映画や音楽を早送りで視聴したり、スキマ時間に切り取り動画を観たり、即効性や生産性や効率性が何より重視される、加速主義丸出しな現代。そんな早すぎる時代のBPMを落とし、有意義な無駄や余白をいまいちど取り戻そうというコンセプトでお送りする、減速主義な新連載『スロールBPM』。
ヘアスタイリスト・森田康平とSF(ソウルフル)作家・山塚リキマルが、毎回ゲストとともにテーマに沿って選曲し、プレイリストを作成する座談会形式のスモール・トーク。記念すべき連載第一回目に登場するのは、踊ってばかりの国のフロントマン・下津光史。渋谷は鶯谷町のヘアサロン・TETROにて、新年早々お屠蘇気分で繰り広げられたヨタ話を、気鋭のフォトグラファー・菊地佑樹によるイケイケな写真とともにおたのしみください。
——当連載は、座談会に入るまえに、森田がゲストのスタイリングをするのが習わし(ってコトにしようと収録前日に決まった)。そしてスタイリング中、互いの馴れ初めなどを存分に語ってもらい、スムースに座談会へと雪崩れ込もうという算段であった。だがしかし、生粋のロックンローラーである下津光史に、そんな予定調和は通用しなかった。
下津光史(以下・下津):ママーっ!!(前掛けを付けられた瞬間、急に取り乱しながら)
森田康平(以下・森田):リラックスして。
下津:せやな、ちゃんとせなアカンな。俺の情熱が、俺の中のスペインの血が騒いでもうて。
森田:踊ってばかりの国はこれから冬休み入るけど、下津は年明けから弾き語りめっちゃ入ってるよね。
下津:めっちゃ入ってる。明日も娘たちにハッピーセット食わさなアカンから。
森田:(笑)。えーっと、それじゃまず、下津とオレの出会いから語るらしいんですけど。
下津:あれは2017年やったかな。忘れもしない、GOD(※下津がギターヴォーカルを務めるバンド)の下北沢SHELTERのライヴ。
森田:ヤン君(※jan and naomiのメンバー。GODではベースを担当)に誘われて行ったんだよ。俺ね、ヤン君は社員旅行で行ったフジロックで出会ったの。
下津:あのフジロックの帰りにGODは結成されました。あんときのヤンはピチピチのめっちゃ短い皮パン履いて、上裸にライダース羽織って、ポケットにウィスキーとかワイン10本ぐらい突っ込んでたな。ほんで、なんかずっとガムクチャクチャ食ってんねん(笑)。
森田:ヤン君にGODのライヴに誘われたんだけど、そんとき俺、日本の現行のロックバンドとか全然聴いてなかったから、踊ってばかりの国も知らなかったの。“ヤン君がヴォーカルじゃないんだ〜。下津光史って一体誰だ?”ぐらいの感じで。それで初めて『SONGS』聴いたら、マジでめちゃくちゃ良かったんだよね。だから初めて会う前から気になる存在だった。
下津:俺もヤンから“めっちゃ変な美容師がいる”って聞いてた(笑)。
森田:で、ライヴ行ったら、下津が初対面でいきなり、『お前、俺と同じ目してるな! 連絡先教えてや!』って言ってきたんだよ(笑)。
下津:そんで仲良くなってすぐ家行きましたね(笑)。
森田:俺さ、そんときアンダーソン・パークのチケット持ってて、ヤン君と一緒に行こうって約束してたんだけど、下津が俺のチケット奪ったんだよ。結局俺も行けたからいいんだけど(笑)。
下津:森田くんが当時、池ノ上住んでて。音楽とかめっちゃデカい音で流すクセに、足音とか超気にすんねん。その下の階に住んでる大家が気ぃ狂っててな。
森田:そうなんだよ。足音にはやたら敏感に反応すんだよ、あいつ。
下津:あいつはヤバい。俺たちを凌駕する気狂い。“なんで家賃払ってんねやろ?”って思ってたもん。
森田:いま、踊ってばかりの国に関わってる人たちは結構あそこで出会ったよね。
下津:ターニングポイントやったな。でもホンマ、森田くんには色々お世話になってます(笑)。
森田:俺と下津の共通点は、子供の頃に髄膜炎になってるとこだね。俺、ムツゴロウさんがめちゃくちゃ好きでさ、あるときムツゴロウさんが“犬の口の部分をくわえて犬が嫌がらなかったら服従してる証拠”ってTVで言ってんの見て、町中の犬を片っ端からくわえて回ってたら髄膜炎になったの(笑)。
下津:俺は犬舐めまくったわけやないけどな。犬は飼ってたけども。三年に一回ぐらいしか洗ってもらえないきったねえ犬を(笑)。俺はね、5歳のときに高熱出して髄液が腐って、脳髄に菌が入ったんですよ。で、病院行ったら背骨に1センチぐらいの穴開けられて、汁を抜かれた。小児科のロビーに、泣き叫ぶおふくろの声がこだましてたわ(笑)。
山塚リキマル(以下・山塚):下津くんは年末年始、何してた?
