ペトロールズのライブアルバム『SUPER EXCITED (LIVE ALBUM)』がTOWER RECORDSにて、12月9日(水)より、一般販売が開始。また、同日より本作のリリースを記念して、TOWER RECORDS 渋谷店にてレーベルキャンペーン“ENNDISC CORNER”も行われる。
10月23日〜11月8日まで開催されていた代官山蔦屋書店“ペトロールズフェア3”を経て、10月23日より、TEIEN ONLINE STORE (https://teienonline.com)にて先行販売中の本作。ぜひ、”ENNDISC CORNER”とあわせてチェックしていただきたい。
SUPER EXCITED – ペトロールズ(ENCD-47)
ペトロールズのライブが観たい、と今強く思う。ペトロールズのニューライブアルバムとなる本作『SUPER EXCITED』を聴いてやはり最初に浮かんだのは、それだった。2020年はペトロールズのライブとともに紐づけられている感覚と記憶があまりに少ない。それは、とても寂しい。
ペトロールズにとってのライブ表現は、まさにライフワークと言っていいだろう。ステージに立つ長岡亮介、三浦淳悟、河村秀俊の3人は、それぞれの演奏の輪郭や色を尊重しながら互いを際立たせ、ときに思いもよらない重なり方も嗜みつつアンサンブルを編み、その場でしか生まれ得ないグルーブを現出させていく。
スリーピースというミニマムなバンド編成を最大限に活かし、最初から誰にも似ていない音楽に生々しい息吹を注入していく。毎回、音源や過去の公演とも異なるアイデアが施され、そうやって、音楽におけるライブの醍醐味がとめどなく増幅し、拡張していく。フロアのオーディエンスはまるでその現場が誰にも縛られない社交場であるかのように、ある者は思い思いに踊り、ある者は集中して聴き入り、ある者は言葉にならない歓声をあげる。それは、とても楽しい。
これまで、ペトロールズのライブで選出されるメニュー、つまりセットリストに連なる楽曲は少しずつ増え更新されていった。真摯な創造性とジャストなリリースタイミングを見極めてきたバンドゆえに、彼らはライブで一つひとつの楽曲と長く向き合っている。だからこそ、前述したようにアレンジにはそのときの閃きや趣向が反映され、それが丁寧かつシームレスに次に生まれる新作音源のモードへと引き継がれていっているように思う。
『SUPER EXCITED』は2018年に記録されたライブ音源だ。オーディエンスとのコール&レスポンスのやり取りから察するに、おそらくアジア圏での公演だろう。バンドの軌跡を鑑みると、2015年8月にリリースにされた1stアルバム『Renaissance』に収録された楽曲の演奏が豊潤に熟してきたころであり、ラストに「KAMONE」が披露されていることから、2019年10月の2ndアルバム『GGKKNRSSSTW』の作品像が見えてきた季節のライブだと想像する。メニューとしては、『GGKKNRSSSTW』前夜のベストセレクションという捉え方もできるだろう。
M1の「Fuel」から活き活きとした熱量を発する3人のグルーヴと、サウンドの上で自由闊達でありながら底知れない色気を帯びた旋律を動かしていく長岡のボーカルが、耳の中で立体的かつ鮮やかに浮かび上がってくる。その音像は、ああ、ペトロールズのライブだと、まざまざと実感する臨場感に満ちている。個人的な白眉は、M7「ホロウェイ」のドライヴ感とメロウネスを両立した緊張と緩和のカタルシス、そこからペトロールズのミニマリズムにひたすら痺れる「Talassa」へとつながる流れだろうか。いや、ここで多くは語るまい。ペトロールズのライブを生で体感するときと同じく、それぞれのあり方で楽しんでほしいと思う。
そう、ペトロールズのライブは、個々人の感覚と記憶に紐づけられていく。だからこそ、2021年にステージに立つ3人と再会ができることを、今は切に願っている。ー三宅正一
INFORMATION
SUPER EXCITED(LIVE ALBUM)
ARTIST:ペトロールズ
LABEL:ENNDISC
品番:ENCD-47
仕様:AUDIO CD
価格:3,000+TAX
収録曲:1.Fuel
2.シェイプ
3.ないものねだり
4.誰
5.アンバー
6.Not in service
7.ホロウェイ
8.Talassa
9.止まれ見よ
10.雨
11.Profile
12.表現
13.KAMONE(全13曲)
Information:info@enndisc.jp