Talk session 中野未悠(Atomic Skipper)サイトウタクヤ(w.o.d.)山本響(Maki)「MAKE A BOOM #5 -flame-」開催を前に3人の共演に予感するさらなるブーム

ストリーミングサービスにSNS、YouTubeなどから発信される音楽が多く聴かれる近年は、スマートフォンから巻き起こるムーブメントが世界中を席巻しているといっても過言ではないだろう。そんな“ブーム”を生み出しているアーティストの楽曲で構成されるプレイリストプロジェクト「BOOM BOOM BOOM」のリアルイベント「MAKE A BOOM #5 -flame-」が2月8日(木)に渋谷 WWW Xにて開催。Atomic Skipperw.o.d.Makiといった今話題のアーティストが共演する本イベントには注目が集まる。今回はそんな一夜を前に、各バンドのフロントマンである、中野未悠(Atomic Skipper)サイトウタクヤ(w.o.d.)山本響(Maki)の3人による鼎談が実現。イベントへの意気込みやそれぞれの音楽への思いを語ってもらった。

L to R→山本響、中野未悠、サイトウタクヤ

――Atomic SkipperとMakiはよく対バンしてますよね。

中野:そうですね。初めて対バンしたのが6年くらい前なので、まだ響がガキんちょの頃からの仲なんですけど。

山本:一応俺の方が先輩なんだけどな(笑)。

中野:(笑)。Atomic SkipperにとってのMakiは、高め合える仲間ですかね。私、初めてMakiを観た時に衝撃を受けて、「このバンドとずっと一緒にやっていきたい」って思ったんですよ。それから結構ライブに呼ばせてもらったりしていて、仲良くなっていったっていうストーリーがあるんですけど、今のMakiのライブからもあの時と同じような衝撃を受けています。

山本:Atomic Skipperの方が1歳下なんですけど、Makiからすると、頼れる後輩と言ったらAtomic Skipperだなっていう感じで。数少ない頼れる後輩バンドの1組です。

――Atomic Skipperとw.o.d.は?

中野:こうしてちゃんとお話するの初めてなんですけど、私は個人的にw.o.d.のライブめっちゃ観に行ってます。サーキットとかでいろいろなバンドが出てきたあとに、w.o.d.が自分たちの音楽をバン!って叩きつけて終わるっていうのを何回も観てきていて。「伝説的なライブを残すバンドって、こういうバンドなんだろうな」って思ってます。

サイトウ:ありがとうございます。俺はAtomic Skipperのライブをまだ観たことがないんですけど、音源を聴きながら、曲も演奏もクオリティが高いなと思ってました。しかも、技術によりかからず、自分たちの想いを表現する手段として曲があるって感じがする。

中野:めっちゃ嬉しい。ありがとうございます。

――w.o.d.とMakiは、昨年対バンしてましたよね。Makiの自主企画「三色」にw.o.d.が参加する形で、PK shampooも一緒でした。

サイトウ:Makiはライブがめっちゃカッコいい。クオリティーも高いし、フロアとの共鳴度合いがいいなと思ってます。

山本:ありがとうございます。俺もNirvanaがめっちゃ好きなんですよ。

サイトウ:そうやんなって思いながら曲聴いてたわ。新譜の3曲目(「No.11」)とか、めちゃくちゃグランジ進行やって思って。

山本:聴いてくれてたんですね、嬉しい。でも、グランジ色の強い曲も作れるようになってきたのも、最近やっとって感じで。

サイトウ:そうなんや。

山本:w.o.d.を初めて聴いた時、「俺がMakiでできないことをめっちゃやってるバンドだ」「なんで俺らはこういうアプローチができないんだろう」って思ったんですよ。俺は、好きな音楽を自分の曲で表現するのに時間がかかるタイプだから、w.o.d.の背中のデカさに悔しくなって。最近になってから、頭の中のイメージに技量が追いついて、あと「Makiってこういうバンドだよね」みたいなものに捉われすぎなくなって、「No.11」のような曲も出せるようになってきました。だけどw.o.d.に対する悔しさはずっとあるし、バンドを続ける上での指針にさせてもらってますね。

サイトウ:そんなふうに見てくれていたなんて全然……楽しく対バンして、打ち上げでめちゃくちゃ酔っぱらって、「こいつ、いいやつやなー」って思ってたんですけど(笑)。打ち上げの時、席が隣だったんですよ。

山本:そう。俺、サイトウくんとPK shampooのヤマトくん(ヤマトパンクス)からずっと「こいつ馬鹿やなー」って言われてました(笑)。一人で必死に喋ってたから。

