スケートボードの発祥の地カリフォルニア。そこには日常的にスケートカルチャーが根付き独自のライフスタイルを送っているスケーター達が暮らしている。単身渡米した写真家・廣永竜太が撮り下ろした写真と共にスケートライフをお届けする企画「Skate And Stuff」。第6回目はLAの人気スケートショップLotties のオーナーMike Gigliotti 。スケートショップを営む彼のリアルなライフスタイルを追った。
「EYESCREAM WEBをご覧の皆さん、こんにちは!廣永竜太です。今回で第6回目となりました。いつも観てくださってる皆さん、有難うございます!もうすぐアメリカの独立記念日です。アメリカでは花火をするのは違法ですが、独立記念日だけ合法的に花火ができるので家庭でする花火のレベルが日本に比べて桁違いに大きいです。なので僕も一発ぶち上げたいと思います!!! 今回はLAの人気スケートショップLOTTIESとオーナーのMikeを取材して来ました。是非ご覧ください!」
数あるLAのスケートショップの中で今最も注目されているスケートショップの一つ“LOTTIES”はFairfax, Melrose,Silverlake,Downtownなどの主要ショッピングエリアから離れたMid city とCrenshawと呼ばれるローカルエリアの間に位置しておりローカルとの繋がりを大切にしている。そんなLOTTIESのオーナーのMikeは 昨年、日本でアートショーを行ったり、 スケートブランドにグラッフィックを提供したり、Lottiesオリジナルのグラフィックを自身で手掛けたりとアーティストとしての活動も行っている。
Lottiesに着くと3人のキッズが店で屯しておりMikeはそのキッズのスケートシューズに絵を描いていた。描き終えるとキッズはすぐさまそのスケートシューズを履き店の中にあるスケートセクションを店の前に移動させMikeも一緒になってキッズを見守るようにスケートを始めた。
軽く滑った後、彼は店に戻りブランクのスケートボードに絵を描き始め、キッズは彼を取り囲むように彼のアート制作をまじまじと眺めていた。
作業が落ち着いたところで彼に質問を投げかけた。
―Lottiesをオープンしたのはいつ?
2年半前だよ。West Hollywoodにオープンして一年半前に今のロケーションに移転したんだ。今のロケーションはWest Hollywoodよりもずっと気に入っているよ。沢山のローカルのキッズが遊びに来たり、近所の人たちがこのスケートショップを認めてくれているんだ。前のロケーションでは住人達から嫌われていて、いつも苦情を言われていたよ。今はショップの前でスケートしても誰も邪魔してこないし近所の住人たちはとても親切なんだ。
―なぜスケートショップを作ろうと思ったの?
今あるスケートショップはブティックの様なショップばかりだと感じたんだ。LAカウントリーにはRip cityやAngeleno, Pharmacy,Furnaceなどの素晴らしいスケートショップが沢山あるけど、俺が暮らすエリアにはなかったんだ。だからこのエリアにスケーターによるスケーターの為のショップを作りたかったんだよ。
―東海岸のスケートブランドやスケーターとの交流が深そうに見えるけど出身はどこ?
出身はLAだよ。でもNYに7年間住んでいたんだ。10代の時にLAのSUPREMEがオープンした時に働き始めてNY に引っ越してNYのSUPREMEでも働いていたんだ。スケートを通して友達ができて今のALLTIMERSやQUATERSNACKSの奴らとスケートしながら育った。今でもNYが大好きだよ。でも俺はLAにスケートショップを作りたかったんだよ。なぜならNYには既にKCDCとLABORといった素晴らしいスケートショップが存在していて、その二つだけで十分だと思ったんだ。NYにはその二つ以外のスケートショップは必要ないよ。
―いつから絵を描いているの?
とても小さい頃から描いてるよ。ずっとハマりっぱなしなんだ。ショップをオープンして自分でオリジナルのTシャツ作ったりショップに毎日いるから絵を描いたり自分にぴったりの環境が作れた。
―最近のSpitfireとのコラボはどういった経緯で始まったの?
ショップを持っているから自然に起こったことさ。Spitfireはいつもスケートショップに協力してくれるんだよ。何かやろうよって誘われて、答えはもちろんイエス。俺がグラフィックを描けるからコラボレーションになったんだ。凄く嬉しかったよ。ウィールとグリップテープ、スウェット、Tシャツ、それにビデオも作った。
―その他にコラボやデザインしたものはある?
少し前にBAKERとコラボしたよ。最近はOUR LIFEというサンフランシスコ、オークランドエリア拠点のANTI HEROクルーがやってるブランドにデザインを提供したんだ。それに、たまたまなんだけど日本のバンドHi-STANDARDのTシャツのデザインもしたよ。
―何か今やっているプロジェクトはある?
特にクレイジーなものはないよ。今までやってきたBAKERや友達のブランドとのプロジェクトを続けることかな。LOTTIESのアパレル、ビデオを作ったり俺たちのやりたい事をやりたい時に作るだけだよ。だからプレッシャーなんか無いんだ。
―現在のスケートシーンについてどう思う?
ん〜良いと思うよ。いや、分からない。良いところもあるし悪いところもある。だからこそ俺はここにいて幸せなんだ。俺は俺たちがやっている事が好きで他の連中がやっている事を心配する必要がない。どうゆう視点で見るか次第だけど、ネガティブに捉える奴もいるから俺はそうならない様にしているよ。
―LOTTIESのオフィシャルスケートチームはあるの?
オフィシャルチームはないよ。ショップライダーはいるけど、主なチームはみんな友達なんだ。皆んなお互いに知っているし、皆んなショップに顔を出しにくる。とても重要なことだよ。スケートのスキルなんか関係ない。俺の周りにいて、お互いに気が合えばクルーの一員だよ。それに、スケートボーディングに浸かりすぎるとたまに悪い方向に流される奴もいるんだ。でもここにいればキッズ達が毎日店の前でスケートしているから大丈夫さ。皆んなでスケートビデオも見るしスケートも沢山するけど、シーンのど真ん中にいたい訳じゃないんだ。メインストリームから少し離れた距離が好きで、俺たちには俺たちのシーンがある。誰にも邪魔はできないよ。
わずかオープンから2年半でLAを代表するスケートショップに名を挙げる裏にはオーナーMikeの人間性と人脈、スケートボードに対する思いが人を惹きつけるのではないだろうか。
LAに来たら是非LOTTIES SKATE SHOPに寄ってみては如何でしょうか。
“ SKATE AND STUFF report by Ryuta Hironaga ”
Vol.01 Justin Drysen & Chris Drysen
Vol.02 Dolan Sterns
Vol.03 Rudy Johnson & Diego Johnson
Vol.04 Johan Stuckey
Vol.05 Jan Gatewood
Mike Gigliotti
Instagram : @m_lottie
Lotties
Instagram : @lottiesskateshop
廣永竜太
Instagram : @ryutahironaga