小見山峻 初の写真集”hemoglobin”刊行に合わせて写真展を28日より開催

本誌でも連載を担当している写真家、小見山峻が自身初となる写真集「hemoglobin」を刊行する。自らのルーツに深く関わる「鉄」にフォーカスした写真を112頁に渡り収録。写真家としての意志を表明す るコンセプチュアルな写真集となっている。刊行に際して「COMPLEX BOOST」にて同名の写真展が開催され、写真 集は限定500部、展示会場にて先行発売予定。2018年に開催された「JW Anderson」のアワード「YOUR PICTURE / OUR FUTURE」入選作品も収録される。

写真集に関して
本写真集は二種類の鉄の静物、「重機」と「刀」の対比によって構成されている。小見山は幼少から「重機」という物 体に惹かれ続け、そのモチーフを作品の中でも度々用いてきた。彼の曽祖父以前の血族は、刀匠として日本刀を鍛え、 代々鉄に携わってきたという。「鉄」という静物は、彼自身のルーツに深く結びついている。
本写真集は、「鉄」と「ルーツ」をコンセプトに据えたピュアな芸術作品である。出版社を通さず、クラウドファンディ ングも行わず、小見山自身がすべての費用を出資して製作したことからも、その純度の高さが伝わるだろう。全てにおいて媚のない写真からは、20代の終わりに彼が抱いた燃えるような決意が感じられる。一過性のトレンドに対して否の姿 勢をとる、鋭く美しい芸術作品に、ぜひこの機会に触れてみてほしい。

小見山峻の「ルーツ」、「鉄」とは何か。何からくるものなのか。それを探しに展示へ行っていただきたい。