サイトウ:……結構飲んでたからあんまり覚えてない…(笑)。

中野:分かる。何喋ったか忘れちゃいますよね(笑)。

山本:Atomic Skipperとも打ち上げは結構してきたけど、(中野は)号泣ばっかやんな。

中野:お酒が入ると、泣いちゃいます(笑)。それで、いつも響くんが慰めてくれるっていう。

サイトウ:やさしい(笑)。

――因みに、山本さんは今、マイタンブラーに入れたビールを持参していて、ビールを飲みながら喋っています。

山本:今、二日酔いでしんどいですね(笑)。昨日ワンマンだったから、朝の9時まで打ち上げやってたんですよ。

中野:ワンマンの打ち上げで二日酔いって聞いたことない(笑)。

山本:俺、ライブ中も酒飲むんですけど、昨日はワンマンだから130分飲みっぱなし。

中野:居酒屋の飲み放題ぐらい飲んでる(笑)。

山本:そうよ。ライブ中、「今いけてんな」「うん、カッコいい」って思いながら飲む酒ってうまいんですよ。

サイトウ:分かる。俺も飲みながらライブやるけどさ、飲んでた方が集中できない?

山本:そうそう。気が散らなくて済むというか、「俺、ライブするぞ」ってスイッチが入って集中できる。

中野:そうなんですか? 私、飲んだら多分ダメになっちゃうな。

山本:ライブ中に泣くんちゃう?

中野:そりゃいかんな(笑)。私には一生無理そうです。

――2月8日のスリーマンのタイトルは「MAKE A BOOM #5 -flame-」。「flame」は「炎」「炎のような輝き」「激情」という意味ですが、最近心が燃えた出来事はありますか?

サイトウ: 俺は、去年の年末、「FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2023」に出演した時ですかね。THE SPELLBOUNDのステージにゲストアクトとして出演させてもらったんですけど、中野さんと小林さんの間にマイク置いて、ギター持って、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「ダニー・ゴー」のカバーをするっていう。あれは激熱でした。

中野:私は、こないだのワンマンツアーのファイナル。あと1曲って時に、ドラマーの(松本)和希が痙攣しちゃって、ドラムを叩けなくなっちゃったんですよ。どうしようかと思ったんですけど、お客さんも待ってくれていたので、「じゃあみんなで歌おうか」って、最後にやる予定だった曲をみんなでワンコーラス歌ったんです。そしたらサビだけじゃなくて、AメロもBメロも全部、みんな歌えていて。全員で大合唱しているあの瞬間はヤバいくらい燃えたし、「お客さん、こんなに歌詞を覚えてくれてるんだ」って嬉しかったです。最後は和希が力を振り絞ってもう1回起き上がって、4人ででっかい音鳴らして終わりました。

山本:いい話。俺は日々燃えてるっすね。ライブなんてもちろん毎日燃えまくりだし、ギャンブルも好きなので。

サイトウ:じゃあ、ギャンブルで一番燃えた時は?

山本:今年の有馬記念の話なんですけど。ドウデュースっていう馬に武豊さんっていうジョッキーの方が乗って、1位になったんですよ。だけど、その1つ前のレースで、武豊さんが怪我をしてしまって、レースに出られなかったことがあって。そこからもう、ストーリーが始まっててるんですけど。

サイトウ:なるほど(笑)。

山本:そんななかでドウデュースが有馬記念に出るのが決まったから、「俺、もう絶対にドウデュースにしか賭けない」「一着はお前だって信じてる」って感じだったんですよ。怪我して走れなかった分まで、やってくれるだろうって。それで「ドウデュース、一着になるよ。絶対取り返してくれる」って周りの人にも言っていたんですけど……結果、その通り、1着だったんです。俺、三連単当てて。4万円ぐらい賭けてたのが、12万8000円になって。

中野:えっ、すごい!

山本:やっぱり、信じる時は信じなきゃいけないなと思いました。

中野:今、ライブ中にお客さん見てる時と同じ目してる(笑)。すごいわ。

サイトウ:ストーリーめっちゃ大事にしてるんだなって思った(笑)。

山本:いやー、あれは震えましたよ。走りがマジでカッコよくて。こんなに元気もらえるんだって思いました。

中野:実は私、今日スクラッチやったんすよ、そしたら2000円当たりました。

山本:マジで? 1枚買って2000円? それはすごい。だって10倍ってことでしょ? 10倍はデカいからね。競馬で1万円買ったら、10万円になるのと同じよ!(ここまでを一息で)