下津:家でSwitchや。娘とひたすらSwitch三昧。『スプラトゥーン3』や。
山塚:ゲームするんだ、意外だね。
下津:二十年ぶりにやってる。小学校五年生のとき、親父がブチギレてプレステぶっ壊してから以来。
山塚:そんな悲しい過去が(笑)。
下津:『クラッシュ・バンディクー』やってたんやけど、俺、頭おかしいから、負けるたんびにコントローラーをTVに投げつけてしまうんや。で、あるときTV画面ぶっ壊してもうて、それ見た親父がブチ切れて、プレステを地面に叩きつけた(笑)。ほんでそっから何も買ってもらえんようなって。
山塚:その頃は音楽は好きだった?
下津:うん、ハイロウズ聴いてた。『日曜日よりの使者』が好きだった。松ちゃんとヒロトの有名なエピソードも知ってた。いとこの兄ちゃんに教えてもらったんやけど、他にもMONGOL800とかハイスタとかも聴いてたよ。
山塚:TVとか観てた?
下津:『笑う犬』とか『めちゃイケ』とか観てたな。めちゃイケの油谷さんが好きやった。夏休みに、おかん仕事やから帰ってこんと思って、全身にサラダ油塗って家の中で暴れてたら、急におかん帰ってきてブチ殺されたことあるわ。バトミントンのラケットの柄の方でしばかれた(笑)。
森田:下津のお母さん、めちゃくちゃ美人だよね。
下津:ああ、身長7メートル半あるしな。
山塚:ミッツ・マングローブと同じぐらいか。
下津:“元祖シャラポワ”って呼ばれとったわ。俺の乳首が小さいのはおかんに似た。おかんは乳頭がなくて母乳の行き場がなかったんや。母乳がアウトプットできないタイプの、アポロ系の乳首やった。
森田:出会いの話してたのに、なんで乳首の話になってんの(笑)。俺と下津、結構色々エピソードあるのに(笑)。
下津:新年一発目の仕事がこれでええんやろうか(笑)。
——早くも波瀾万丈の様相を呈したスタイリングがなんとか終わり、ようやく選曲座談会がスタート……とはならなかった。下津が突如、ギターを手にして歌い出したのである。じつは当連載、毎回ゲストにパフォーマンスを披露してもらうコーナーを設けており、座談会終了後に下津に弾き語りをしてもらおうというスケジュールを立てていたのだが、チャキチャキのロックンローラーである彼にそんな予定調和は通用しなかった。そして果たして、彼が歌い出した瞬間、空気が一変した。比喩や誇張ではなく、彼がギターを持って歌うと、空気の一粒一粒が光り出すのである。まるでTETROの店内すべてが、彼の歌の一部になってしまったかのようだった。さっきまで乳首がどうのとほたえ騒いでいた人間と同一人物とは思えないほど、その姿はうつくしく神秘的だった。それは、まったく、まったく、まったく、驚愕に値する出来事であった。だがしかし、驚くべきことは他にもあった。
この日、下津は、歌詞を書きつけた作曲ノートを持参していたのだが、そこに並んだ歌詞にはほとんど一切、書き直した形跡がなかった。コード進行や譜割りさえなく、まるで初めからそう決まっていたことをただ書き写すように、詞だけが一行ずつ並んでいた。歌を作り始めたときからずっとこの手法なのだと下津はいった。びっくりしながら「歌詞とメロディ、どっちから先に作るの?」と聞くと、平然とした顔で「同時ですね。わたくしはそれ以外は歌とは呼ばない」と答えた。こうして作った雛形をメンバーとセッションし、楽曲を組み立てるのが“踊ってばかりの国”の制作スタイルなのだという。
居合わせた誰もが口々に、放心したような顔で「すごい」とため息まじりにつぶやくと、「でも今日持ってきてる本ヤバいで。“ダ・ヴィンチ・コード”の上巻」とおどけてみせた。森田が「音楽の正社員だね。無遅刻無欠席の優良社員」というと「エリート官僚や」と笑い、つづけてもう一曲歌ってくれた。歌詞をところどころ変えて、みんなに語りかけるように歌う下津の姿を見ながら僕は、“このひとは、言葉より先に歌を覚えたひとなんだ”と思っていた。下津の歌を聴くと僕はいつも『歌というのは忘れるためではなく、忘れないために歌われるのだな』と思う。めちゃくちゃ美しいものを見たときとか、大切な人が死んだときとか、強烈なダイナミズムに直面したときだけ揺さぶられる心の奥底の無防備な部分があるけれども、下津の歌は、その部分を素手でギュッと掴んでくる。
かくして『海が鳴ってる』と『待ち人』の二曲を披露してくれたのち、ついに満を持して選曲座談会は始まったのであーる。
選曲テーマ・1
『この曲、オレが作ったことにしたい!』曲
森田:ズバリ、下津ちゃんが『この曲、オレが作ったことにしたい!』曲は?
