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日本を代表するスポーツブランドASICSと、世界へ音楽を発信するYOASOBI。ジャンルを越えて支持を集める両者がタッグを組み、特別なコラボアイテムをローンチした。
本プロジェクトの起点は2024年。YOASOBIがアメリカ・カリフォルニアで毎年開催されている世界最大級の野外音楽フェス、Coachella Valley Music and Arts Festival(以下、コーチェラ)への初出演を控えていた頃にさかのぼる。初の海外パフォーマンスに際し、“日本を代表するブランドのフットウェアを履いて挑みたい”というメンバーの想いに応えるかたちで、ASICSがオリジナルシューズを制作。そこから両者の対話が本格的に動き出した。当時のことを開発部の担当者はこう振り返る。
「コーチェラで履いてもらうアイテムを模索するため、僕らも実際にライブへ足を運びました。YOASOBIの世界観や想い、伝えたいことに触れながらお二人とディスカッションを重ね、いくつかのモデルをご提案しました。どのモデルが選ばれるのかは僕らも直前まで分からず、ライブ当日はASICSチームの中でもかなり盛り上がりましたね」



YOASOBIが選んだのは、Scutoid GELテクノロジーをかかと部に搭載した「GEL-QUANTUM KINETIC」。高いクッション性と安定感を備え、コーチェラのステージでもその機能性を発揮した。ボリュームのあるフォルムは彼らのスタイルに自然と馴染み、足元から存在感を放った。
コーチェラを終えたのち、YOASOBIはASICSとともに東京・渋谷のMIYASHITA PARK館内でポップアップを実施。ステージ用に制作されたオリジナルシューズや試作品、ライブの様子を収めた写真を展示し、そこで初めてコラボレーションモデルの発売が予告された。



今回のコラボレーションで掲げられたコンセプトは「JUST A LITTLE STEP」。YOASOBIが2021年にリリースした楽曲『もう少しだけ』の英題にも通じる言葉だ。
日本を代表するブランドASICSと、日本の音楽シーンを牽引するYOASOBI。それぞれが異なる領域で一歩を踏み出し続けてきた姿勢を重ね、このスニーカーを履く人にとっても、日常の“ほんの少しの一歩”が新たな景色へとつながる存在であってほしいという想いが込められている。そのメッセージは、デザインやプロジェクト全体のストーリーにも一貫して落とし込まれた。
完成までには幾度もの対話と試作が重ねられた。コーチェラで着用したモデルを参考にしながら、コラボレーションモデルでは「GEL-KINETIC FLUENT」をベースに採用。カラーや素材、パーツの配置に至るまで、細部を詰める作業が続いたという。ASICSのデザイン担当者はこう語る。
「YOASOBIのお二人からは、イメージを象徴する印象的なワードをいくつも提案いただき、その言葉を手がかりにどう具体化するかを開発部で検討していきました。お二人は、実際にファンの方が履くことを強く意識されており、どんなスタイルで使ってもらえるか、日常の中でYOASOBIを感じてもらえるかをとても大切にされていました。そうした想いを反映するため、ディテールやカラーリングを何度もブラッシュアップしました」



こうして生まれたアイテムたち。「GEL-KINETIC FLUENT Y」は、トゥ部分にはYOASOBIの頭文字「Y」をさりげなく刻印し、「JUST A LITTLE STEP」の文字を埋め込んだチューブ状パーツや、栞をイメージしたヒールタグなど、随所に世界観を反映したディテールを配している。
アパレルは、アーカイブのウォームアップジャケットとパンツから着想を得たジャージセットアップを中心に展開。フーディーやキャップ、ソックスを含む全5型がラインナップする。各アイテムがトータルスタイリングとして完成するようにバランスを意識しながら制作が進められたという。特にこだわったポイントについて、YOASOBIの二人にも話を聞いた。
Ayase
「シューズ全体のチューブ感ですね。僕らミュージシャンって曲を作ったりライブをしたり、常にコードに囲まれて生きているので、その感覚を表現しました。全体的にテックっぽいテクスチャーにしたのも、YOASOBIのデジタル感みたいなものを視覚的にも表現できたらいいなと思って。そこは特にこだわりました」
ikura
「YOASOBIの音楽の遊び心みたいなところを、このシューズにたくさん詰め込んでいます。その中でも、靴の真ん中にあるジッパーの部分。紐はあるんですけど、あえてもうひとつディテールを加えることで、いろんな音が重なり合って私たちの音楽ができている、そういうところも表現できたらいいなと思いました」
本プロジェクトの広がりは、プロダクトだけにとどまらない。発売日前には、関係者向けのストックを少しでもファンに届けたいという思いから、ファッションシーンで用いられるシーディングの手法を取り入れたゲリライベントも行われた。YOASOBIのライブ装飾等も手がけるGILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE等によってペインティングされたグラフィティボックスを携え、ASICSを全身にまとった陽気な男性がYOASOBIの楽曲を流しながら街を歩く。曲に気づき、アーティスト名とタイトルを当てられた人にスニーカーを手渡すというユニークな試みだ。正解者は突然の出来事に驚きながらも、喜びを隠せない姿が印象的だった。



発売前夜にはナイトイベントも開催。ASICSを愛する著名人やスタイリスト、YOASOBIと縁のあるクリエイターやアーティストが集結。tamanaramenによるDJプレイでクラブミュージックにYOASOBIの楽曲が自然にミックスされ、音楽を軸にコミュニティが交差する空間が生まれた。


本プロダクトは、日本国内のみならず世界各国のASICSショップやセレクトショップでも展開された。YOASOBIの音楽とASICSのプロダクトを支持するコミュニティが国内外を問わず交差し、ジャンルや国境といった枠を越えて広がるプロジェクトとなった。
さらに3月29日まで、ASICS FLAGSHIP HARAJUKUでは特別装飾が施されている。(一部コーナーは4月12日まで展示)YOASOBIの世界観を体感できる貴重な機会だ。気になる人は足を運んでみてはいかがだろうか。



最後に、今回のプロジェクトについてYOASOBIの二人はこう語る。
Ayase
「すごく可愛い靴を作ることができましたし、アパレルも一緒に作らせてもらって本当に大満足です。イベントの内装まで手がけていただけて嬉しかったです。大好きなブランドと自分たちがコラボできて、とても感慨深いなと思います」
ikura
「ASICSも日本発のブランドということで、普段からJ-POPを奏でている私たちにとっても、本当に素敵なコラボレーションになりました。これをきっかけに、日本のコンテンツやプロダクトが国内外を問わずどんどん広がっていってくれたら嬉しいです」








