CHARI&CO ×
New Balance × BEAMS T
photography_Koki Sato
2008年にNYのロウワーイーストサイドにオープンしたバイクブティックは、現在では、チャリンコカルチャーをバックボーンに持つアパレルブランドとして、世界中で幅広く支持されている。そのプロダクトにはアートの雰囲気を感じさせ、ストリート感があり、何よりチャリへの愛を感じさせる。
そんな〈チャリアンドコー〉が〈ビームスT〉により〈ニューバランス〉とのコラボレーションを実現させた。トリプルネームとしてリリースされる本コラボコレクションの魅力を伝えるため、我々は〈チャリアンドコー〉のライダー達と共に、NYのストリートを駆け巡り、シューティングを行ってきた。
ここでは、そのフォトビジュアルをたっぷりとお届けしたい。
CHARI&CO ×
New Balance × BEAMS T
photography_Koki Sato
“NYでやってきたことの集大成的なコラボレーションになった”
CHARI&CO ディレクター後藤雄貴氏インタビュー
ー後藤さんが〈チャリアンドコー〉を立ち上げたのはいつ頃でキッカケは何だったんですか?
「ショップのオープンは2008年の5月です。当初は自転車屋としてスタートしたんです。
思い返せば、その頃は自分もすでに30歳だったし、NY生活も5、6年が経過したところだったので日本に戻ろうと思っていた時期でした。
その頃、僕の友達や周囲の人間が自転車に乗りはじめていて、ニュージャージーまで自転車で行っていたりと、ちょっとした中距離を自転車に乗って遊んでいたりもしていました。
ちょうど日米で自転車ブームがきていた頃だったんですけど、当時は良いパーツを売っているところが少なかったんです。
しかも、NYの自転車屋って少し怖い雰囲気もあったりして入りづらかったので、ちゃんと日本人が日本製の良いパーツを売っていて、もっと入りやすい場所を作ろうと思ったのがキッカケです。また、これまでにないチャリ屋を作りたいと思って絨毯を敷いたんですよ。“絨毯を敷いたチャリ屋”というのを打ち出して、バイクブティックとしてはじめました」
ーもともと、サイクルカルチャーが好きでNYで生活されていたんですか?
「いえ、最初はスニーカーが好きだったんですよ。2002年に25歳でNYに来て、日本では手に入りづらいNY限定モノなどを集めていましたね。そこで一気にNYという街に魅了されてしまったんです。様々な仕事をやりながら、30歳までに帰国してスニーカー屋をやろうと思っていたんです」
ーそこから自転車屋へ方向を切り替えた理由は?
「自分の中で、何かが違う……と感じたんですよね。スニーカーを追いかける生活を5年も続けて、人生の節目に、これまでと違うことをやりたいと考えるようになっていたんです。そもそも自転車にはNYに来てから乗りはじめたんですが、すっかりハマっていましたし。それで、最初にお話した経緯に繋がっていったんです」
ー後藤さんにとってのチャリンコの魅力はどんなところにあるんですか?
「ひと言で表現するのは難しいんですが、“ちょっとした自由”というか。NYの美しさと汚さを同時に見ることができるのが自転車に乗っているときだと思うんです。車や徒歩の雰囲気とも異なっていて、風を受けて匂いを感じながら音楽を聴けるという、1番良いところを見れるところが良さだと思うんですよ」
ーそうしてスタートした〈チャリアンドコー〉。今では自転車だけではなく、ファションブランドとして、日本でも広く認知されています。
「ショップをオープンさせて、最初の3年間で口コミでアッと言う間にNYで広がったんですよね。当時は自転車屋は少なかったのもありますし、スニーカーを集めていたときの繋がりでストリート界隈の有名な人が買いにきてくれたり、あるヒップスターが、ショップに来てくれていたのも起因していると思います。日本のマーケットに入っていったのは〈ビームスT〉の力も大きいですね。私だけでは思いつかないやり方で、日本の市場に広げてくれました。例えば、コラボレーションを実現させてくれたり。日本で〈チャリアンドコー〉が紹介されはじめた頃は、自転車屋だという認識が少なかったんじゃないでしょうか? NYにあるチャリ屋の服だとは思っていなかったと思いますよ」
ー今回は〈ビームスT〉によって〈ニューバランス〉とのコラボレーションが実現したわけですが。
「そうですね。今回のプロジェクトは、私にとって節目となる重要な展開になりました。〈ニューバランス〉は東海岸的なイメージが強く、ストリートからスポーツまで幅広いカルチャー感を持っているブランドだと感じています。そんなビッグブランドとのコラボですからね。今までやってきたことの集大成的な意味合いが自分にはあります」
ープロダクトについて、ブランドとしてこだわった点は?
「カラーですね。服も靴も色をネイビーに統一しました。ヤンキースカラーというのもあるんですが、私にとってNY=ネイビーのイメージがあるんですよ。それでセレクトした配色です。あとは素材ですね。色んなレザーやマテリアルをクレイジーに合わせているんですが、これはNYという街が、色んな人種の人間で形成されていることをイメージしています。この街に15年住んできて、本当に様々な人種と人と関わってきました。他の人種の人たちが描く価値観が未だに理解できない部分もあるんですが、逆に日本においても、変わったカルチャー感を持って生きている人もいるんでしょうし、そもそも自分自身も変な人間になってきていますからね(笑)。その感じを体現できたと思っています」
ー後藤さんにとっても良いコラボレーションになったと。
「本当にそうですね。やっていて面白かったです。楽しみながらプロジェクトを作っている感じが、色んな人に伝わればいいと願っています。そこからNYの良さも感じてもらえたら嬉しいですね。少しでも心に留まるコラボプロジェクトであってほしいと思います。感じ方が人によって様々でしょうが、少しでも響かせることができれば、私がNYで〈チャリアンドコー〉をやってきた甲斐があると思っています」。
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New Balance × BEAMS T
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