REPORT: adidas WORLD CUP DAY 2018 by EYESCREAM

6月14日(木)から「FIFAワールドカップ ロシア™」が開幕する。今回のワールドカップでは、数々のプロダクトでadidas footballがサポート。たとえば、公式のマッチボールは1970年からずっとadidasが提供し続けていて、今回は初めてワールドカップで採用された”TELSTAR”を2018年モデルとして再設計した。ほかにも、出場国のうち12カ国のユニフォームをadidasが提供している。

そして、いよいよ開幕が目前と迫り、adidasは「adidas WORLD CUP DAY」と銘打ち、オフィシャル・メディアデーをグローバルとローカルで開催した。グローバルメディアデーは5月9日(水)に、ドイツ・バイエルン州のヘルツォーゲンアウラハにあるadidas本社にて行なわれた。一方のローカルメディアデーは、都内・東京タワーメディアセンターで開催。両日ともに、ワールドカップの開幕へ向けて、より一層熱く盛り上がるイベントとなった。EYESCREAMでは、そのイベントの模様をレポート。

イベントのメインを飾ったのは、スペシャルプロダクトの発表。それは、adidas footballが総力をあげて開発した、フットボールにおけるスプリントスパイク『X18』である。

X18は、”X”シリーズの最新プロダクトで、一瞬の動き出しなど瞬発力を最大に引き出す”スプリント”を促すスパイクだ。現代のフットボールは、年々とあらゆるスピードが加速しているという。データを分析してみても、「ボールを獲得してからシュートまでの時間」は短くなり、「ボールを奪ってから10秒以内でのシュート回数」は増えている。それにより試合展開も早くなり、個々の選手のスピードも必然速くなっていくのだ。そうしたときに、必要とされるのが瞬発的なスプリントなのだそう。そのために、adidasはワールドカップに向け、選手のパフォーマンスを最大に引き出すプロダクトとして、X18というスプリントスパイクを開発・リリースするに至ったのだ。

adidas World Cup Media Day in Germany

ドイツでのグローバルメディアデーでは、本社のプレスツアーとして開発施設である社内のラボ・Future Labでのデモンストレーションやグラウンドでのトレーニングセッションも実施された。

X18の最大の進化は、靴紐がない、つまり”レースレス”を実現したことである。これに関して、グローバルクリエイティブディレクターのサム・ハンディ氏は「レースレスの最大の利点は、ボールタッチの自然さ。もっともボールに触れるステップ部分をいかにシンプルに、薄くするかが課題でした。そして軽さとしなやかさ、素早い方向転換にも対応する安定感と堅牢性。いくつかのマテリアルをコンポジットすることで、それらの要素をすべて高次元で実現しています」とグローバルメディアデーでのプレゼンテーションで語っている。ボールタッチ、軽さ、安定感、そして足と一体となる感覚が重視されていることがわかる。

ドイツでのグローバルメディアデーでは、プレゼンテーションだけでなく、adidas本社でのデモンストレーションやタッチ&トライが行なわれるなど貴重な体験となった。こちらの模様は、6月1日(金)発売の雑誌EYESCREAMに詳しく掲載されているので、ぜひそちらもチェックしてほしい。

adidas WORLD CUP DAY in Japan

さて、5月20日(日)に東京にて開催されたローカルメディアーでの模様もお届け。こちらでは、X18の発表とプレゼンテーションに加えて、現役プロプレイヤーらよるトークセッションも行なわれた。

登壇したのは、先日サッカー日本代表にも選ばれた香川真司選手宇佐美貴史選手武藤嘉紀選手や、若手の中島翔哉選手川又堅碁選手といった現役プレイヤー。さらに岡野雅行氏名波浩氏らかつての代表選手たち。そして、サッカー解説者として広くしられるセルジオ越後氏。新旧の名プレイヤーたちが集うかたちとなった。

トークセッションは、現代サッカーにおいてのスプリントの重要性をテーマに話す「THE “SPRINT” SESSION」、現役プレイヤーがスプリントとワールドカップについて話す「SPRINT CHAT」、今回のワールドカップロシア大会について話す「WORLD CUP TALK SESSION」の3つに分けられ、なかでも代表メンバーを含む現役プレイヤーたちが話す「SPRINT CHAT」は貴重なものだった。

武藤選手、宇佐美選手、中島選手、川又選手らと名波氏とのトークセッション。ワールドカップに向けた意気込みやX18を実際に触れてどう思ったか、などを話した。

印象的だったのは、海外選手との違いについて、川又選手が「(身体的な部分で)海外の選手とは生まれもったものが違うのは事実。そのフィジカルの差をどう縮めていくかが重要になる」と話すと、宇佐美選手は「フィジカルに差があるのは事実。でもフィジカル差は技術でどうにかなると信じている。ドイツに行って(宇佐美は現在ブンデスリーガ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフに所属)より技術にこだわりたいと思った」と語った。武藤選手も「生まれもった体格ではかなわない、スピードでもかなわない。だからこそ細かい動きなどで違いをみせたり、単純な走力ではなくスプリントをし続けられるようになる、といったことが必要になる。そこを強化していきたい」と。

日本人選手においてフィジカル差という事実は命題のようにも思える。そこを「技術」で上回ろう、上回れるはずだ、と信じる現役プレイヤーたちの思いはワールドカップに向けて、見ているひとをさらに熱くさせるように感じられた。

その後彼らは実際にX18に触れ、全員がその「軽さ」と「紐がない」というX18の特徴に驚くように反応をしていた。

名波氏から、それぞれ”スパイクに関してどういう部分を重要視するか”について聞かれると川又選手は「ボールのあたりや感触がいいかどうかが重要」とし、宇佐美選手は「履き心地や軽さ、あと軸足がブレないようにどれだけ地面を噛めるか」だと言い、武藤選手は「フィッティング、緩急やドリブルだったり、中に入った時にズレないのがいい。あとやっぱり軽いのがいい」と、中島選手は「なにより履き心地がいいのが一番、履いているけど履いていない素足に近い感覚のものがいい。あとはデザイン(笑)」と語った。

足とシューズの一体感を高める「レースレス」構造、極薄ウーブン素材を使った「軽さ」、ローカット仕様の履き口と3D形状のヒールクッションによる「履き心地」、ナイロンの軽い素材を使いながら丸型ベースに鋭いエッジを効かせた刃型の新スタッド構造による「グリップ力」。これらのX18の特徴は、きっと彼ら現役選手たちが求めるスパイク像となっているだろう。そして、「技術」をさらに向上させようとする彼らのパフォーマンスを最大限引き出すのに一役買うはずである。

FIFAワールドカップ ロシア™では、香川真司選手などが実際にX18を着用する予定となっている。日本代表の活躍とともにそれをサポートするadidasのプロダクトにも注目だ。

INFORMATION

adidas football “X18”

価格:¥35,000+tax
一般発売日:5月31日(木)から
取り扱い:全国adidas football取り扱い店, adidasオンラインショップ
サイズ:24.5~29.5cm
カラー:フットボールブルー, ソーラーイエロー, コアブラック