自主レーベル〈YUTAKANI RECORDS〉から第一作となる2ndアルバム『光を投げていた』で、更なるサウンドの広がりをみせた小林私。YouTubeでの弾き語りや配信で集めた注目は、耳心地の良い詩的な言葉選びと、力強くも憂いたヴォーカルで確実な評価を得ている。目下開催中のポップアップではグッズデザインも手がけるなど、シンガーソングライターの肩書きに収まらない多彩ぶり。加えて、眉目秀麗な姿とギャップのあるキャラクター性は、どうも強烈で魅力的だ。一体、どんな人物なのだろう。大概のことはネットやSNSで調べられるけれど、“人となり”までは分からない。形式的なプロフィールでも、楽曲のことでもなく、たわいもない考えや趣味嗜好を知りたい。初対面の人と交わすような、“よくある質問”を小林私に投げかけてみたなら。
ーまず音楽活動のきっかけを教えてください
楽器を触り出したのは高校一年生。モテたくて軽音楽部に入ってエレキギターを買い、コピバンを始めました。高校二年生になって、バンド用に買ったアコギを一人で触るのが楽しくなり、高校の後半くらいからはオリジナル曲を作るようになりました。
ー趣味と特技を教えてください
曲を書くことが趣味と特技を兼ねている気がします。純粋な趣味で言うと、本を読むこと。最近だとキャンプも好きで、昨日まで山梨にキャンプへ行っていました。
ー好きな食べ物と嫌いな食べ物は?
嫌いな食べ物は無数にあります。ネギ類全般やトマト、ピーマン…子供が苦手な物は大体だめですね(笑)。あと調味料もあまり好きではないですが、食べるラー油と塩は好き。食べるラー油はかけたら全部あの味になるので。揚げ物や、そば、うどんも好きです。
ー最近あった嬉しかった/楽しかったこと
今度、崎山蒼志さんと対バンするのですが、元々僕が一方的に崎山さんとドライブしたいと言っていたら実現して。崎山さんの配信番組「崎山時間」をよく見るのですが、対バンの告知の際に“ドライブはいつでも行けます”と話してくれてて嬉しかったです。
ー最近あった悲しかった/落ち込んだこと
山梨にある鉱石ミュージアムで、ウレキサイト通称テレビ石を見ていたら、スタッフの方に「こちらご存知ですか」と話しかけられて。元々店員さんとの会話が苦手なのでテンパって、咄嗟に「………はい(仏頂面)」と返答して、その場から逃げ去ってしまいました。完全に時が止まりましたね。なんだか説教中に『反省しているのか』、と聞かれたときのような返事になってしまい、自分の対応力の無さに凹みました。
ーインスピレーションが湧くのはどんなときですか
降りてくるタイプではないので、作ろうと思ったときに作り始めます。作品やライブを見て、こんな曲を書きたいという気持ちは起きるけど、終わる頃には忘れてしまうので、すぐに形にできる人はすごいと思います。
ードライブチューンと言えば?
最近は音楽よりも配信番組を流していて、今日は「崎山時間」を聞いてきました。あと自分のアーカイブも流します。動画を見ながらツッコミを入れるタイプなので、同じところで同じコメントをしたり、同時に笑っています。
ー好きな映画作品を3つ教えてください
時間に拘束されずに鑑賞したいので、映画より本が多いです。本は好きなタイミングで閉じれるので。最も読み返した本は、米澤穂信さんの『〈古典部〉シリーズ』と『〈小市民〉シリーズ』。出先でも読みたくなって5回くらい買い直したり、もう20回は読み返しています。あとは、『名探偵の掟』(著・東野圭吾)。『蚊がいる』は収録されている、著者穂村弘さんとピースの又吉直樹さんとの対談も面白かったです。
ー最近読んだ本(小説、漫画など)と、その感想を簡単に教えてください。
今までは通読するまで他の本に手をつけませんでしたが、最近は数冊を並行してるので、完読できてないものもありますが。『悪い言語哲学入門』(著・和泉悠)という本は、何をもって悪口とするかを問う内容で、文字通り悪口をまとめた『悪口雑言罵詈讒謗私論』(著・筒井康隆)から引用していたり、かなり興味深いです。漫画だと、面白いのを承知で放置していた『もやしもん』(作・石川雅之)は、案の定よかった。『嘘喰い』(作・迫稔雄)というギャンブル漫画も、途中で止まっていたけど、全巻買って読み返したら面白かったですね。
ータイムマシーンに乗るなら過去と未来?その理由も
『働かないふたり』(作・吉田覚)の主人公は、自分が生まれた日に行きたいと言っていましたね、僕は思わないですけど。考えるとなると、まず未来の存在を肯定するのか…本当に帰ってきた世界は以前の世界なのか……。
ードラえもんの世界線くらいライトな感じでお願いします!笑
単純に、ラスコー洞窟や、アルタミラ壁画を誰が描いたのか見たいです。漫画『へうげもの』(作・山田芳裕)」を読んでいると、戦国時代あたりも面白そうだけど、時代にそぐわない失言をして罰せられる気がするし、創世記もいいけどマンモスにやられそうだし…。ただ傍観するなら、フランス革命の付近もいいですね、そこから近代美術が発展しているので。
ー映画や漫画、アニメなど作品のキャラクターになれるとしたら?その理由も
俯瞰でストーリーを追うタイプなので、考えたことなかったですが。『嘘喰い』の梶隆臣かなぁ。主人公・斑目貘に憧れながらも傍観者としての立ち位置を守っていて、いいなと思います。あとは、『恋は雨上がりのように』(作・眉月じゅん)の女子高生・橘あきらになって、おじさんを翻弄するか、『のんのんびより』(作・あっと)の蛍や兄貴(越谷卓)もいいですね。
ー理想の休日の過ごし方は?
