Report: LA ART BOOK FAIR 2019の模様に見る”これからのインディペンデントなアートシーン”

EYESCREAMでは、連載:ZINEspirationでZINEがアートのプラットフォームとして如何に面白いかをお伝えしている。加えて、ストリートアートやDIYで作られる作品や物の個性、魅力をアーティストやプロダクトを通して紹介してきたわけだが、そういったカルチャーが最初に発信されている場所はどこか? と問われるとアートブックフェアでしょう!と答える。特にLAで行われている同イベントにはNY、LA、東京、ヨーロッパから気鋭クリエイターが集結し、各々が発信したい内容を様々なフォーマットに落とし込んで発表していて、次にどんなグラフィックやプロダクト、クルーやアーティストが注目されてくるか、という発見の場にもなっていると感じる。と、いうわけでっ! 今年のLA ART BOOK FAIRに潜入して来ました。

LA ART BOOK FAIR(LAABF)を開催している団体はPrinted Matter, Inc.という書店、NYのART BOOK FAIRを主催しているのも同様だ。2013年にスタートしたLAABFも今年で7回目、4月11日のオープニングイベントを介して12日〜15日までの3日間、入場無料での開催となった(イベントはチケット制)。

参加した団体は大体390ほど、31ヶ国からの参加となったが、中には以前、鼎談にも参加してもらった川邉美幸さんがオーナーを務めるcommuneも!


[SEARCH TOKYO Vol.01]
東京のショップから見るカルチャーのムード。VOILLD×commune×SUPPLY/BACKDOOR鼎談

さて、今回のLAABFで特にピックアップしたい団体がSilent Sound

つい先日の2月中旬にSALT AND PEPPERでアイテムを展開していたので、遊びに言った人もいるかもしれない。Silent Sound Booksは写真家のColey Brownが立ち上げたLAのインディペンデントなパブリッシャーで、Peter SutherlandJim Manganの作品集を出版している。

笑顔で撮影に協力したくれた2人、左からJim ManganとColey Brown。この日もアイテムを展開していた。

ZINEだけではなくストリートならではのアート性を追究して発信される彼らの活動には今後も注目していきたい。

さて、今年のLAABFだが、2、3年前と比較すると、来場者が少なかったように思う。2016〜2017年と言えば、こうしたZINEをはじめとする、DIYなアートが一気に世界中で話題を集めた時期ではあるが。たまたまかもしれないが、このイベントに訪れる若い人が減っている、というのも、また何か、そういう時代だってことを告げていることだと思う。

ZINEなら何でも良い、という意味ではなく、Silent Soundが展開している内容のように、本当の意味でアート的にも価値がある少数のハイクオリティなもの、というのが求められているのかもしれない。

今後も、ART BOOK FAIRの動向には注目していきたいし、引き続き国内でZINEを制作しているクリエイターも紹介していきたいと思う。

そして! 現在、EYESCREAMのWEBではアート/カルチャーのムードを探る特集企画「SEARCH TOKYO」の続編「SEARCH OSAKA / KYOTO」を展開中。そちらもチェックしておくれなさいよ。

[SEARCH OSAKA / KYOTO Vol.1]大阪・京都のショップから見るカルチャーのムード。Pulp×VOU×ペフ鼎談