Paris et Tourbillon
vol.3
ヘアメイクやペインティング、撮影、衣装のデザインから製作まで幅広く表現活動を行うYoshimi Saito。自身が創りたいものを創るという“原点”に立つため、彼女は憧れの街パリへと渡った。本連載「Paris et Tourbillon」では、パリでの制作活動と彼女の心情を記録。第3回は、コンコルド広場のアレクサンドル3世橋ですれ違った陶芸を学ぶ学生を写す。
ー Prenez une photo ー 絵を描くように、写真を撮る
かれこれ1ヶ月、パリでは大規模なストライキによってバスも電車もほとんど動いていない。だからみんなはその不便さに少し苛立っている。けれど、挙げない声は一生届かないことを彼らは知っていて、自分たちの不便さを傍に置いても、自分たちの未来の生活の為に、“行動すること”をみんなが許容する空気で今日も生きている。
そんな中で私の作品に対する意識も、東京にいた頃と変わってきた。いつでも創らなきゃいけない、必ず評価されなきゃいけない、結果お金にならなきゃいけない。いつからか東京で自分に定めていた”～しなきゃいけない”の世界から今は深く深く逃れた作品を創りたい。
心が撮るべき時、創りたい時に、評価されずともお金にならずとも。発信をしていく。形にしていく。そうすれば私にとって、人生は楽しい。
自分たちが生きたい生き方を、日本でもそんな空気を、私たちから。
Yoshimi Saito
2016年にヘアメイク専門学校を卒業後、紅白出場アーティストの衣装ペイントを手がける。独学でテキスタイル作りからパターン・縫製まで学び、舞台やテレビ・映画の衣装をはじめ、ペイントに特化した作品を製作している。
2019年より写真家としての活動を開始し、初の写真展「渦写展」を開催。現在はパリを拠点に活動中。
Instagram : @yoshimiman
Twitter : @YOSHIMIMAN_UZU