[Report]LIVEWIRE:GRAPEVINE LIVE AT HIBIYA PARK

GRAPEVINEが4月25日に開催し、スペースシャワーTVがプロデュースするLIVEWIREにて生配信もされた日比谷野外音楽堂でのライブの模様をGRAPEVINEフォロワーを公言するBOY代表奥冨直人によるレポートで振り返る。

2021 年4月25日、【GRAPEVINE LIVE AT HIBIYA PARK】が日比谷野外音楽堂にて開催された。
この日、東京は3度目の緊急事態宣言を受けた初日。多くのイベントが中止や延期を迫られる中、感染防止対策を講じた上で開催に至った。
多少の緊張感が広がる中、メンバーが拍手をしながらステージに現れ、それまで静寂だった会場に盛大な拍手が鳴り響く。
Vo.&Gt.田中が、「こんにちはー!」と威勢の良いMCで応え、“FLY”から爽快なスタートを切る。
宣言下の中、辺りを見つつ少しずつ立ち上がる客席。まだ残る不安な心境は、田中の歌い出しで一気に晴れ上がる。

“FLY”と同様アルバム[From a Smalltown]収録の“スレドニ・ヴァシュター”ではGt.西川特有の攻撃的なギターが存分に鳴り響き、続く“放浪フリーク”では、解放感のあるこの曲の持ち味と、なんとか持ちこたえた晴れた空が重なりなんとも心地良い。
序盤から、このバンドだからこそ生み出せるアンサンブルのスケール感と楽曲の高揚感に早々打ちのめされる。
「僕らがいい演奏をしていたら最大限の拍手、最大級の無言、最大限のマスクの下の笑顔で応えてください。」と、田中のMCで和む会場。
田中はアコギに持ち替え、バインが持つスモーキーな色気が凝縮された”Darlin’ from hell”~優しく語る様なヴォーカルと、哀愁あるメロディーが人懐っこい初期スローナンバー”風待ち”と続く。
その後、尖ったギターサウンドとダイナミックなドラムが印象的な新曲”リヴァイアサン”でバンドのロックンロールな部分を垣間見、”Golden Dawn”では跳ねるベースとコーラスワークでニューウェイヴの要素をふんだんに堪能。

作品ごとに様々な音楽を柔軟に取り入れ、自分達の色に染め上げるバインだからこそ生まれるアレンジと多幸感溢れるポップセンスに、客席のステップが止まらない。
明るいムードから一転し、バイン節とも言える儚げで何処か冷ややかなサウンドが美しい”無心の歌”が日の暮れた野音を包みこむ。
田中の伸びやかな声と西川のスライドするギターが絡み合い、解放されていく。
柔らかい風が吹きはじめ、演奏された”アルファビル”。ビルの連なった日比谷の真ん中で、[果てるビルディング/ここを愛しているかい]というフレーズが静かに耳に残る。
ギターリフから残響するハウリング音に乗せるように、ハードなベースリフから始まった新曲”阿”は、吠える様な西川のギターと叫ぶ田中、亀井のタイトなドラムが重なるド直球なロックナンバー。こうした、長く活動しグルーヴを高めてきたバンドだからこその説得力を目の当たりにする。

その後、巧妙なビートにアルペジオとメロディーがムーディーに寄り添う”弁天”、そして、ライヴでも人気のミディアムナンバー”すべてのありふれた光”。
[君の味方ならここで待ってるよ]と歌い締め、支えるように両手を広げる仕草を見せる田中。まだ続く不安な状況の中、バインの音楽やその存在が、この期間も優しく支えてくれたと想え心がほころぶ一幕だった。
MCでは、5月26日発売のニューアルバム”新しい果実”について触れる。リリース後のツアーにも触れ、「終わりの様な空気をかもし出してますが、あと6万曲ありますんで宜しくお願いします。」
と、冗談を交えて場を和ます田中。

