Interview: RYUZOが仕掛ける新たな大人の遊び場 MADAM WOO TOKYOの遊び方について

昨年末、渋谷道玄坂に新しい形の大人の社交場としてジェントルマンズクラブ MADAM WOO TOKYOがオープンした。仕掛け人はセレクトショップDOMICILE東京、ヴァイナルレコードバーBLOODY ANGLEを手掛け、プロデューサーとしても話題を集めているラッパーのRYUZOだ。
日本屈指のレーベル、R-RATED RECORDSのボスでもある彼が今なぜショップやBARのプロデュースをしているのか?という疑問もさることながら、日本ではあまり聞きなれないジェントルマンズクラブという響き。店名をググれば出てくるのが国内外のセレブばかり。一体ここはどんなところなのだろうか。


HIPHOP・アート・ダンサーが三位一体になったスタイル

ーBLOODY ANGLE、DOMICILE東京に続いて3店舗目となるMADAM WOO TOKYO。ジェントルマンズクラブという場所は日本では、あまり聞きなれない言葉ですがMADAM WOO TOKYOは、どのようなスポットなのでしょうか?

RYUZO:日本には今までなかった、アメリカンスタイルのジェントルマンズクラブなんです。酒が美味くて、空間をアートとして楽しめ、キレイなダンサーと遊べて、さらに本物のHIPHOPが体感できる。日常を忘れてパーティが出来る。それがMADAM WOO TOKYOです。

ーアメリカでは、本物のHIPHOPを体感できる場所としてジェントルマンズクラブが機能しているんですか?

RYUZO:日本人には馴染みがないかもしれないけど、本場では定番の夜遊びスポットなんです。俺らもアメリカに遊びに行ったら、向こうの友達と遊ぶ場所ってだいたいジェントルマンズクラブだったりするんです。日本人から見た外国人のHIPHOPな遊び場って、例えば1OAKのようなクラブのイメージがあるかもしれないけど、それはあくまで一部。アメリカのジェントルマンズクラブって有名なDJも出演していたり、最新のHIPHOPがかかっていたりするんです。MIGOSがツアーのアフター・パーティで使ったり、DJ KAST ONEとかDJ Camilloとかも回しているし、Cardi Bももともとストリッパーだったり。それに、そういった現場からヒットする曲も多いんです。


RYUZO:それで思ったのは、このカルチャーって日本にないなって。国によってかかっている音楽は違っても、世界中のどんな国にもそういった遊び場があるのに、日本にはないんですよね。USのジェントルマンズクラブはゲトー目なところもあればスタイリッシュなところもあって。日本の多くの人が想像しているよりスマートな大人の遊び場って感じなんです。

ー実際にそのアイディアを実現しようと思ったキッカケは何だったんですか?

RYUZO:YENTOWNの奴と海外に行ったことがあったんです。みんなHIPHOPが好きで、オシャレも好きだけど、そういった現場には行ったことがなかったみたいで。”とりあえず行くぞ”って連れて行ったんですけど、そしたら”RYUZOさん、これ面白いですね”ってなったんです。自分たちも踊れて、音楽も最高で、酒も美味いっていうのが、クラブやパーティと変わらなかったみたいで。その時、”日本のイケてる若い子もこういう現場を楽しめるんだ”っていうのを確信したんです。

ーNYのジェントルマンズクラブって確かに音楽を楽しむ要素が強いイメージですが、MADAM WOO TOKYOは圧倒的にオシャレですね。

RYUZO:いなたい場所も多いですよね。日本でも、お金さえ出せばこれまでの日本でのイメージのようなエロ重視のジェントルマンズクラブを作ることは出来ると思うんです。でも、それだったら新しく始める意味がない。他の国にはない、究極に楽しい空間を作りたかったんです。それで、今回も『DOMICILE東京』『BLOODY ANGLE』と同様、YOSHIROTTENに空間を依頼して、HIPHOPを理解している本物のダンサーに踊ってもらって、第一線で活躍しているDJたちが音楽をかける場所を作った。男だけじゃなくて、女の子も遊べるような空間を目指したんです。

ーMADAM WOO TOKYOもYOSHIROTTENさんが内装を手掛けているんですね。今回はどのようなテーマの空間なんですか?

