CULTURE 2018.10.29

reportage:KP TOKYO一色に染まった スケーターズナイトの一部始終

Photography-Yuki Aizawa, Report - Yuho Nomura
EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

おそらくKP TOKYOほど、夜の東京をハングアウトし続けるスケートクルーはいない。他のミレニアル世代のスケーターたちとは一線を画し、言語や世代、ジャンルを超えたプロップスを集める彼らの活動には、常にストリートでの注目が集中する。しかしその一方で、クルーを構成するメンバーやクルーとしての背景について多くは語られてこなかった。そんな謎多き集団である彼らが、ついに本格始動するという。それは、つまりどういうことなのか。その真相を確かめるためにも、9月21日に開催されたKP TOKYOによる、初となるアパレルプロダクトのエキシビジョンとそのアフターパーティ、そして昨年から彼らが主催するODD FRIDAYという名のスケーターズイベントへ潜入することに成功。いずれの催しもワンデイオンリーで行われた、熱狂的な一夜を写真家・相澤有紀による写真とともにレポートしていく。

16:00 @ Sankeys PENTHOUSE

今年原宿エリアに誕生した、グローバルとローカルを繋ぐ “GLOCAL EXCHANGE” をコンセプトに新たなカルチャーやコミュニティーが生まれるミュージック・バーラウンジSankeys PENTHOUSE。そんな話題となるスポットで開催されたKP TOKYO初のアパレルプロダクトのエキシビジョン。完全招待制でありながら、当日は感度の高いセレクトショップのバイヤー陣や一部メディア関係者、古今東西のスケーターたちが押し寄せるなど、その注目度の高さが伺えた。


モノトーンの大判プリントで製作されたブランドルックとオリジナルのステッカー。こちらは当日来場者に配布用として用意されていたもの。


ブランド初のリリースとなったニットキャップ(ブラック、オレンジ)とキャップ、加えてスケーターにとっては欠かせないピンズもナイフデザインで登場。
ニットキャップ 各5,000円、キャップ5,400円、ピンズ1,600円

こちらはホワイトとブラックのカラバリで用意された、ダーティなグラフィックが施されたロングスリーブTシャツと、同プリントのパーカがグレー、ブラックでラインナップ。さらにはライトなボリューム感のトラックジャケットも製作。いずれもブランドらしいデザインがプリントされたアイコニックな仕上がりに。いずれのアイテムも全て11月中旬に発売予定となる。
ロングスリーブTシャツ 各6,400円、パーカ各11,800円、スウィングジャケット13,800円


またアフターパーティでの最大の見せ場となったのは、大阪出身の気鋭タトゥーアーティストであるSARASAによるライブペイント。Christian SRSというブランドのデザイナーでもある彼女をフックアップしたKP TOKYOとの今後の化学変化が楽しみでならない。

21:00 @ Sankeys PENTHOUSE

日中に行われたエキシビジョン後、そのまま同会場にて開催されたアフターパーティ。オープンと同時にSankeys PENTHOUSEの10Fフロアは、KP TOKYOファミリーを中心にスケーターやDJ、ラッパー、グラフィティライターなどストリートの住人たちを中心とした多くの来場者によって埋め尽くされ、フライデーナイトの幕開けを予感させる盛り上がりに。そしてインターナショナルなコミュニティによって結成される彼らのイベントの大きな特徴として、さながら海外のクラブに迷い込んだかのような様々な国籍の若者たちで溢れ返った空間だったということも特記しておきたい。




KP TOKYOの主要メンバーであるユウシ。彼はクルーで手掛けるプロダクトやビジュアル作りのデザインやグラフィックを中心にクリエィティブな活動を支える存在。もちろん生粋のスケーターだ。

23:00 @ Sankeys PENTHOUSE

KP TOKYOの中心的メンバーであり、ライダーを担うスケーターの3名。写真左からツヨシ、JP、ショーン。彼らのようにメンバー全員が二カ国以上の言語を操るため、会場内では常に様々な言語が飛び交っている。そして普段はなかなか揃うことのないKP TOKYOの面々が一堂に会するのもこうしたイベントならでは。この時点で会場は満員御礼。テラスや通路にまで人が溢れ返る状況に。普段はラグジュアリーなSankeys PENTHOUSEが、混沌とした東京の夜を体現するかのような空間へと変貌していく。

24:00 @ SALOON

KP TOKYOの夜はここから始まる。プロダクトのお披露目と、それを祝したローンチパーティは、夜の子供でもある彼らにとっては序章。夜な夜な次のハングアウトスポットを求めるスケーターたちが次に向かった場所は、代官山SALOON。ここでは、不定期ながら金曜日の夜に開催され、東京スケーターにとって最も熱いイベントとも評されるODD FRIDAYが催される。原宿からの移動もなんのその、熱気はそのままにグッドパーティの終わりはまだ見えそうにない。



会場内のドリンクバー付近ではKP TOKYOと所縁の深いペイントアーティストのm.j.k.{aReK}がライブペイントを実施。モデルとしても活動し、自身もスケーターでありながら、東京を中心に全国規模で個展を開く彼のクリエイションが垣間見える絶好の機会となった。


さらにかつては東京を拠点にしていたスケーター兼ビートメイカーのTORAも参戦。現在は地元茨城で、古民家を改装したギャラリー兼ショップLooptownを運営する。その横にはKP TOKYOのブレインともなるスケーター兼フィルマーのアーロンの姿も。

今回のライムテーブルにはビートライブを行ったTORAの他に、OG、TAKA、KARINGAなどのスケートカルチャーと縁のあるODD FRIDAYのレギュラーとも言えるDJ陣が数多くラインナップ。


26:00 @ SALOON

さらに今回のODD FRIDAYでメインDJを務めたのが、こちらのDJ HARUKA KATAGATA。様々なブランドのパーティやクラブイベントでオーディエンスをロックする彼もまたKP TOKYOと親交の深いスケーターのひとりである。彼が所属するHOLE AND HOLLANDからは他にもYO.ANが出演するなど、スペシャルな一夜に相応しい面子が出揃った。






27:00 @ SALOON

そしてスケーターズイベントに欠かせないのが、映像作品の上映会。これまでに主催陣であるKP TOKYOをはじめ、数々のブランドがそれぞれの渾身のフッテージや初披露となる映像作品を上映してきたが、この日は東京を代表するBMXショップのW-BASEが発表した最新作のフッテージやKP TOKYOの最年長である上野氏が手掛けた最新の東京ストリートスケートビデオUGLY WEAPON、さらには若手フィルマーであるBuggyeが撮りためた東京のユーススケーターたちの映像作品BUGGYE VACATIONなどを次々に上映。会場はこの夜1番の盛り上がりを見せた。アルコールとグッドミュージックとともに没入していく週末のSALOON。一歩外に出れば明るみを帯び始めた東京から逃れるように、KP TOKYOはまた次の暗がりを求めていく。


INFORMATION

KP TOKYO

混沌とした夜の東京を舞台に暗躍する次代のスケートクルー。クソガキプロジェクト。
https://www.kptokyo.com/

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