「SYU.HOMME/FEMM」の2018AW Collectionのルックが到着。
今回、デザイナーの小野秀人が焦点を当てたのは、“ideal/reality 理想と現実の狭間”。
暑かったらラフに着る。寒くなったら暖を取る。当たり前の様で、そう着る人は少ないのでは。そんなリアリティを求めてたどり着いた先、舞台はNY。
普段の日常、リアルな生活の中に潜む何かしらの抜け感は最高にかっこいい。そんな小野氏の考える架空の人物のスタイルがここに完成した。
ーー 洋服を愛する叔父のクローゼットの中、大切にカバーに掛けられた少し裾や袖口が痛んでボロッとしたニット。少し肉厚の高級感のあるカーディガン。昔から目にしていた風景だ。
基本移動はBMX。移動中に聞いているSLOWなTECHNOやHIPHOPのエッセンスがやんわりと。親の影響で、90年代のRAVEでかかる様なTECHNO/ACID等の音楽がよく家では流れていた。
そんな環境で育った彼の着こなしは、夏はそこらへんで売ってるであろう、お土産TEE一枚にリラックスなジャージパンツとCap。
冬は古着で買った90年代のイベントのフライヤーのデザインがシルクスクリーンされたロングTEEを着て、その上から叔父の愛用していたカーディガンを着る。更にその上からアームがとても大きいシャツ。そしてそれらをガバッと覆うダスターコートを羽織るのだ。ーー
今季の注目は、新たにニッターをブランドチームに迎え、制作したラムウール100%のオーバーニットカーディガン。糸の中でも極太の糸を使い、天竺編みで組織をガチガチに編み立てた。超極厚の水牛ボタンが重厚感たっぷりだ。そしてクラッシュ加工の入った、両面で着れるダブルフェイスプルオーバーのニット。本来の工場がギブアップをした、非常に繊細かつ綿密に制作されたアイテムが実現。
そのオーバーサイズのカーディガン/プルオーバーニットの上から羽織る為に制作された身幅190cm、スーパーアームシャツは他にはない存在感を放つ。
更に、パンツはNEWYORKのホームレスが履いていたボロボロになった某スポーツメーカーのベロアパンツから着想を得たクラッシュベロアジャージーに、いなたさを払拭した、リラックスコーデュロイパンツが揃う。
ひとりひとりに人生があり、もちろん物語はその人自身が描いていく。
アイテムひとつ、着こなしひとつでその人となりを語る洋服。ぜひ、SYU.HOMME/FEMMのプロダクトと共に時を刻んでいきたいものだ。
photo:Toshio Ohno
styling:Masataka Hattori
Hair:Pyuuuuuu
Model:Austin