サイトウ:ギャンブルの話になったら、急に早口でめっちゃ喋るやん(笑)。

山本:(笑)。すみません、なんか1人だけですごい喋っちゃって。燃え尽きちゃった……。

――燃え尽きる前に、2月8日のライブに向けて、コメントをお願いします。

中野:私たちは、お客さんと心がピッタリくっつく瞬間をすごく大事にしてて。その分かりやすい例が「一緒に歌う」ってことなんですけど、一緒に歌える曲をたくさんやるつもりなので、みんなで最高のライブを作れたらと思ってます。アトスキを初めて観るって人もたくさんいると思うけど、「うちら怖くないよ」ってことと(笑)、「一緒に楽しもう」ってことを伝えたいです。

サイトウ:ライブ大好きなので、当日が楽しみですね。対バンなので、バンド同士はお互いに影響をしあったり刺激を受けながらライブをやることになると思います。お客さんは、自由に楽しんでもらえたらいいんじゃないかと。俺らの音楽を全然知らん状態で来る人もいるかもしれないですけど、決まったノリ方とかあるわけじゃないし、曲知らんくても楽しめるはずなので。好きな踊り方で、自由に遊んでほしいです。

山本:Makiのライブも、本能的に楽しんでほしいですね。本能に嘘をつかず、後悔のないようにしたら、お客さんもきっとライブを楽しめるんじゃないかと思いますし、俺らもライブではそういうことを一番大事にしています。我々はいつも通り最高のライブをするので、お客さんも最高な感じで来てくれたら嬉しいです。

――では、最後に、お互いに聞いてみたいこととかあれば、ぜひこの機会に。

山本:最近おすすめのバンドってあります? チェックしておきたくて。

中野:確かに。それは私もチェックしたい。

サイトウ:なんやろな。どういうのがいい?

山本:やっぱりリフ系が聴きたいっすね。あと、ハッピー系も好きです。最近レゲエにハマってるので。

サイトウ:リフ系だったら、俺はRoyal Bloodがずっと好きかな。ベースボーカルとドラムのツーピースで、初期のアルバムは、ライブでもそのまま再現できるくらいシンプル。最近はいろいろ音を重ねたりしてるけど、リフ系が好きなんだったら絶対カッコいいと感じると思うよ。

山本:(スマホで検索しながら)初期のアルバムっていうのは、この『Royal Blood』ってアルバムですか?

サイトウ:それそれ。

山本:プレイリスト入れときますわ。

サイトウ:ハッピーなレゲエって何聴いてるの?

山本:この前、誕生日に、友達からボブ・マーリーのレコードをもらったんですよ。『Exodus』ってアルバムなんですけど、聴くっていうよりかは、生活のBGMみたいな感じで部屋で流してて。これを流していると夜でも昼間になりますし、掃除とかもめっちゃ捗るんですよね。

中野:よし、これもプレイリストに追加っと。

山本:あとはやっぱり、Nirvanaはずっと好きです。

サイトウ:Nirvanaはずっといいからな。不思議やわ。

山本:不思議っすよね。俺ら「Lucky」って曲があるんですけど、Nirvanaの「Lithium」って曲から影響を受けながら作ってて。

サイトウ:あー、分かる。それはめっちゃ感じた。

山本:Nirvanaって暗いバンドと思われがちだし、歌詞も重い曲が多いじゃないですか。だけど「Lithium」はポップで、リフもハッピーなのがいい。俺、初めて組んだバンドがラップコアバンドやったんすよ。Nirvanaの「Smells Like Teen Spirit」とか、Rage Against the Machineの「Guerrilla Radio」を楽器隊が演奏して、ラッパーがフリースタイルみたいな感じでラップするバンドで。

サイトウ:へえ! めっちゃ楽しそう。

山本:高校の友達と組んだバンドだったんですけど……って、ヤバイ(笑)。なんか居酒屋にいるみたいなテンションになってる(笑)。

中野:「ビールくださーい」って言っちゃいそう(笑)。

サイトウ:じゃあ、今から飲みに行きますか(笑)。

Atomic Skipper、w.o.d.、Makiによる、この日だけの燃え上がるような夜を共に過ごそう。
次のブームを作るのはあなただ。

*現在、開催に向けたMAKE A BOOM 予習プレイリストを公開中。下記リンクよりチェックを。
https://bbbplaylist.lnk.to/makeaboom

INFORMATION

MAKE A BOOM #5 -flame-

開催日:2023年2月8日(木) OPEN 18:00 / START 19:00
開催場所:渋谷 WWW X
ARTIST:Atomic Skipper / w.o.d. / Maki

イベント公式サイト
BOOM BOOM BOOM プレイリスト
MAKE A BOOM 予習プレイリスト