下津:『ホワッツ・ゴーイン・オン』。でもマーヴィン・ゲイやなくて、ダニー・ハザウェイがカヴァーしてるやつ。ライヴ盤の。
下津SELECT:ダニー・ハザウェイ『ホワッツ・ゴーイン・オン』
下津:ありがとうございます、新年明けましたっ!
森田:サイコー。
下津:言うたってー! このライヴ盤はキャロル・キングのカヴァーも最高です。
山塚:これが『作ったことにしたい曲』なんだ。
下津:この曲って全員平和じゃない? WARの『ホワイ・キャン・ビー・フレンズ』みたいな。まずコード進行が素晴らしいし、一生ジャムれるし、歌としてもすごい成立してる。
森田:でもなんか、このライヴ盤聴くとわかるよ。下津ちゃんがコレやってるイメージ浮かぶもん。お客さんが発してるバイブスも、踊ってのライヴに近い感じがする。
下津:(グレイトフル)デッドとかにも通ずるものある。丸ちゃんもコレやったらギリギリ理解できるポップスのラインやし。この世界観は結構目指してるところだね。
森田:これ、超いいね。俺、マーヴィン・ゲイのしか聴いたことなかった。
下津:歌うめえんだよね〜、この時代の黒人シンガー全員。黒人になりたいっていう憧れはやっぱある。小っちゃいときからボブ・マーリー聴かされてたし。
森田:でもさぁ、俺、去年ライヴめっちゃ観て思ったけど、またちょっと歌うまくなったよね。
下津:止めて! ちょっとマネージャーさん、止めて。
森田:いや、超普通にそう思った。ヨイショとかじゃなくて。
下津:実は去年の十月、悪魔と契約したんです。
山塚:クロスロードで?
下津:溝の口の駐車場で。
山塚:ヤバ、意外に近所だった(笑)。
下津:パン屋さんの向かい側に悪魔がおって。『500円でいいよ。500円で魂買ってあげる』って言われて、それで500円もらったんです。
山塚:魂を差し出す代わりに歌が上手くなったとかじゃなくて、普通に500円もらったんだ(笑)。
下津:でもね、でも、アメリカンスピリッツ買ったら80円しか残らなかったの。ホワッツ・ゴーイン・オ〜〜〜〜〜ン。
森田:俺はキング・クルエルです。初めて知ったとき、自分より若い、下の年代のヒトが、ジャンルとして新しい音楽を鳴らしたっていうのが衝撃だった。これ以降、『キング・クルエルっぽいね』っていう流れが生まれたし。
森田SELECT:キング・クルエル『イージー・イージー』
下津:プーマ・ブルーとか、コスモ・パイクとか。
森田:踊ってもそうだよね、踊ってが作った流れってある。
下津:ビール飲みたい。ビール買う?
森田:せめて一周してからにしよう(笑)。キング・クルエルはさ、ずーっと新しいものを出し続けててずーっとカッチョいいんだよ。更新してるっていうかさ。俺は日本のでも海外のでもそういう人が好き。俺が知った当時、キング・クルエルはZoo Kidって名義で、まだ16歳とかだったんだよ。なんか『悔しい……』って思ったね(笑)。
下津:キング・クルエルって絶対『ドンキーコング』から来てるよな。それ以外でキング・クルエルって言葉ないもん、絶対(笑)。
(※収録終了後、森田氏の談話で判明したのだが、キング・クルエルという名前はドンキーコングではなく、エルヴィス・プレスリーの映画から来ているのだそーだ。キング・クルエルはエルヴィスの大ファンだそうで、確かに『ブルー・ムーン』の妖しくもメロウな感じとかは通ずるものがあるように思う。)
山塚SELECT:KOJI1200『ブロウ・ヤ・マインド』
下津:これは誰?
