60年代のアメリカが抱えていたもの。名著「Nothing Personal」が復刻

写真家リチャード・アヴェドンと作家 兼 公民権運動家のジェイムズ・ボールドウィンが1964年にコラボレーションし、アメリカが抱える複雑さと矛盾と階層について書かれた名著が復刻。伝説のアートディレクター、マーヴィン・イズラエルによるデザインで、詩人のアレン・ギンズバーグ、マルコムXなどの有名人と、アメリカ・ナチ 党員、精神薄弱者保護施設の収容患者などを並べ、当時のアメリカを表したアヴェドンが「自分の最高傑作のひとつ」と評する写真と、ボールドウィンが、自身の受けた人種差別警官からのハラスメントなどを語った4つのエッセイが記録されている。

今回の復刻では「Nothing Personal」についての解説、アヴェドンのアウトテイクなどが含まれた、72ページのブックレットが付属。これは1964年刊行のオリジナル版には付属されていなかったものだ。
ブックレットの著者はヒルトン・アルス。『ニューヨーカー』でのアヴェドンと共に働き、ボール ドウィンの研究者。2016年に、ピューリッツアー賞 (批評部門)を受賞。