Dr.Martens 1461 3ホール誕生から60年スタイリスト百々千晴が語る名品の理由

1961年4月1日に誕生し、この日がネーミングの元になった「1461 3ホールシューズ」 。労働者の靴として生まれ、いまでは多種多様な人々に愛される、Dr.Martensのアイコンになっている。誕生60周年を迎えるいま、改めてその魅力を掘り下げたい。スタイリストというファッションのプロフェッショナルは「1461」を、どんなアイテムとして捉えているのか。シーンの一線で活躍を続け、近年は本人のシンプルで飾らないスタイルにも注目が集まる百々千晴に話を聞いた。

「必要のないものはなくなっていく。
ずっと残るものには愛される理由がある」

ーDr.Martensにどんなブランドイメージを持っていますか、またどういった魅力があると思いますか?

ずっとあるものって需要があるから、残るわけじゃないですか、必要じゃなかったらなくなっていく。だからブランドとしてもアイテムとしても、愛される理由があるんだろうな、履きたいなって思います。わざわざDr.Martensって言わなくてもパッと見のデザインで誰もが分かるブランドってそんなに多くない。キャラクターがちゃんとしてますよね。自分が若い時に履いていたものを、そのまま自分の子どもたちが履いててもおかしくないような、歴史になっていくもの。それって奇跡に近い。ファッションでなくてもそうですが、生き残りたくても生き残れないものの方が多い。そこはすごいなとしか言いようがないですね。

ーそう考えると流行にとらわれない普遍的なアイテムはデイリーに選びやすいですよね。Dr.Martens(1461)もそんなアイテムかもしれません。なにか思い入れなどはありますか?

初めてDr.Martensを履いたのは、ロンドンから帰ってきた時だから、24歳の頃かな、2004年ですね。英語を学びたくて渡英したんです。ロンドンでDr.Martensを履いてる人が多かったんですけど、履くタイミングを逃し、そのまま持って帰ってきて日本で履いていましたね。

ーイギリスの当時のファッション・カルチャーでどんな発見がありましたか?

ファッションは本当にみんなそれぞれ自分が好きなものを着ていました。逆に流行りの何かを着ていることが恥ずかしくなるようで、私からはそういうカルチャーが垣間見えましたね。ずっと同じものを着ている方が、毎シーズン新しい洋服を買い換えるより、カッコよく思えました。その人が自分をちゃんと持っている感じがして。その一つがDr.Martens。だから自分でも真似したいなと思ったんでしょうね。

ーDr.Martensは8ホールなども定番でありますが3ホールはどんなスタイリングに合うと思いますか?

短めのデニムが好きなのですが、どちらにも相性がいい。3ホールで素足が出ると抜け感があってバランスが取りやすいです。靴とのバランスは丈が大事だと思っています。

ー今日はミニマルなスタイルで素敵に1461を履きこなしていただきました。コーディネートのポイントは?

春夏なので肌を出そうかなと思ったのと、1461が黒なので黒い洋服ってぐらいで、語れることって実はそんなにないんですよね。自分の中でルールとかもない方です。雑に言うとノリとかその日の気分とかの方が重要で、服を着る5秒前に決めたい。その時にならないと分からないです。

ー百々さんが大事にしているスタイリングの哲学を教えてください。

プライベートは自分が好きな物を選びますが、スタイリングの仕事は人に着せるものなので、その人が一番いい状態で出られるように意識します。共通しているとすればシンプルなことが好きです。

ーそんな百々さんのシンプルでベーシックなアイテムを軸としたセンスが多くの方の共感を集めているように思います。

よくこだわりとかを聞かれるんですけど、感覚が伝えづらくて言葉にするのは難しいんですよね。明日はどんな気分か分からないし。1日の中で違うなって思ったら着替えに行くこともあるぐらいです。

ー百々さんといえば、インスタライブやYouTubeチャンネルでのライフスタイルの発信も話題です。始めたきっかけや今後について少し聞かせていただけますか。

去年の今頃、自粛期間中に時間があったのでインスタグラムでライブ配信をしてみたら、想像していたより大きな反響が割とすぐ感じられたので、需要があるならやってみようかなと思ってYouTubeも始めました。事前に告知することなどは苦手なのですが、これからもマイペースに発信していけたらと思います。

百々千晴

2002年渡英、2004年より東京をベースにスタイリストとして活動をスタートする。雑誌、広告を中心にスタイリングを手がけ、ブランドディレクターとしても活躍中。

INFORMATION

Dr.Martens

▼商品情報
1461 3 ホール シューズ
23,100円(税込)

▼問い合わせ先
ドクターマーチン・エアウエア ジャパン
URL:https://jp.drmartens.com/
TEL:03-6746-4860