東京・根津のキュレートリアル・スペースThe 5th Floorが、レジデンス・プログラムで招聘したキュレーターによる企画展『TAMPA』を8月12日〜28日に開催する。
本展は、若手キュレーターの活動支援を目的としたレジデンス・プログラムの成果展となるもの。キュレーターの光村明莉は、98年岐阜生まれ、現在は愛知県立芸術大学美術学部油絵専攻在籍のキュレーター/アーティストだ。参加作家4名のなかには、鮮やかな色彩の日用品や照明、映像を用いたインスタレーションで知られる玉山拓郎や、ネットから収集した既成の3Dモデルや画像を素材としてPCのバーシャルスペースに仮想の彫刻作品を構築する平田尚也といった、すでに活躍するアーティストも迎えているが、4名それぞれに共通するのは、作品に“レディメイド≒既製品”が用いられていること。「“レディメイド≒既製品”という素材を越境し、複数の次元を行き来させることで、既製品のもつ役割や意味、それに対する鑑賞者のもつ固定観念をリビルディングさせる表現を展開している」彼らによる、新たな解釈を発見できる展覧会となる。
以下、ステートメントだ。
この度The 5th Floorは、スペース初となるキュレーター・イン・レジデンス・プログラムの成果発表として、光村明莉(みつむら・あかり)キュレーションによる「TAMPA」展を開催いたします。
キュレーションをつとめる光村明莉は、参加作家である中根惇と共にユニットアーティストとしても活動しており、本展において、キュレーターと作家、双方の役割を担っています。
本展「TAMPA」は、前述の光村、中根に加え玉山拓郎、平田尚也の4名のアーティストによる展覧会となります。
4名の共通項として、作品に”レディメイド≒既製品”が用いられることが挙げられます。しかし、彼らの作品は単純にレディメイドからなるスカルプチャーやインスタレーションと呼んで終わらせるにはあまりにも多面的かつ多層的です。不特定な秩序と夢幻な情景を「実態化」する玉山拓郎、インターネット上の既製の3Dデータを用いて「仮想空間」上に彫刻をつくる平田尚也、「実態と仮想の狭間」で、現実の風景をある地点から展示室へとcopy&pasteする中根惇。彼らは、“レディメイド≒既製品”という素材を越境し、複数の次元を行き来させることで、既製品のもつ役割や意味、それに対する鑑賞者のもつ固定観念をリビルディングさせる表現を展開しているといえます。本展では、それらを会場空間に合わせて緻密に操作することで、鑑賞者が新たな解釈を見つけられるような開けた空間を作っています。
本展を通して、参加作家4名による「既製品の多様な解釈がもたらす空間」を体感しつつ、我々の解釈のさらに範疇外にあるユニークな超次元に触れていただけたら幸いです。
INFORMATION
「TAMPA」
会期:2021年8月12日(木) – 8月28日(土)
会場:The 5th Floor(東京都台東区池之端3-3-9 花園アレイ5F)
13:00 – 19:00 ※要予約
主催:The 5th Floor
キュレーション・企画:光村明莉
協力:Anomaly、HB.Nezu
https://www.the5thfloor.org/