僕も含めて、グライムのMC達は、彼らからするとスターのような存在になっています。繰り返しになりますが、こんなことは今までで初めてなんです。こうしてメディアにも取り上げてもらえるし、2015年はグライムにとって良いことがたくさんありました。だけど、有名になればなるほど、音楽業界や”世の中”にはまだグライムが受け入れられていないんだなと感じることも多くあります。例えばSkeptaやLady Leshurrの曲はYouTubeでは何百万回と再生されていますし、ツアーも軒並みソールドアウトになっていますが、Brit Awardsで賞を獲ることはありませんでした。僕の”Shut Up”という曲もYouTubeでは二千万回再生されていますが、つい最近やっとラジオでかかるようになったばかりです。UKチャートのTOP10に入って、初めてラジオで”Shut Up”が流れたんです。リアルな状況とラジオや賞レースがフィーチャーするものとの間には、計り知れないほどの距離があるんですよ。これだけグライムを取り巻く状況が変わったのに、未だに”世の中”では以前と同様、グライムはアンダーグラウンドな存在だとされている。Brit Awardsの件も、あくまでその一例として言及をしたまでです。




— そういった状況を自らで打開していこうという想いはありますか?

Stormzy:10年前のグライムはショーやライブさえ出来ないほどの小さな規模のものだったけれど、偉大な先輩たちのお陰で、世に知られるものとなりました。そういった偉業と比較するのはおこがましいのですが、僕も僕なりに次の世代を引っ張っていきたいなと思います。

— 先ほどお話していた通り、ここ日本ではまだまだグライム=アンダーグラウンドな存在という認識が強いと思うのですが、この機会にグライムの魅力を読者の方々に教えて頂けますか。

Stormzy:こう言っては何ですが、たしかにグライムはニッチな音楽です。フィーリングとしてはパンクロックに近いのかもしれない。ラジオやテレビ、アワードに出るためでは無く、各々がやりたいことをやるというグライムのアティチュードは、パンクロックのそれに似ています。日本でもアメリカでも、そういう考え方の人達はいると思うし、僕はそういう人達が着ている服や、そういう人達が生み出すパッション、エナジーが最も魅力的だと考えています。

— The Weeknd、Frank Oceanをはじめ、北米では2010年代にインターネットを上手く活用して若い才能が次々とスターダムを駆け上がっていきましたが、Stormzyさんもインターネットを上手く活用してプロモーションを行っていますよね。

Stormzy:今のグライムの人気はインターネットの存在があってこそのものと言っても過言では無いように思います。グライムのパイオニアであるWileyの時代、彼の曲を聴く方法はCDの他には、違法なPirate Radioしかありませんでした。けれど、今は好きなアーティストのTwitterに簡単にアクセスが出来るし、オンラインで曲を買うことも出来る。インターネットはこれからも音楽の中心であり続けるのでは無いでしょうか。

— そういえば、来日してすぐにフリースタイルの動画をYouTubeにアップしていましたよね。ああいったPRの方法はいつもご自身で考えているのですか?

Stormzy:基本的には全て僕のアイディアですね。動画も含めて、いつも頭の中には明確なアイディアがあるんです。そして、僕の周りの優秀なスタッフたちがそれを助けてくれる。決して大きな予算がある訳では無いし、スタッフも数人しかいないけれど、僕にとって彼らはかけがえのない人たちで、自分のクリエイティブなアイディアにもプライドを持っています。




— いつも[adidas Originals]のトラックスーツを着ていますが、[adidas]との出会いは?

Stormzy:幼いころから僕の周りでは[adidas]というブランドがクールな存在で、僕が憧れていたMC達もみんな[adidas Originals]のトラックスーツを着用していました。ヒップホップアーティストが着ている[GUCCI]のスーツに多くの人が憧れるのと同じように、幼い僕らはChip MonkやWileyが着ている[adidas Originals]のトラックスーツに憧れていたんです。

— NIGO®さんのこともルックブックのモデルを務める以前から知っていたのでしょうか?

Stormzy:もちろん。僕は彼のファンなんです。

— NIGO®さんのクリエイション、そして[adidas Originals by NIGO]のプロダクトについてはどのような印象を抱いていますか?

Stormzy:モデルをやらせてもらう以前に[adidas]のショップに足を運んだ際、たまたま[adidas Originals by NIGO]のトラックスーツを見つけたんですが、「すげぇシックだ!」と感じて、思わず手にとってしまいました。当時はそれがNIGO®さんの作っているものだとも知らなかったので、本能的に彼の作るものが好きなんでしょうね(笑)。そういえば、2014年の11月に『Later with Jools Holland』というイギリスのTV番組に出演したんですが、その時、何を着ようかとても悩んだんです。イギリスではとても人気のあるプログラムなので、きちんとしたシャツを着ようかとも思ったんですが、「お前はグライムを代表して出るんだから馴染もうとなんてするな。お前らしいスタイルでいけよ。」という言葉を友人からもらい、本番では[adidas Originals by NIGO]のトラックスーツを着用しました。




— 自らのファッションはどんな基準で選んでいるのでしょうか?

Stormzy:これといった決まりはなくて、直感的に「良いな」とか「シックだな」と思ったものを着るようにしています。グライムのスターたちはいつもJD SportsのCMに出ていた[adidas Originals]のブルーにホワイトのラインが入ったフード付きのトラックスーツを着ていました。ヒップホップのアーティストにおける、大きいゴールドのチェーンみたいなもので、グライムのシーンでは[adidas Originals]のトラックスーツこそがスーパースターの着るものとされているんです。僕自身も「adidasのトラックスーツ=JD SportsのCMに出てくる”あのトラックスーツ”」というイメージを持っていたので、今の僕のファッションに少なからず影響を与えているんだと思います。

— 最後に今後予定している新曲や、新たなプロジェクトがありましたら教えてください。

Stormzy:今、丁度アルバムを作っているところです。初めてのフルアルバムになるんですが、音楽で自分の価値を示すには今がベストなタイミングのような気がしています。リリース時期は恐らく夏か、秋……この辺を明確に決めなくて良いというのがメジャーレーベルに所属していない特権なのかもしれませんね(笑)。


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