Interview:49歳の少年。MARK GONZALESという男。

昨年の「Away Days」に続き、adidas Skateboardingが12都市を巡るワールドツアー「SKATE COPA COURT」を開催。10月21日(土)に行われたスケートデモの前日、EYESCREAMは、ライダーとして来日したGONZことマーク・ゴンザレスへのインタビューの機会を得た。あえて説明するのも野暮だが、彼はレジェンドスケーターとして、アーティストとして世界中に多大な影響を与え続けるストリートカルチャーの偉人である。
だが、この記事では、そんな彼の人間らしさ溢れる等身大の魅力をシェアできればと思う。

「おれはスケートボーディングもファッションも大好きで、それを楽しむことしか考えてないよ。」

多くの取材が申し込まれていたこの日は、おそらく30分刻みで各媒体をさばいていく過密スケジュール。我々のインタビューは夕方頃の開始となった。GONZの待つ部屋に案内されると、一日中缶詰になっていたせいだろうか、彼は少し疲れているように見える。とにかく、事前に提出していた質問をいくつか投げかけて反応をみてみよう。

ースケートボードがオリンピック種目になったことについてどう思う?

「ようやくか!と思ったよ。むしろ、今っていうのが、すごく不思議だね。ローマの歴史には興味があるから詳しいんだけど、本当は古代オリンピックにはスケートボードがあったんじゃないかな?石で作ってたりして(笑)でも、やっぱりスポーツに熱心なのはギリシャの方だね。昔のローマは食べ物とセックスにしか興味がなかったから(笑) まぁ、とにかく楽しみにしてるし、早く見たいなと思ってるよ。」

ー最近のスケーターは昔とどう変わった?

「それこそ22歳の頃、最初にEYESCREAMの取材を受けた時はすごく小さい扱いだったし、他の雑誌もスケートボードをフィーチャーしている物なんてなかった。そこから時代は変わって、今はプロスケーターが、昔雑誌に紹介されてたポップスターのような格好をして、ポップスターはスケーターのようなファッションで雑誌に出ている。そんな逆転現象が起こってる気がするよ。世界的にそういう流れを感じる。」

ーでは、日本のストリートカルチャーはどんな印象?

「昔から東京に来るのが楽しみな理由の一つが、アメリカのアウトサイダーカルチャーを愛して受け継いでる人たちが居るからなんだ。例えばロカビリーもそうだし、彼らのスタイルを見るのが好きなんだ。それが今の子供たちにとってはSupremeのスケーターだったりするんだろうね。」

ーブームとして、ファッションとしてのスケーターやスケートブランドについて思うところは?

「個人的な意見としては、スケートボードとファッションの融合を見るのは楽しいよ。むしろミックスするのは良いことだと思ってる。確かに、スケートしない奴が格好だけ真似するなって怒る人もたくさん居るけど。全然そんなことは思わないね。みんな、ただ自分がカッコイイと思った格好をしたいだけさ。楽器が弾けなくたってロカビリーの格好をしていいように、スケートボードに乗らなくてもスケーターファッションでいいんじゃないかな。とにかく、おれはスケートボーディングもファッションも大好きで、それを楽しむことしか考えてないよ。」

時折ジョークを交えながら明るく対応してくれていたが、長時間座りっぱなしでよっぽど退屈していたのだろう。手持ち無沙汰で弄んでいたコーヒーの蓋で指を切ってしまっていた。無邪気に痛々しい傷口をカメラに向ける。

まだ時間は残っていたが、撮影の方に時間をかけよう。インタビューを早々に切り上げ、フォトセッションに移ることにした。

そそくさと始まってしまった取材を仕切り直し、ここで改めて、もう一度GONZに挨拶をする。フォトグラファーは自主制作しているZINEを手渡した。そして「自分たちはあなたに影響を受けた」とリスペクトを手短に伝え、残り時間ギリギリまで写真をたくさん撮らせて欲しいとお願いした。

やはりGONZは、ウズウズしていたみたいだ。「こんなポーズはどう?」と自ら積極的に動き、アーティストらしいサービス精神を披露してくれる。そしてスケートボードを手に持ったあたりから、火がつく。会議室のテーブルと椅子を自ら動かし、セクションを作って本気で遊び始めたのである。

そこからはメイクするまで何度も何度もアタック。写真はすでに十分過ぎる撮れ高であったが、納得の一本が出るまでGONZは止まらない。

「次は完璧にキメるから、もうちょっとだけやらせて!」

時間を過ぎても、もう一回!もう一回!と子供のような無邪気な表情で汗だくになるまで滑り続けていた。

49歳となった今でも心から楽しそうにスケートボードと向き合う姿は、まるで少年そのもの。そんな純粋さこそが人々を惹きつける理由なのだろう。今回の取材を通して、その思いはますます強くなった。