ファミコンのバグを題材に油絵を描く画家、岡田舜の個展「Ut0p1a」が開催

ファミコンの画面とバグを主な題材として油絵を描く画家、岡田舜の個展「Ut0p1a」が8月6日より西麻布CALM & PUNK GALLERYにおいて開催される。

岡田は1992年生まれ。2019年から毎年一度の個展を行っており、今回で4回目となる。本展では、異なる画面、複数のキャンバスをつないで1つの絵画にすることを試みた新作群を中心に構成され、岡田作品の中でも象徴的な「砂嵐」なども展示される。

以下、アーティストステートメントだ。

ファミコンのバグった映像を初めて見た時、すぐにそれをキャンバスにうつそうと直感的に決めました。私にとってバグは初めて体験するものであり、映し出された映像はまるで完成された絵画のように見えたからです。しかしその映像をうつそうとすればするほど、なにかが抜け落ちたような画面が出来上がるのです。

私はその穴をふさぐように、生乾きの絵具をぶつけたり、画面をひっくり返したり、ずらしたり、さまざまなアクションをもって自分自身を混乱させてきました。そうする事でうつすなかで無意識のうちに行っていた絵画的操作が全てが明らかになり、否定されるのです。そして時間が経ち、混乱から回復してその絵を冷静に鑑賞できるようになった時、やっと私は筆を置くことができるのです。

生活の中でも人間は唐突に事故や失敗と出会います。その時人は混乱し、前後不覚、判断不能な状態へと突き落されます。そして回復し、新たな基準を獲得して日常へと戻っていく。もしかしたら、私の制作はそのような運動の狭間に入っていくことに近いのではないか。ふとした瞬間にあらわれる、日常の中に潜むバグと似た感覚を。チラチラと現れる、錯覚に似た感触を。確かめる度に、そう思うのです。

INFORMATION

岡田舜 個展「Ut0p1a」

会期:2022年8月6日(土) – 8月28日(日)
13:00-19:00 ※水曜〜土曜、最終日曜日開廊 
会場:CALM & PUNK GALLERY(東京都港区西麻布1-15-15 浅井ビル1F)