家で本を読むこと。仮に、最期の日に何をして過ごすかを選べるとしても、読書を選択すると思います。結局、キャンプに行くのも好きですが、テントに篭って過ごしたいんです。最近は設営にも慣れたので、テントの中でNintendo Switchをやったり、ダラダラ過ごしています。
ー会いたい人はいますか?
できれば人と会いたくないです(笑)。憧れの人も緊張してしまうので、会いたいとは思わなくて。以前ラジオのリモート収録で、劇団ひとりさんと共演した際も緊張しすぎて、ほぼ台本通りの受け応えしかできず、全然ボケれませんでした。
ー最近チェックしているSNSのアカウントを教えてください
閨芥さん(@neyaakuta1299 )。いわゆるネタツイッタラーなのですが、ネタツイの中でも頭脳派というか、天才ですね。仲良くなったきっかけが、『ちょうどよく頭の良さそうな外国の名前はありますか』というツイートに対して、“クリキンディ”とリプをしたら採用されて。この名前は「ハチドリのひとしずく(辻信一)」からの引用で、山火事から動物が逃げる中、自分の口ばしで水を運んだハチドリの名です。
ー好きな場所と理由を教えてください
東京は冷たい街だとよく言われるけど、それが心地良いです。誰も関心を払っていない感じが性に合うというか。旅館よりホテル派だったり、お役所仕事が好きなんです。よく行くキャンプ場の管理人も、最低限のやりとりをして帰っていくので、その点も気に入っています。
ー最後に、5年後の自分に会えるなら。
絶対にそのとき書いている曲を聞かせてほしい。そのころもボイスメッセージで作詞しているかわからないけど、メモ帳とボイスメッセージとTwitterを見せてもらいます。未来の自分もいいけど、小学〜大学生までの自分を集めても楽しいだろうな。小学生のころが一番尖っていて、だんだん丸くなっていますが、僕は尖っていた時代の自分も愛しているので。
ジャケット ¥57,200
(DAIRIKU / mail_d.dairiku@gmail.com)
ニットポロ ¥17,600、Tシャツ ¥12,100
(ともにLITTLEBIG / tel_03-6427-6875)
パンツ¥28,600
(O – / mail_info@overriver.com)
右手小指に付けたリング ¥13,200
(IVXLCDM / tel_03-6455-5965)
左手に付けたバングル ¥28,600
(riku shinagawa / mail_riku.s.contact@gmail.com)
グルカサンダル ¥123,200
(F.LLI Giacometti / mail_info@wheelieltd.jp)
INFORMATION
小林私
2ndアルバム 『光を投げていた』
YTKN-001 ¥2,750
配信:
https://nex-tone.link/A00096093
・ライブ情報
小林私 東阪ワンマンライブ
「舞台では支配の力は諸君に宿る」
ゲスト:清 竜人
5月21日(土)大阪・味園ユニバース ※SOLD OUT
6月11日(土)東京・Zepp Haneda
Twitter:https://linktr.ee/kobayashiwatashi
Instagram:@yutakani_records
YouTube:小林私watashi kobayashi
YouTube:YUTAKANI RECORDS
HP:小林私オフィシャルHP