Technics×yonawo「今こそターンテーブルで音楽を」連載#02 DJレクチャー by YAMARCHY編

数年前よりレコード人気は再燃して、家でのリラックスタイムに、あえてレコードで音楽を聴く人も多いだろう。あの、針を落とした瞬間のパチパチした音がスピーカーから流れると無条件でワクワクしてくるから不思議なものだ。そこに淹れたてのコーヒーなんかがテーブルの上にあったら……うん、最高だね。
そんなレコードへの愛を根底に、本連載ではyonawoが実際にDJプレイするまでの軌跡を追いかけていきたい。
初回では吉祥寺のCOCONUTS DISKでレコードをセレクトし購入したわけだが、今回は、どうやってDJプレイを行うかについてを体験する。レクチャーしてくれたのは、東京で開催されているDJパーティで、いつもフライヤー画像に名前が記載されるDJ、YAMARCHY。ハウスからテクノ、ニューウェーブなどのジャンルをヴァイナルに特化してプレイしている。場所はyonawoの面々が共同生活を送っているYonawo House。


at Yonawo House

楽器のように楽しめるターンテーブルの操作

具体的なDJの仕方について教わってみようということで、Yonawo HouseにYAMARCHYを招いたyonawo。ひとまずは即席でテクニクスのDJを斉藤雄哉の部屋にセットする。なぜ、この部屋を選んだのかと言うと、もっとも音響機材が充実しているからだ。普段、yonawoが楽曲制作する際も、斉藤雄哉の部屋にメンバーが集まって、各々が作ったデモを聴いたりアレンジについて考えたりすることもあるのだそう。田中慧のベースのハードケースをDJ台に見立てて、作業デスクの隣にブースを作り上げた。

YAMARCHYと会うのは“はじめまして”なyonawo。自己紹介もそこそこに実際にどのようにDJを行うのかについてレクチャーしてもらった。
今回、まず実践しようとしたことはレコードの“つなぎ”だ。DJプレイと言っても、DJによってスタイルは様々で、1曲ごとに独立して聴きながら曲をつないだ方がカッコよく音楽が聴こえる場合もある。どんなレコードをかけるのかによって、やり方は変わるのだが、今回はYAMARCHYのスタイルでもある“四つ打ちの音楽”をうまくつないでいく方法論を教えてもらった。

その方法論というのは、まず片方のレコードで曲をかけている間に、もう1方のターンテーブルにレコードをセットしてキックの頭を探しておく、あとはテンポを調整しながら、つなぐタイミングを見計らっていくというものだった。レコードの回し方、うまく操作できる手の位置などを指南してもらいながら、目前で実践してもらっている光景に、yonawoからは「おおーー」と歓声があがりつつ、「楽器みたいだな」「早く自分もやってみたい」と各々、感じた言葉を呟いていた。

最初にDJを体験したのは、前回のレコード・ディグ編でもテクノ、ハウス寄りのセレクトをしていた野元喬文。実際にやってみると、意外にレコード周りが重たくて難しいことに驚きを隠せない様子。片一方のレコードでキックの頭を探し出し、テンポを調整していくというのも、パッとできることではなく、なかなか難しい作業ながらも、笑顔で楽しそうな表情を浮かべていた。YAMARCHY曰く、DJプレイを習得するためには、まずは、ひたすらテクニクスのターンテーブルに触って慣れていくことが必要だということ。楽器にしてもそうなのだが、最初は反復練習こそが上達への近道なのだ。

曲をつなぐ際のミキサーの使い方も教わる。例えば、曲を変える際に、いきなり切り替えるのではなく、じんわりとボリュームを調整しながら、徐々に曲を変えていくなど。このときにローやハイを削ったりして音にニュアンスをつけていくと、より効果的だ。その音色の差をyonawoの面々も興味深く楽しそうに聴き、実際に操作しながら楽しんでいた。ひと通り、野元喬文が操作した後は、メンバー全員がCOCONUTS DISKで手に入れたレコードをターンテーブルにセットして音楽を楽しんだ。

この日、教わったことをもとに、どんなスタイルでDJをやってみたら楽しいかを各々が考えていた。当初、1曲ずつ楽曲をかけることを考えていたメンバーも、うまくレコードをつないでいく面白みを感じたようで、「どんどん興味が湧いてきました」と口を揃えて言っていた。

YAMARCHYからDJプレイについての概要を教えてもらったyonawo。この日の出来事が、自分のDJスタイルについて考える契機となったようだ。Yonawo Houseに設置されたテクニクスのターンテーブルで遊びながら、各々でDJプレイを楽しく習得していくのではないだろうか。

次回は早くも実践編。YonawoがDJプレイするイベントに潜入し、その模様をお届け予定。乞うご期待!