RYUZO:テーマはBLOODY ANGLEから派生して”ネオトーキョー“。50年後のアジアに”マダム・ウー”っていうマフィアの娘がやっているジェントルマンズクラブという設定。50年後のアジアって日本も韓国も中国もごちゃ混ぜになっているかもねっていう想像の世界をイメージしたんです。映画の『Blade Runner』とか、アニメの『AKIRA』みたいな世界にあるようなジェントルマンズクラブって言ったら伝わるかな?

RYUZO:ちなみに店内は飛行機をイメージしているんですよ。店内に設置されているモニターとかカウンターも。席のタイプもVIP席=ファーストクラス、カウンター席=ビジネスクラス、スタンディング=エコノミーという感じで、三段階に分けていたりしていますね。

ーちなみに、DJも第一線で活躍している人達とのことですが、具体的にどんな方がプレイしているんですか?

RYUZO:Red Bull Thre3Style、日本チャンプの8MANやDJ CHARIなど、色々ですが、俺の中でしっかりHIPHOPを回せるなって思わせてくれるDJだけ。最近は、テクニックやセンスがなくても最先端のHIPHOPをかけるだけで持て囃されるようなDJが多い気がするし、それはそれなのかもしれないけど、俺がやりたいのはそういうスタイルじゃない。ちゃんとクラシックなHIPHOPも押さえていて、新譜ももちろんチェックしている。グルーヴで本場のヤツらもロックできるようなDJじゃないと本物のヤツらには通用しないんです。

ー日本の芸能人/セレブや、海外からはA$AP ROCKYやLIL YACHTYのようなアーティストも遊びに来ていると伺いました。

RYUZO:来てますね。みんな、遊びに来るとかなり楽しんでくれますよ。やっぱり他にこういうスポットが日本にはないというのもあり、通な人や感度の高い人たちが集まるんですよ。他にもファッションシーンの大御所たちもよく遊びに来ますね。

ー先ほど、”若い子たちが海外のジェントルマンズクラブを楽しんでいた”と言っていましたが、お店には若い子たちも来るんですか?

RYUZO:めっちゃ来ますよ。20歳ぐらいの子たちも来ますし、モデルやインフルエンサーの女の子とかも来ますしね。値段設定もVIPのテーブルチャージが6000円、カウンターが3000円程度だし、みんなが想像するよりかなりリーズナブルだと思いますよ。だから、イケてる若い奴にはドンドン来てほしいですね。

ー今後のMADAM WOO TOKYOのヴィジョンについて教えてください。

RYUZO:いずれ、もっと大きなサイズで同じような店をやれたらって思っています。あと、大阪や名古屋のような地方の大都市にも作りたい。そのためには、まずこのジェントルマンズクラブっていうスタイルを日本で定着させて、海外の人も東京に来たら『MADAM WOO TOKYO』で遊ぶっていうカルチャーを根付かせたいですね。このHIPHOP、アート、エロスが三位一体になったスタイルって、日本には俺以外にできる人はいないと思うんです。だからこのカルチャーを根付かせることは、一つの使命なんだと思いますね。


RYUZO:これって音楽の話と直結していると思っているんですけど、今って日本にジェントルマンズクラブをイメージさせるような曲を、本当にカッコ良く作れる奴っていないと思うんです。海外だとHIPHOPのMVって、シャンパンを空けて、セクシーなダンサーと札束をバラ撒く、みたいなのが多いじゃないですか。それに、Migosみたいな人気ラッパーたちのライブのアフターパーティの会場がジェントルマンズクラブとかだったりするんですよ。つまり、ジェントルマンズクラブってHIPHOPの遊び方の基本なんです。その基本を今、キチンと日本にも根付かせたいんです。

ー最後に、ジェントルマンズクラブカルチャーが根付くまで遊び方がわからない人も多いと思います。そんな人たちに遊び方を教えてください。

RYUZO:基本的にHIPHOPを楽しみたいっていう感覚で、クラブやパーティに行くノリで来てくれたらと思っています。でもあくまでもジェントルマンズクラブなので、ジェントルマン=紳士的じゃない行動はNGかな。店オリジナルのチップを使ってダンサーと遊ぶのも良し、音楽やお酒を楽しむのも良し。どんな人が来ても楽しめると思いますよ。

INFORMATION

MADAM WOO TOKYO

東京都渋谷区道玄坂 1-22-12 ⻑島ビル 9F
tel_03-6416-0577
営業時間:22:00 ~ LATE
定休日:日、月
www.madamwoo.tokyo
@madamwoo_tokyo