VERDYとPloomがコラボレーションしたプロジェクト、Wasted Youth×Ploom。8月23日にPloom Shop 渋谷店で開催されたレセプションパーティの模様を、当日の特別な内装の光景と共にご紹介する。場内には、告知されていた通りVERDYが監修した”昔ながらのたばこ屋”をイメージした特別な売店も登場。
同時に、今回のプロジェクトについて、また、今後VERDYが展開していこうと考えている企画についてインタビューを行なった。
最近のWasted Youthを構成している世界観を表現できた
ー今回のPloomとのコラボレーションに関して、VERDYさんによるWasted Youthと協作した理由を教えてください。
VERDY:最近のWasted Youthの活動を振り返ると、スケーターと共に行動していることが多いんです。例えば、スケーターのみんなと香港、国内も含めて一緒に色んな場所に行ったんですが、とにかくみんな、すごくタバコを吸うんですよね。だから、JTからオファーをもらったときに、すごく自然な流れとして、Wasted Youthでコラボしたいと思ったんです。
ーこのプロジェクトと同時にドキュメンタリームービー「Wasted Youth」も制作され、8月22日には招待制の上映会が開催されました。
VERDY:はい。ちょうどプロジェクトを進行する期間に、Wasted Youthとして海外に行く機会が重なっていたので、そこでスケーターが活動する光景をドキュメンタリーの映像作品として制作し、今回のコラボレーションと合わせて発表したいと思ったんです。実際に信用できるクルーと一緒に作品が作れたのは、とても良いことでした。8月22日には映画館に友達を招待して限定ポップアップみたいなインスタレーションを行いましたし、そこで提示した世界観をPloom Shop 渋谷店で開催されたポップアップに繋げたんです。ここ最近のWasted Youthはスケーターと過ごす時間や、彼らとビデオを撮影したりすることで構成されているなって意識が自分の中にあるので、それを1つの形として表現することができました。
ー映像作品を拝見させていただきましたが、スケーターのリアルなライフスタイルが描かれていましたね。
VERDY:やりたいことに向かって努力して生活をしている部分もあって、彼らの年齢ならではのリアルな姿がしっかりドキュメントされていたと思います。自分や吉岡賢人くんだとか、様々な世代の人間が出演して、同じテーマのもとに話をしたり、写り込んでいるのが良かったです。それに、kZmくんが制作してくれた音楽がまた、すごく良かったですね。作品の内容と相まって良い雰囲気を作ってくれました。
ーパーティでも撮影スポットになっていたのはVERDYさんが監修された”昔ながらのたばこ屋”をイメージした売店ということですが、これを作ったのはなぜですか?
VERDY:今回のプロジェクトを提示するうえで、何をやったら面白いかを考えているときに思い浮かんだのが、昔ながらのカウンター式のたばこ屋でのポップアップだったんですよ。そのアイディアに至ったのは、NYでSNEEZE MAGAZINEのパーティへ遊びに行った経験が起因しています。そのパーティ会場が古くて狭い本屋で、内装もそのまま使用して開催されていたんですが、それがカッコよくて。結局、実際に昔ながらの小さなたばこ屋さんでポップアップを開催するには制約が多すぎて難しい部分もあったんですが、その雰囲気を実現したくて、今回のために作ったんです。こういう昔のカウンターってけっこう売られているものなんですよ。それを購入して自分の色に再構築していったんです。
自分にとってスペシャルなものとしてアートを制作したい
ーこうして、また1つのプロジェクトが大成功のうちに終了したわけですが、次に控えている企画について教えてください。
VERDY:10月に開催するVERDY Harajuku Dayの準備を進めつつ、11月には香港で久しぶりの個展を開催する予定です。その準備として2週間ほど兵庫県に行って作品を制作していたんです。キャンバスを自分でカットしてアクリルに絵を描いたり。大きい立体物を作りたいと思っていたところ、そういった制作を一緒にやろうという話をもらったので、このタイミングで開催しようと考えて。
ー開催場所が東京ではなく香港というのは?
VERDY:今、日本で個展をやると、僕のデザインを好きな人が、何かグッズを売っているんじゃないかって期待を抱きながら来てくれることになると思うんですよ、どうやっても。そうではなくてアーティストとして個展をやりたいと思ったんです。でも、僕自身は、まだアーティストとしてのキャリアが明確にあるわけではないですし、グラフィックデザイナーだと認知されていると思うので、まずは海外で、チャンスをもらえるところでやっていきたいと考えて、話をもらった香港で開催することにしました。僕は飽くまでもグラフィックデザイナーではあるんですけど、アートも制作するし、個展もやる。最近では、そんな風に自分のやりたいことをやりたいときにできるようになってきたのかな、と自分を取り巻く環境に関して感じているんです。
ー今のVERDYがやりたいことがアートを制作することだったという意味ですか?
VERDY:そうですね。3年くらい前、僕もよく個展を開催していたじゃないですか。その時期はアーティストとグラフィックデザイナーという立場について考え込むことも多かったんです。デザイナーがアートとしての個展をやるのは、どう思われるんだろう? と。でも、そんな風に周囲の目を気にすることなんて、自分の表現には関係ないことだし、今は一切気にならないんですよ。それよりも自分の気持ちに従って、表現したいことを実現したい。今、アートを制作したいと思ったから作ろう、そういうシンプルな理由なんです。
ーアートの個展は、東京を含めた世界各国で開催していく予定ですか?
VERDY:アートに関しては、今の段階ではそういう気持ちはありません。個展をやるから作品を作らなくちゃって気持ちになるのが、僕の場合は1番よくないと思っているんです。本当に自分がやりたいと思ったときに作品を作るっていうスペシャルなものとして捉えているので、ちゃんと自分の気持ちが高まったときにやろうと考えています。だから東京での開催予定は今はありません。今後はわからないですけどね。今はすべて、自分が自然に思いつくことをやっていきたいと考えているんです。
パーティには、ドキュメントムービー「Wasted Youth」に出演したスケーターの面々も来場。入り口付近に設置されたブラウン管TVでは、ムービーが流されていた。8月22日の上映会でも配布されたポップコーンやWasted Youthのカップ入りのドリンクも配布され、この世界観に浸りながら、音楽を楽しみ、会場の場内外問わず、大勢の来場者が特別な時間を楽しんでいた。以下、場内の模様を写真で振り返りたい。