ゼロから何かを生み出すときの、昼間だって深夜のように一人ぼっちの時間、あの人はどんな場所でときを過ごすのだろう。クリエイターたちの創作に欠かせない、フェイバリットなお店を紹介していく連載『完全安全地帯』。
今回は、SUSHI BOYSのアートワークを手掛け、独特なゆるさを醸し出すキャラクター「そいつ」を描くアーティストのイシバシユミが、埼玉・川越のレコードショップ兼カフェ、レレレノレコードを紹介してくれた。
「K-POPをきっかけに大学時代は韓国語を学んでいたり、アジアのカルチャーにすごく興味があるんです。毎年アジアを旅していて、作品をつくるときも、行った先々で見かけるチープな看板やお菓子のパッケージからすごく影響を受けています。そのせいかインスタのフォロワーさんも台湾や中国の方が多くて、中国のboismouというお店でも私がデザインしたTシャツやフーディーを販売してもらっています」
「SUSHI BOYSとは以前から知り合いで、私が描いたイラストをたまたま目にして、ロゴのデザインを頼んでくれました。それまではアートワークなんてやったことがなかったし、Illustratorとかも使ったことがなかったので、手描きの線をWindowsのペイントでなぞって入稿しました(笑)。そのとき依頼されたことがきっかけで、ものをつくることって楽しいなと思って、オリジナルな作品をつくり始めるようになったんです」
「タピオカにはまっていたので、当初はタピオカの絵ばかり描いていて。日本と台湾で飲んだタピオカの写真をまとめたZINEや、架空のタピオカ屋さんのバイトTシャツもつくりました。そんななか、オリジナルのサコッシュバッグにプリントするために描くようになったキャラクターが『そいつ』です。どうも丸いものが好きみたいで(笑)」
「前に別の会社で働いていたときに福岡に住んでいたんですけど、福岡はアーティストが多くて、アトリエ兼お店のような場所がいくつかあるんです。そういう場所でシルクスクリーンを触ったことがきっかけでシルクへの興味が湧いて、いまはCORNER PRINTINGで働いています。会社にはアーティスト活動をしている人が結構いるので、作品をつくるときにも手伝ってくれることがあって、すごくありがたいです。」
「大学生の頃からよく川越で遊んでいて、通りかかるたびにこのお店が気になっていたんですけど、初めて入ったのは社会人になってから。毎年行われている川越まつりのときにレコードを販売していたのを見かけて入ってみたら、すごくいいなって。アジア的な要素がお店の中にちょこちょこあるのが好み。そうして遊びに行くうちに、去年、お店の方が一緒にグッズをつくりたいと言ってくれて。いまは売り切れてしまったんですけど、私がデザインした靴下を販売してもらっていました」
「カウンター席に座って、お店の方とお話しながら長時間いることが多いです。クリームソーダのあとにお酒を飲んだり、カレーもよく頼みます。この前、遊びに来たときはビーズでキーホルダーをつくりたくて、カウンター席で4時間くらい作業させてもらっちゃいました(笑)」
「最近は平面の絵を描くことより、立体物をつくることにはまっています。ぬいぐるみやビーズのアクセサリーもそうだし、陶芸で立体の『そいつ』をつくったりしています。型にとらわれず自分の世界観を表現していきたいし、展示もできたら嬉しいですね。オンラインショップをつくろうと思いつつずいぶん経ってしまったので、まずはそれを早くつくりたいなと思っています」
イシバシユミ
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