“STREET SKATEBOARDING 2022” from EYESCREAM No.181 004:Beatrice Domond

CHAPT. 02—NY

Beatrice Domond

Fucking AwesomeやSupremeがスポンサードした初のフィメールスケーター、Beatrice。ストリートのレジェンドが見出した1995年生まれのユースは、この2年間でファッションシーンにもフックアップされ、時代を代表するスターになった。彼女が現代のスケートシーンに望むことは何か。EYESCREAM WEBでは最新号EYESCREAM No.181よりその一部をお届けする。

「大きなビジネスになっているけど
ストリートのシーンは変わらないでほしい」

―― 最近はどんな活動していますか?

「この前、SFとLAでVANS主催のコミュニティイベントがあって、100人のキッズにスケートを教えたり、スニーカーなどをプレゼントしたわ。最近Fucking Awesome(以下、FA)のショップがNYにもオープンしてテンションがあがってるの。近所にFAのショップがあるなんて最高! もともとDill(Jason Dill)はNYでFAをスタートさせて、LAに拠点を持ってやってきたわけなんだけど、NYにもショップをオープンさせたことで、ブランドのルーツに戻ったって感じかしら。あとは、最近スポンサードされているベアリングのブランドSKFの撮影でLAにスケートトリップに行ったわ」

―― 東京オリンピックが開催され、スケートの初代金メダリストが生まれましたが、何を思いましたか?

「私は分野が違っていても、スケートのすべてを学びたいタイプだからオリンピックも生中継で見ていたんだけど、雄斗(堀米雄斗)は本当にすごいわ! そうそう、私と雄斗は同じ誕生日なのよね(笑)。それはさておき、私は雄斗が金メダルを獲ることを願っていたから最高にうれしかったわよ。彼はストリートでもオリンピックでも最高の滑りを見せてくれるから、あの金メダルはストリートスケート界でも誇りだわ。今後、世界中のキッズがWEBでスケートをチェックするときに、ストリートとオリンピックの両方の分野を見ることで、スケートのスタイルをより幅広く知れるチャンスにもなると思う」

―― ストリートと競技におけるスケートの差はどこにあると思いますか?

「コンテストやオリンピック競技のためにスケートするなら、朝起きてパークに行って、得意なトリックを5〜10個ぐらい、ひらすら練習して習得していくことが必要になるわね。ストリートだと、起きてからフィルマーに連絡して、自分でスケートするスポットを見つけて滑るんだけど、NYは警察や人がたくさんいるし、障害物もたくさんあるから、なかなかスケートするのが難しいのよね。側から見ていると、ただストリートを回っているだけに見えるかもしれないけど、私たちはフィルムでの見せ方やスタイルを計算しながら滑ってるわ。NYに来てから、そろそろ3年くらいかな。拠点を移した当時はLES(LES Coleman Skatepark)周辺しか滑らなかったけど、最近、イーストビレッジに引っ越してきてからは、ハウストンストリートからもっとミッドタウン、ハーレムの方までクルージングしているわ。地下鉄でミッドタウンに行って、スポット探しに行ったりもしている。NYのスポットは限界がないのよ。それと、スケートするときのスタイリングにも気を使うわ。お洒落してテンションあげてスケートするのは最高!」

―― 現在のスケートシーンで興味深いことは?

「新しいスケートブランドやユーススケーターがどんどん増えているのには興奮させられるわ。今となっては、SNSでNYのシーンがどこにあるのかがわかるから、キッズもその場所に行って人脈広げることもできるだろうしね。私がキッズだった頃は、まだインスタがなかったから、WEBでNYのことを色々リサーチしてたのね。それと比べると、よりスピーディにシーンにコネクトできるようになっていると思う」

―― 今後、スケートの未来はどうなっていくと思いますか?

「オリンピックなどの影響でどんどん大きいビジネスになっているけど、今のようにスケートカルチャーを理解している人たちが業界でトップになっていけば、未来は明るいと思うわ。私はこのカルチャーが好きでスケートを始めたから、どんなにシーンが大きくなっても変わってほしくないの。Dill やJahmal(Jahmal Williams)といったレジェンドたちが、ユースにこのカルチャーを受け継いでいってくれて、ユースもカルチャーを理解したうえで、ストリートスケートのシーンを支え続けてほしいと思ってる」

写真集『FLY ON THE WALL』以降、パンデミック中に制作された2冊のZINE、DIYな作りからBEATRICEならではの雰囲気が伝わってくる。スニーカーは過去にVANSとコラボレーションした際に作られたもの。

―― 今後、表現したいものや作りたいものは?

「2020年に写真集『FLY ON THE WALL』を発表して初の写真展を開催したの。パンデミック中に2冊新しいZINEを作ったりもした。最近だったら、ルイ・ヴィトン生誕200周年を記念して、200名のクリエイターが各々トランクをデザインするプロジェクトがあったんだけど、それにも参加させてもらったわ。NYのミッドタウンにある5番街のショップで2か月ほど展示してあって、今はパリで展示されているのよ。VANSは過去に4回コラボしたんだけど、今、新しいデザインを2つ考えているところ。今後、力を注いでいきたいのはアートとフルパートの映像制作かな。楽しみにしててね」

INFORMATION

EYESCREAM No.181

発売:2022年2月1日(火)

Street Skateboarding 2022
スケートカルチャーはどう変わったのか

Fucking Awesome
Jason Dill
Anthony Van Engelen
Na-Kel Smith
Louie Lopez
Kevin Bradley
William Strobeck
Sean Pablo
Beatrice Domond
Seven Strong
Troy Gipson
Kyota Umeki
Karim Abdul Callender
Jeremy Elkin
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