アートやカルチャーの面白さを発信するプロジェクト、BEAMS CULTUARTと、恵比寿にあるライブミュージック・ダイニングバー、BLUE NOTE PLACE(日本が誇るジャズクラブBlue Note Tokyoの系列店)によるコラボレーション企画『BLUE NOTE PLACE × BEAMS CULTUART presents cero live』が2026年2月22日(日)に開催された。
イベント名にある通り、本イベントではceroがスペシャルセットでライブを披露し、その美しくダイナミックなパフォーマンスを、オーディエンスは食事やカクテルを楽しみながら大いに満喫していた。本レポートでは、そんなかけがえのない1日についてレポートしていく。

レポーターはBEAMSのプロジェクトマネージャー、永島学さん。

永島さんはR&B、ヒップホップ、ジャズなどのブラックミュージックを好む音楽通。その音楽的ルーツは幼少期にお父さんが聴いていた山下達郎さんなどのAORだそう。つまり、今回のイベントを紹介していただくのにぴったりなお方、ということで特別にオファーさせていただいた次第。
この日の恵比寿ガーデンプレイスも、休日を楽しむカップルや家族連れが大勢訪れていて賑わっている。実に楽しげな雰囲気だ。14時からは、BLUE NOTE PLACEの入口付近に設置されたブースで、アーティスト平山昌尚(HIMAA)氏のアートワークを落とし込んだTシャツ、キャップ、トートバッグにポスターが販売された。ceroのメンバーをモチーフにしたというミニマルなデザインがポップで可愛らしい! この特別なプロダクトを求めて開演前から多くのアート×音楽ファンが訪れていた。こういったコラボが実現していることこそが今回のイベントのポイント。BEAMS CULTUARTらしい、カッコいいアート体験の提示だと感じられた。

夕暮れ時、16時半を回った頃には、BLUE NOTE PLACEの会場に多くのオーディエンスが集まり、それぞれの時間を楽しんでいた。DJはVIDEOTAPEMUSIC(ちなみに2部のDJは角張渉)。


グッドミュージックに囲まれて美味しいお酒や料理を楽しむなんて、まさに至福の時。しかも、この後はceroのライブが間近で観れるわけである。そんな最高に贅沢な開演前の1時間を過ごして17時半。気づけば2階までオーディエンスでぎっしり。1階はテーブルからステージを臨んでいるが、2階からはステージを見下ろすような形になる。その光景からどこか古き良きジャズクラブの喧騒や熱気が彷彿とさせられて高揚した。この日、ライブは2部入れ替え制で行われたが、このレポートでは第1部にフォーカスする。


ステージバックのスクリーンには、平山昌尚(HIMAA)氏のアートワークが照らし出され、この日のイベント名が掲示されていた。仄暗い照明が非日常感を生み出しワクワクさせられる。定刻になると、ceroのメンバーが登場。スクリーンがスルスルと上がって外のイルミネーションが視界に入ってきて、さらに雰囲気を盛り上げる。髙城晶平はスッと一礼して「こんばんは、ceroです。お酒や食事を楽しみながら我々の音楽を楽しんでください」とひと言、「レテの子」でライブが幕を開けた。4曲ほど終えて、「距離が近いですね。お互いに緊張しますが和気藹々と(ライブを)作っていきましょう!」と髙城。そう、まさにステージすれすれまでテーブルが設置されているわけなので、メンバーの息遣いやちょっとした物音まで聴こえてきそうな臨場感があるのだ。ライブハウスでは体験できないような1つの空間を共有するような感じは、この日のライブならではの醍醐味。このMCの後、テーブルに着席していたお客さんも2階からステージを観ていたオーディエンスも身体を揺らしceroの音楽に心を委ねていった。
以降、髙城のMCで語られた重要なことは2つ。1つはceroのワンマンツアー『TOUR 2026 “Compartment”』のツアーファイナル、恵比寿 The Garden Hallで開催されるライブの先行受付が2月23日まで行われていること。この先行受付はすでに終了しているが2次があるはずなのでバンドのWEBをチェックしていただきたい。もう1つは、この日のコラボイベントに際して、BLUE NOTE PLACEがcero頭文字から連想されたカンパリ、エスプレッソ、ラズベリー、オレンジを組み合わせた当日限定のカクテル、trinity(トリニティ)を提供していたということ。BEAMS CULTUARTのオレンジ色に彩られたカクテルで、これが「美味しくて、ちょっと度数が高めだからうっかり酔っ払うかと思った(髙城)」とのこと。甘味・酸味・苦味をバランスよく味わえるカクテルであり、多くの人が記念にオーダーしていた模様。特に場内が一体となったのは、ちょうど中盤に披露された名曲「Orphans」。ミラノ・コルティナ五輪フィギュアスケート・ペアで金メダルを獲得した、りくりゅうペア(三浦璃来選手と木原龍一選手)に準えたMCと共に届けられ、あちこちに笑顔と拍手が溢れていた。本編ラストは「Angelus Novus」に夜空に溶けるような空気に。アンコールでは、最近、『FUJI ROCK FESTIVAL ’26』への出演も発表されたことを踏まえ、「今年の夏も楽しくなりそうです。ちょっと早いですが夏の歌を」と「Summer Soul」へ繋げ、この場にいた全員で音を楽しみ幕。
BLUE NOTE PLACEという空間だから、ということもあって、よりceroの演奏が生々しく響き、バンドの音像がより身近に感じられた。改めてバンドの魅力やグルーヴが直接的に身体へ染みるような時間であった。
この日について、食事をしてもらっている間、永島さんに話を聞いた。
「思っていた以上にアットホームで温かく一体感のあるイベントになっていると感じました。ceroのライブを通じて、お客様と一緒に音楽やアートなどの楽しさを一緒に体感できたと思います。BEAMS CULTUARTというプロジェクトはアートやエンタメなどカルチャーを多角的にフォーカスしていますが、その活動はまさに個性のぶつかり合いで、構成メンバーが刺激し合いながら進化していると思います。ceroのライブを観て、髙城さん、荒内さん、橋本さん、3人のメンバーが各々、音楽に対する探究心を持って、個性の掛け合わせを1つのライブとして披露しているんだなと感じました。そんな風にジャンルや固定概念に捉われず進化し続けていくバンドの姿勢に、BEAMS CULTUARTの姿勢と通じるものがあると思いましたね。独自の視点で、平山昌尚(HIMAA)さんのアートワークを落とし込んだグッズを展開するなど、BLUE NOTE PLACEとコラボすることで、これまでにない形でイベントが構築され、音楽×アートの魅力を発信することが実現できたのはBEAMS CULTUARTならではだと思います。我々が伝えたいメッセージが1つの形になった日になりましたね」。

今後も、BEAMS CULTUARTとBLUE NOTE PLACEによるコラボレーションは続く予定。これから楽しいプロジェクトが続々と企画されているらしい。そう、つまりこれからもBEAMS CULTUARTの挑戦から目を離せないということ!