KANDYTOWN所属のラッパー・トラックメイカーであり、ボーダーレスな表現でヒップホップを拡張するRyohu。昨年、メジャーデビューと30歳という節目を迎えた彼が放った、メジャー1stアルバム『DEBUT』を提げたツアー「Live in The Moment」の東京公演が去る7月11日(日)、渋谷WWW Xにて行われた。有観客としては約2年ぶりとなる本公演は、同作品に参加したTENDRE、AAAMYYYをはじめ、Takemura Jin、Yohji Igarashiを迎えたバンドセットにて実施。アルバム収録曲からお馴染みの名曲まで披露された、この日の模様をフォトレポートで振り返る。
BGMに揺れながら、宴の開始を待ち望むフロア。拍手で迎えられるサポートメンバーに続き、今宵の主役Ryohuが登場すると、2017年発売のEP『Blur』より懐かしのトラック「All in One」で幕を開けた。徐々にオーディエンスの熱気が高まる中、KANDYTOWNの楽曲でもある「Ain’t no holding back」でボルテージは一気に最高潮に。
TENDREとAAAMYYYのコーラスが痺れる「Blue Rose」から、亡き仲間に送る「Forever」の流れで、熱を帯びる会場をエモーショナルなムードに誘うと、メンバー紹介を兼ねたMCを挟み、いよいよアルバム『DEBUT』の楽曲へ。
ライブの第二章を告げる、先行配信シングルでもあった「The Moment」では壮大なステージを繰り広げ、クワイアを基調としたサウンドとポジティブなリリックを融合させたRyohuの新境地が織りなす、幸福感に包まれた瞬間となった。
その後も、昨年産まれた愛する我が子に向けた「You」を語りかけるように歌い、自身のキャリアを振り返った「Anytime, Anywhere, Anyone」で大いに沸かすと、「Foolish」、「True North」、「Level up」と立て続けに収録曲をプレイ。気付けばライブも終盤に。
くるり「ばらの花」をサンプリングした「Flower」は、RyohuのフロウとTENDRE、AAAMYYYによる掛け合いがハイライト。「Anytime, Anywhere, Anyone」のリリックにもある通り、“ベストなアクト”の彼らだから為せる完璧な空気感なのだろう。“幸せになれますように”と捧げた「Cloud」を優しく投げかけると、最後は「Eternal」で幕を閉じた。
アンコールは、スタート曲と同じく『Blur』より「Call your name」と、『DEBUT』のラストを飾る愛妻に向けたラブソング「Rose life」を。あえてストレートなラップでなく、情緒的なRyohuのボーカルで締めくくるのは、彼の自在かつセンス溢れるパフォーマンスの魅力の一つなのかもしれない。
バンドセットということもあり、ラッパーという枠では括りきれないRyohuの音楽性を改めて感じた一夜。ラッパーとして、そしてミュージシャンとして、次はどんなステージを見せてくれるのか楽しみだ。
SET LIST
01. All in One
02. Who
03. DownTown Boyz
04. Shotgun Shuffle
05. Ain’t no holding back
06. Blue Rose
07. Forever
08. The Moment
09. GMC
10. You
11. Anytime, Anywhere, Anyone
12. Foolish
13. True North
14. Level up
15. Thread
16. Flower
17. Cloud
18. Eternal
EN19. Call your name
EN20. Rose life
「Live in The Moment」@Shibuya WWW X
開催:2021年7月11日(日)
SUPPORT:
AAAMYYY / Takemura Jin / TENDRE / Yohji Igarashi