山塚:今田耕司。90年代に、テイ・トウワのプロデュースでアルバム2枚出してんだよね。
下津:藤井隆とかあのへんの歌出してた芸人、全員テクノ・アーティストなろうとしてたよなあ。今田耕司って『マインド・ゲーム』の声優さんとかもやってるよな。
森田:なんでこの曲選んだの?
山塚:コレ、歌詞がめちゃくちゃヤバいんだよ。だって歌い出しが『俺の好きな食べ物 ハンバーガー チョコ ステーキ チキン』なんだよ。そんな歌この世にないじゃん。とにかく歌詞がまったく何も言ってない。俺はたまに歌詞とか書くんだけど、この歌詞は俺が考えたことにしたい(笑)。
下津:(ジャケットを見て)あー、このジャケ知ってる。
山塚:tofubeatsの『水星』の元ネタとしても有名な曲。カラオケのDAMチャンネルで『水星』入れたら、なぜか作詞のクレジットが今田耕司になってんだよね。
下津:関西弁のラップっていいよなぁ。
山塚:今田耕司の寝室には、めちゃくちゃデカいプリンスの写真が飾ってあるらしいよ。
下津:ビール飲みたい。もう無理やわ、ビール飲まへん?
選曲テーマ・2
『へ〜、この人こんな曲あったんだ〜』な曲
山塚:次の選曲テーマは、『この人こんな曲あったんだ〜』という、知る人ぞ知る意外な一曲ということですけども。
下津:ヤバい、俺このテーマだけまだ曲決めてない。
森田:俺はこの曲です。
森田SELECT:ポール・マッカートニー『チェック・マイ・マシーン』
下津:これ、誰?
森田:ポール・マッカートニー。
下津:かっこよ。めっちゃフィッシュマンズやん。
森田:でもフィッシュマンズよりこっちのが余裕で先。
下津:フィッシュマンズは意外にイタリアのプログレに影響受けてたらしい。
山塚:これ、楽器はポールが全部ひとりで演奏してんだよね、宅録で。
下津:何てアルバム?
森田:『waterfall』てアルバムの曲のシングルカットで、B面の曲。
下津:レッド・ツェッペリンとかにさ、まだレゲエとかあんまよく解ってない段階で無理くりレゲエやってる曲あるやん。ああいう流れなんかな。
山塚:当時、ポールはYMOに影響受けてたらしいよ。’80年に来日したとき、YMOとセッションする予定決まってたんだけど、逮捕されておじゃんになったという。
下津:この曲はまさに『こんなんあったんや〜』って感じやな。前衛的。
森田:これ、自分用な感じするよね(笑)。
下津:このループとか絶対そうやろ。家でひとりで聴く用に作った音楽(笑)。
山塚:歌詞もヤバいんだよね。20回ぐらい『NO!』って言ってたり。
下津:ポール・マッカートニーがフェラ・クティ好きで、いっぺん会いに家まで行ったことあるらしい。でもフェラ・クティの家まであと100メートルってところで、ポールが乗ってるクルマがフェラ・クティの取り巻きに襲撃されて、それで結局たどりつかれへんかったらしい。フェラ・クティがポールを知らなかった説があるんやって。
下津:これ誰?
山塚SELECT:DANGER『夕日に赤いカバ』
山塚:これ、清志郎がパーカッションとシャウトで参加してるやつ。
下津:デンジャーやねえ、国立デンジャー祭りやねえ(笑)。
山塚:清志郎のバックでサックス吹いてた梅津和時さんのバンドに、清志郎が参加したのがDANGER。
下津:前衛的やね。ちょっとサン・ラとかに近いものを感じる。
山塚:このアルバムは清志郎がラップしてる曲とかもあるんだよね。
下津:やー、ヤバいな。曲、全然思いつかへん。何にしよ。
——『この人こんな曲あったんだ〜』という一曲を、下津がなかなか思いつかないゆえ、森田がもう一曲プレイ。そしてここで下津待望の缶ビールが投入。
浅川マキ『こんな風に過ぎてゆくのなら』
下津:あー飲んでもた。
森田:最近飲み過ぎじゃない?(笑)
下津:だって今日、新年会やと思って来てたもん。
森田:まぁ、新年会だけどね。
下津:初詣も兼ねた。
山塚:これいい曲だね。浅川マキ、こんなんあるんだ。
下津:めっちゃいい。引き算の考え方ですね。
森田:お正月感あるしね。でも歌詞はちょっとさみしい感じ。
——ここで悩みに悩んでいた下津がついに、『この人こんな曲あったんだ〜』という一曲を思いつく。
下津:ビリー・チャイルディッシュわかる?
