popcorn-talkie
by shun komiyama
[movie quotes] #24 さらば冬のかもめ -1973-
starring HIYADAM
僕たちは囚人のように、淡々と季節の果てへ連行されてゆく。時間という護送列車の車窓から過ぎ去る人々を眺め、車内販売にバレぬように僅かな希望をくすねては、一息ついて絶望をやり過ごす。最悪な出来事とは、いつの間にかそれが当たり前になってしまっていること。僕たちは手錠をつけられる前、確かに望むものを持っていたはずだ。そしてそれは今もコートの中で声がかかるのを待っている。この冬が終わるころ、重たい上着を脱ぎ捨て、またそいつに出会うのだろう。その時は、今度こそ、目を逸らさないように。
【popcorn-talkie by shun komiyama】