ここからは、“MISOGI”~“JIVE”~“Alright”とアッパーなロックチューンを連発。日が暮れた野音のステージに、色っぽい鮮やかな照明とそれを膨張するミラーボールの輝きが広がり、会場のグルーヴも最高潮に。手拍子を要求する田中に、客席も最大限で応える。
ハイなテンションから一転し披露された“さみだれ”では、バイン独特の温度感から生まれる安心を強く感じる。
続くは、3月に配信リリースされたばかりの新曲“Gifted”。不穏な鍵盤のフレーズと歪んだベースが奇妙な美しさを放つイントロから、浮遊するかの様な伸びやかで解放感のあるサビまで、なんとも絶妙なバランスとコントラストが重なる楽曲。この多幸感をライヴで浴びてしまい、ますますニューアルバムが待ち遠しくなった。
本編ラストは、彼らの代表曲と言っても過言ではない“光について”。消灯を命じられた東京の街の中、田中がサビを歌い終える瞬間に灯ったステージの鮮烈なライトが、この日を待ち望んでいた人達の心に優しい光が降り届いた様に思えた、そんなこの日のハイライトだった。
アンコールでは、[このままここで終われないさ/先はまだ長そうだ]と未来を繋ぐ様に歌う
“Arma”。”スロウ”の余韻を残したまま、壮大でいて優しさと切なさが詰まった名曲
“smalltown,superhero”がじんわりと野音を染め上げ、美しく幕を閉じた。心配された雨も、最後まで降る事はなかった。
GRAPEVINEは、常に時代を見つめ、語らい、寄り添い、聴く者に委ねる隙間を生み出す稀有なバンドだ。不確かな現代に、誰しもが抱えるであろう不安な感情が、この日彼らが与えてくれた鮮烈で温かな光によって、柔らかな希望に塗り代えられたように思う。
ニューアルバム”新しい果実”には、どんな希望が詰め込まれているだろう。果実のように新鮮に、そして美しく熟していく彼らの奥行きある世界の中、まだまだ新しい光を浴びていきたい。

ライブは5月5日(水)23:59までLIVEWIREで見逃し視聴可能。
なお6月より開催のツアー「GRAPEVINE tour2021」のオフィシャル先行も受付中なので合わせてチェックを。

photography_Taku Fujii
Text_Naoto Okutomi(BOY)

INFORMATION

GRAPEVINE LIVE AT HIBIYA PARK

【LIVE STREAMING TICKETS】
LIVEWIREにて見逃し配信中。
5月5日(水)21:00まで視聴チケット販売中
https://livewire.jp/p/grapevine210425

【LIVE INFORMATION】
https://www.grapevineonline.jp/

【NEW RELEASE】
▼2021.05.26 New Album『新しい果実』
https://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A019973.html
<商品形態>
●スペシャルパッケージ盤(1CD+2LIVE CD+『新しい果実』Tシャツ(シリアルNo.入り)
NZS-837 / ¥9,350(税込)
※VICTOR ONLINE STORE & SPEEDSTAR CLUB限定販売商品
●初回限定盤(1CD+2LIVE CD) VIZL-1895 / ¥5,500(税込)
●通常盤(CD) VICL-65501 / ¥3,300(税込)
<アルバム収録曲>
鮮烈なギター・ロック「Gifted」をはじめとする90年〜00年代の洋楽ROCKのサウンドや、ネオ・ソウル・ミュージック「ねずみ浄土」など80s、POP、FUNK、R&B、SOULといったカラフルなサウンドを取り入れ、GRAPEVINEしか成し得ないワン・アンド・オンリーな10曲を収録。

1. ねずみ浄土 2. 目覚ましはいつも鳴りやまない 3. Gifted 4. 居眠り 5. ぬばたま 6. 阿 7. さみだれ 8. josh 9. リヴァイアサン 10. 最期にして至上の時

<2LIVE CD「FALL TOUR 2020 at Nakano Sunplaza」収録曲>
※初回限定盤・スペシャルパッケージ盤のみ収録
01.HOPE(軽め) 02.Arma 03.豚の皿 04.また始まるために 05.報道  06.すべてのありふれた光 07.The milk(of human kindness) 08.そら 09.指先 10.here 11.Alright 12.片側一車線の夢 13.光について14.CORE 15.超える 16.1977 17.NOS  18.ミスフライハイ 19.アナザーワールド
<完全生産限定 『新しい果実』Tシャツ(シリアルNo.入り)> 
※スペシャルパッケージ盤のみ付属 Tシャツ仕様 [素材:綿 / サイズ:フリー(Lサイズ・身丈:73 身幅:55 肩幅:50 袖丈:22 cm)/ ボディーカラー:白]
≪スペシャルパッケージ盤 購入予約URL≫
VICTOR ONLINE STORE:https://victor-store.jp/item/160885
SPEEDSTAR CLUB:https://members.speedstarrecords.com/product/29667
※VICTOR ONLINE STORE & SPEEDSTAR CLUB限定販売商品。
※本商品には限りがございます。商品を確実に入手するには お早目のご予約をお奨めいたします。
※数量限定のため規定セット数に達ししだい、発売日前においても予告なく販売終了となる可能性がございます。

NEW SONG 「ねずみ浄土」
You Tube
https://youtu.be/e7cGRkjGziA
https://jvcmusic.lnk.to/NewFruit

【LINK】
・GRAPEVINE OFFICIAL WEBSITE
https://www.grapevineonline.jp/​
・OFFICIAL Twitter 
https://twitter.com/news_grapevine
・OFFICIAL Instagram 
https://www.instagram.com/news_grapevine/
・OFFICIAL YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UC1IvZIgFhRCHlzAQiYTQ1tg