不完全の美を表現する小村希史の個展「OIL」が開催

画家、小村希史の個展「OIL」が4月8日までOIL by 美術手帖のギャラリースペースで開催中だ。

小村希史はロックや実験音楽への興味から1996年に渡米、ザ・アート・インスティチュート・オブ・シアトルで絵を学んだのち帰国し、2006年の「GEISAI #10」でのブロンズ賞、藤原ヒロシ賞を受賞。作品には共通して、作家が心惹かれる「もろさ」や「儚さ」といったテーマが根底にあり、初期は体や顔をモチーフとした厚塗りの人物画を発表していたが、2011年の東日本大震災をきっかけに、絵具を荒々しく削り除く手法による線やかすれによって不完全の美を表現する「Subtract(取り去る、差し引く)」シリーズを展開している。

Patch (噴水 Fountain) 2020, silkscreen ink and oil on canvas, 530×455mm
Subtract (Diction4) 2020, oil on canvas, 273×273mm
CT 30, 2019, oil on paper, 297×210mm

同展では、新作のシルクスクリーンやペインティング、ドローイング作品を展示。また、展覧会にあわせ、作家自らがデザイン・制作を手がけたオリジナルのロンTが販売される。

INFORMATION

小村希史「OIL」

会期:〜4月8日(水)
会場:OIL by 美術手帖(東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ 2階)
開場時間:10:00 – 21:00 ※3月22日(日)までは11:00〜20:00 ※会期中無休