えみそん（フレンズ）の感銘脳内vol.6『Happy birthday』

日々の心の機微を多彩なポップサウンドで表現し、唯一無二のポップアイコンとして活躍する神泉系バンドフレンズ。そんなフレンズのボーカルを務めるえみそんこと、おかもとえみの連載「感銘脳内」。フレンズの楽曲の作詞のみならず多くのアーティストへの楽曲提供など作家としても活動する彼女が、その時の脳内環境を自身で制作したイラストと写真を織り交ぜながら言葉で表現していく。第六回は誕生日を迎えたえみそんの恒例儀式の話。普段は見ることができない彼女の“脳内”を楽しんでみてほしい。

11月10日は私の誕生日。今年も無事に迎えることができました。皆様のおかげです。ありがとうございます。今年は当日にライブがあって、特別な時間を共有する日になりました。
毎年どんな過ごし方をしていたとしても決まってやっていることがありまして、新たな年齢になったらその年のテーマ曲を選んで、じっくり聴くという恒例儀式をしているのです。
2021年はコロナにかかってかなりのダメージを負い、前厄もあってか今までに無かったような災難が続き、厄年って本当にあるんだと身にしみて大人しめに過ごしていた記憶があります。そんな状況を打開しようと、まずは見た目から！髪も短く切って、気持ちも高めていこ！厄年なんかぶっ飛ばしてハイになるぞ！という気持ちを込めてSly&The Family Stoneの”I Want to Take You Higher”を選曲しました。

2022年は本厄ではありましたがSlyのおかげか、楽しい仕事がたくさん決まってハイになれる時間が多かったんです。年始からぷよぷよ対決したり、ラジオのレギュラーが始まったり、他にもやりたかったことや予想もしてなかった仕事が舞い込んできてワクワクする毎日でした。誕生日の前日はイベントに遊びに行っていて、ちょこっと体調が悪かったのもあり、イベントは早めに切り上げて誕生日の瞬間はひとりでお家でゆっくり過ごそうかなと思っていたのですが、そのイベントでたまたま会った友達が「明日誕生日なの！？0時1分までお祝いさせて！」といってくれたので、お言葉に甘えてお祝いしてもらったのですが、、やってしまいました、、バーレスク東京で迎えた瞬間が楽しすぎて飲み過ぎてしまいました、、気づいたら誕生日当日の朝。自室で倒れており、友達が変わるがわる看病に来てくれているのは微かに聞こえる声で察し、楽しかった記憶と引き換えになんだか体が痛い。床には昨日の残骸と友達からもらったプレゼント。後日友達に聞いたのですが、誕生日を迎えた私の発言は「前歯が折れた！！でも手に持ってるよ！」だったそうです。私の歯は全て生えていました。折れた痕跡もありませんでした。歯という概念を握っていました。代わりにおしりの骨にヒビが入っていました。どんな誕生日だよ！そんな年に選んだ曲は星野源の”喜劇“。どんな状況であっても喜劇でありたい。

そして2023年は運気を上げようと引っ越してみたり、立てていた目標を次々と達成できたり、いい時間を過ごせました。躓きながらも前に進んでいく感じがして自分を高めていきたいと思える瞬間の連続に感謝する毎日。知り合いに「悩みある？」と聞かれて考えてみたものの、あるっちゃあるけどパッと思いつかず、しばらくして出てきたのが「私に似合う前髪の厚みと長さは一体どれなんだろう？」だったぐらい毎日が充実しているようです。悩みよりも目標が多い今、どんどんいい変化に期待して、ベストを尽くしていきたいのでテークエムの”Good Change(feat.Kvi Baba)”を聞こうと思います。

今、この連載を書いている日付は10月31日。なので冒頭の挨拶は収録のイメージで捉えてください。当日を迎えるまで人生何が起こるかわからないですよね。無事に曲を聴くことができていますように。