程よい粗野を研ぎ上げる。中村穣二とHiraparr Wilsonによる二人展「moderate」が京都BnA Alter Museumで開催

東京をベースに活動する中村穣二とHiraparr Wilsonによる二人展「moderate」が、10月1日より京都のアートホテルBnA Alter Museumにおいて開催される。

これまでに東京、パリ、台湾など国内外で展覧会を開催し、近年ではJOURNAL STANDARDやCIBONEなどともコラボレーションを行う中村穣二と、toeや思い出野郎Aチーム、やけのはらなど数々のミュージシャンのアートワークを手掛けるHiraparr Wilson。この“程よい粗野を研ぎ上げる”二名による展示が行われるのをはじめ、本展に合わせた特別企画としてこの作家二名による宿泊ルームも期間限定で公開。部屋には実際に宿泊できるため、展示とはまた違い、じっくりと作品世界を堪能することができる形となっている。

中村譲二「カンバセーション」
410×318 mm
キャンバスにアクリル

Hiraparr Wilson「Diaspora」
A3
紙にアクリル

Hiraparr Wilson「untitled」
ウッドボードにアクリル絵具、セメント、石膏、粘土、漆喰

また、10月1日には音楽家・日野浩志郎によるソロプロジェクトYPYによるライブセットとDJに威力、Zodiakを迎えてのオープニングイベントも開催される。

以下、キュレーターコメントだ。

大胆で有機的な線、感じたままに盛られる形。
手技は原始的でありながら、纏う色はポップで現在的。
そこに表出したキャラクターは宇宙的/未来的で、オーパーツじみた違和感を醸す作品群。

初めて画材を手にしたにも関わらず、脳内に浮かぶフレッシュで、でもまだ不完全なイメージを忠実に表現した子供のような。完成された美しさを目指すのではなく、かといってプリミティブなだけではない、“程よい粗野を研ぎ上げる”二人が作り上げる世界は幅広い時間軸を持ち、様々な焦点を持たせてくれる。
——田窪直樹（Pulp）