山塚:あー、ヘッドコーツの。
下津:そう、その人がやってるスカバンドがあって、ビリー・チャイルディッシュ&マンゴーズみたいな名前のバンドがあんねん。トレイン・スポッティングの作者の同級生のバンド。やっぱさ、治安とかが悪いとこってさ、音明るいよね。
ビリー・チャイルディッシュ&ザ・ブラック・ハンズ『アナーキー・イン・ザ・UK』
山塚:ぜんぜんマンゴーとかバンド名に一個も入ってないじゃん(笑)。
森田:でもジャケはちょっとマンゴーっぽいかも(笑)。これは『こんな曲あるんだ〜』だね。
下津:これカヴァー・アルバムで『テキーラ』とかもやってる。ビリー・チャイルディッシュがアナーキー・イン・ザ・UKカヴァーしてるのめっちゃおもろいよね。
山塚:そういえばヴィヴィアン・ウェストウッド亡くなりましたな。
下津:あの人おらんかったら何にもなかったで、世界。
山塚:文化史的にあの人は超デカいよね。
下津:デカいし、やっぱすげー悪女だったんやと思う。
選曲テーマ・3
『お正月に熱燗で一杯やりながら聴きたい』曲
山塚:最後のテーマは『お正月に熱燗で一杯やりながら聴きたい曲』です。
山塚SELECT:小坂忠『きまぐれ天使』
下津:これはコタツ熱燗やね。半勃起のコタツ熱燗。
森田:半勃起(笑)。
下津:冬場は基本半勃起やね。
山塚:知らなかったわ。
下津:コタツって半勃起じゃない?
森田:そうなの?(笑)
下津:いやー、だいぶ終わってきたな。終わりさらばえてきた(笑)。
山塚:まあ、正月だし。
下津:これ、誰?
山塚:取ってつけたような聞き方じゃん(笑)。これ、小坂忠。『気まぐれ天使』という70年代のTVドラマのサントラですね。歌詞のしみじみ感とか、ちょっとクダ巻いてる感じも熱燗と相性いいかなと思って選びました。
森田SELECT:ノーテーションズ『アイム・スティル・ヒア』
森田:これはGREAT3の片寄さんがめちゃくちゃソウル・マニアで、それで教えてもらった曲。このクセある感じの歌い方がいいんだよね。
山塚:歌の息継ぎとかシャウトの感じが絶妙ですな。
下津:ていうかヤバい、めっちゃ首の下痒い! ママ〜〜!!
下津SELECT:HIS『日本の人』
(歌い出しの『人と仲良くできない人〜』という歌詞に一同笑う)
下津:なんやねんこの歌詞(笑)。
森田:歌詞すげー(笑)。
山塚:持ってかれるね。
下津:清志郎、サイコーだよね。
山塚:歌うめー。
森田:歌うめー。
下津:情緒ですよ。
山塚:正月っぽいね。
下津:正月っぽい。
森田:うん、正月っぽい。
山塚:ていうか、みんな酔っ払い過ぎてマジコメント適当すぎ(笑)。せっかくなので、下津くんの清志郎に対する思いの丈をうかがいたいんですけど。
下津:清志郎はオトナになってから好きになりましたね。四〜五年前とかぐらい。それまで全然わからんかったもん。功績はすごいと思うてたけど、音楽的にはずっとわからんかった。
山塚:RCは?
下津:RCは『僕の好きな先生』とか、アシッド・フォーク期の作品は好きです。
山塚:んあー、『楽しい夕べに』とか良いですね。
下津:初期のRCは、カズーの使い方がマジでヤバい。
森田:じゃあ、これでおしまいということで(笑)。めっちゃ楽しかったね。
山塚:オッケーです。ありがとうございました。
下津:ヤーマンポテトです。ヤーマンポテト!!
下津光史
踊ってばかりの国 HP:
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