伝説のレコードショップ『アザー・ミュージック』の21年間に密着したドキュメンタリー映画が公開

1995年に開店し、2016年6月25日に閉店したニューヨークの伝説的レコードショップ“アザー・ミュージック（Other Music）”の21年の歴史を追いかけたドキュメンタリー『アザー・ミュージック』が、9月上旬よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて公開される。

一介の音楽ファンの友人同士であったクリス・ヴァンダルーとジョシュ・マデルによってオープンした同レコードショップは、音楽ファンを唸らせる圧倒的な品揃えを誇りながら、ただCDやレコードを販売するだけでなく、ミュージシャンや画家、映画監督、俳優などさまざまな人々が社会的な垣根を超えて集い、音楽や芸術、人生について語り合い、新たなムーヴメントが発生する唯一無二のコミュニティに。そこから数々のバンドが結成され、新たなレコード会社が誕生し、のちにブレイクするアーティストたちの活動拠点になった。

本ムービーでは、そんなレコードショップがいかに誕生し、なぜ閉店するに至ったのかに迫っている。監督は、アザー・ミュージックで働いていたロブ・ハッチ＝ミラーと、その常連客であったブロマ・バスー。かつて、アザー・ミュージックで出会い、結婚した、気鋭の映画監督二人が閉店の報せを聞き、撮影を開始。その後、同店に関する資料を綿密にリサーチし、関係者へのインタビュー等を3年の歳月をかけて行い、完成させた。

映画では、ヴァンパイア・ウィークエンド、アニマル・コレクティヴ、ザ・ナショナル、ギャラクシー500、デペッシュ・モード、レジーナ・スペクター、TV オン・ザ・レディオ、インターポール、ヤー・ヤー・ヤーズ、ル・ディグラ、そして俳優のベニチオ・デルトロといった同ショップの常連客でもあったミュージシャンたちが出演。同店の果たした役割や思い出を愛情たっぷりに語る。また、“誰よりも情熱的で、知識豊富な音楽ファン”が集結した人種も国籍も性別もさまざまな個性豊かなスタッフたちや音楽ジャーナリスト、ファンたちの証言も見どころだ。

テル、モグワイ、ザ・ラプチャー、ヴァンパイア・ウィークエンドなど、狭い店内で頻繁に行われていたインストア・ライブでの熱気と親密さに溢れたライブなど、貴重な映像を多数使いながら、その創業から閉店に至る波瀾万丈な21年間の歩みが、多角的かつ多層的に綴られる。
予告編では、インストアライブでのヴァンパイア・ウィークエンド「A-PUNK」、ニュートラル・ミルク・ホテル「Two-Headed Boy」の音源に乗って、音楽にあまりに詳しいためミュージシャンからも恐れられていたスタッフや店内の様子が映されている。