加茂昂の個展『化石としての風/復興としての土/祈りとしての風土』が開催。失われつつある「風土」の現在地を浮かび上がらせる

「風」と「土」を象徴的なモチーフとして描く加茂昂の個展『化石としての風/復興としての土/祈りとしての風土』が11月11日より馬喰町PARCELにおいて開催される。

加茂は1982年東京生まれ。3.11以後、「絵画」と「生き延びる」ことを同義に捉え、心象と事象を織り交ぜながら「私」と「社会」が相対的に立ち現われるような絵画作品を制作している。一見すると、美しく描かれた風景画ではあるが、その根底には風化し始めている震災後の記憶が深く関わっている。

震災後、加茂がフィールドワークを繰り返している福島が失ったものとは、「風土」であり「風土とは風を含む土のことである。風を含む土とは、人が鍬や鋤で耕し、その時その体に吹く風をその手で土に含ませることでようやく出来上がる生死の風景である。そして、風土はそこに祈りをも含む」と加茂は語る。

震災に限らず、近代化/グローバル化とともに各地域が失いつつある「風土」の現在地を浮かび上がらせる作品が披露される。

Installation view of “Prayers in the Wind and Soil” by Akira Kamo, at PARCEL
Photo credit: Osamu Sakamoto


Installation view of “Prayers in the Wind and Soil” by Akira Kamo, at PARCEL
Photo credit: Osamu Sakamoto


Installation view of “Prayers in the Wind and Soil” by Akira Kamo, at PARCEL
Photo credit: Osamu Sakamoto

INFORMATION

化石としての風/復興としての土/祈りとしての風土
Prayers in the Wind and Soil
加茂昂 | Akira Kamo

会期:2023年11月11日(土) – 12月24日(日)
14:00 – 19:00 / 休廊:月・火・祝
会場:PARCEL(東京都中央区日本橋馬喰町2-2-1 DDD HOTEL 1F)

*オープニングレセプション:11月10日(金)18:00 – 21:00

https://parceltokyo.jp/exhibition/akira_kamo/