“STREET SKATEBOARDING 2022” from EYESCREAM No.181 003:Sean Pablo

CHAPT. 02—NY

Sean Pablo

時代を代表するアイコンとして活躍し続けるSean Pablo。言わずもがな、前ページ掲載のFucking Awesomeのクルーでもあり、絶対的象徴として世界中に認知されている。数年前より拠点をLAからNYに移したSeanだが、オリンピックにスケートが加わった今、現代のスケートシーンをどう捉え、自らはどう行動しようとしているのか。EYESCREAM WEBでは最新号EYESCREAM No.181よりその一部をお届けする。

「独創的で新しいスタイルを作っているヤツが面白い」

―― スケートを始めたのは何歳のときでしたか?

「10、11歳くらいだね。放課後は毎日友達とスケートしていたよ。それが今では仕事なんて、今も信じられないよ。もちろんプロとして良いスケーターであり続けることの大変さは感じているけど、スケートすることの楽しさは今も変わらないな」

―― SeanはLAで生まれ育ち、今はNYを拠点にしていますよね。LAとNYのスケートシーンは、どのように異なると思いますか?

「雰囲気や空気感もそうだし、スケートに対する美学も全然違うね。LAで撮影されるスケートビデオに出てくるスポットの多くは更新されていないというか、同じスポットが使われているのがほとんどなんだよね。それに、どのクリップにも雲1つない晴れ渡った空が使われているよね。それに対して、NYは良い意味で、もう少し貪欲で汚くて古びた感じがある。この街は一筋縄ではいかないイメージがあるね。いわゆる〝スポット〞が少ない分、自分の想像力をフルに働かせて、本来はそうでない場所をスポットに仕立て上げることが必要になるんだ。NYには、まだまだ滑ってみたいし、撮影してみたいアイディアがたくさんあるよ。年の半分は天気も最悪だけどね(笑)。だからこそ、天気が良い日のNYは、まるでパラダイスのように最高なんだ」

―― オリンピックの競技にスケートが追加されることで、今後、シーンに何か変化があると思いますか?

「自分の周りを見る限りでは今のところ、特に変化は感じられないかな。ストリートスケートとオリンピックのようなコンテストのためのスケートはまったくの別物だからさ」

―― やはり、コンテストとしてのスケートとストリートスケートは異なるものだと?

「うん、全然違うと思う。オレたちは自分たちのスタイルをスケートビデオに残すために練習するけど、スポーツとしてのスケートはコンテストに勝つために日々練習しているわけだから、単純に目指すゴールが異なっているよね。スケートを始めるきっかけもストリートスケートはより自然でカジュアルなものだと思う。最初に話したけど、オレは気の知れた友達と楽しむためにスケートしに行っていたし、そうやって自然にスケートをしていたから。まぁ、オレの場合は競技的なスケートのカルチャーのもとで育ってきていないから、どっちがどうって感じに比べようがないんだけど」

―― 今のスケートシーンで興味深いことは何ですか?

「SevenやTroy、August など新しい世代の彼らもそうだし、Tyshawnも然り、独創的に新しいスタイルを作り上げている人たちが面白いね。自分のことで言うと、ここ最近、新しいトリックを学ぶことに、改めて面白みを感じているよ。これまでの自分のスタイルを更新する感じがして楽しいんだ」

―― 改めて、スケートはどんな存在なのか教えてくれますか?

「スケートは、どんなときでも1番興味があることで、その気持ちはずっと同じなんだ。これまでたくさんの時間をスケートに費やしてきたけど、嫌になったことは1度もなかったし、常にスケートを愛している。スケートをやっていたからこそ、数多くの素晴らしい人たちに出会ってこれたし、オレのすべてと言っても過言じゃないよ」

―― そこまでスケートに魅了されるのは、なぜだと考えますか?

「ストリートスケートにはルールがない、自分のやりたいようにやれば良い。テクニカルですごいトリックを決めるアスリートのようなスタイルのスケーターもいれば、シンプルなトリックでも創意工夫のあるスタイルを持つ人もいるよね。そこに優劣をつけることはできないし、どんなスタイルも等しくリスペクトされるものだと思う。大事なのは自分自身がどんな人間で、どんなスタイルやテイストを持っているのか、だから。だからこそ、スケートには年齢なんて関係なくて、ティーンネイジャーだろうが、OGと言われるような上の世代だろうが、スケートが好きという共通項で友達になれるんだよ」

―― 今後やってみたいことや表現していきたいことを教えてください。

「言うまでもないことだけどスケートはもちろん続けていく。スケートがなかったら、今ここにオレはいなかったからね。PARADISE NYC(自身が手掛けるブランド)に関しては、スタートしてから6年が経ったけど、オレにとってクリエイティブを表現できる場として大切にしているから、今後もどんどん新しいことに挑戦したいね。ファッション関連では、今までも何度かコラボレーションしてきたCONVERSEのチャックテイラーとワンスターのニューカラーが近々リリースされる予定。あと、今年は写真展をやったりZINEも作る予定だから楽しみにしててほしいな。気が向いたときに1人で音楽も作っていて、いつ
かはアルバムも発表できたらいいと思うし、ずっと興味がある映画作りにも、まだ先の話になるんだろうけど、いつか必ずチャレンジしたいと思っているよ。それに、まだ撮影がスタートしていないんだけど、今年はSupremeの新しいスケートビデオのために、たくさんフィルミングする予定なんだ。2022年はオレにとって久しぶりのスケートイヤーになりそうだから、今から楽しみだよ」

INFORMATION

EYESCREAM No.181

発売:2022年2月1日(火)

Street Skateboarding 2022
スケートカルチャーはどう変わったのか

Fucking Awesome
Jason Dill
Anthony Van Engelen
Na-Kel Smith
Louie Lopez
Kevin Bradley
William Strobeck
Sean Pablo
Beatrice Domond
Seven Strong
Troy Gipson
Kyota Umeki
Karim Abdul Callender
Jeremy Elkin
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