VISIONS:三吉彩花 INTERVIEW
from EYESCREAM No.176

Photography—Kotori Kawashima Styling—Ami Michihata Hair-make—RYO Edit&Text—Shigemitsu Araki

VISIONS:三吉彩花 INTERVIEW
from EYESCREAM No.176

Photography—Kotori Kawashima Styling—Ami Michihata Hair-make—RYO Edit&Text—Shigemitsu Araki

撮影後、「稀にみる美しさ」だとカメラマンの川島小鳥は言った。続けて、「何かを成し遂げる」オーラがあると。加速度的な進化を遂げる三吉彩花
最新号EYESCREAM No.176では、Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』に重要な役で登場する彼女をインタビュー。WEBではその一部をお届けする。
原作は麻生羽呂の同名漫画。突然放り込まれた異世界で“げぇむ”という名の命がけのサバイバルゲームが繰り広げられ、次々と起こる事件から目が離せなくなるが、それ以上に彼女が画面に登場するだけで、とてつもない存在感を放つのだ。三吉彩花は現実世界でもゲームチェンジャーになるだろう。

―― 今回、三吉さん演じるアンは、シーズン1途中からの出演ですが物語の鍵となる役であると共にハマり役でした。出演に至る経緯を聞かせてください。

「以前、『いぬやしき』(2018)という映画で佐藤監督にお世話になり、またお声がけいただいて光栄でした。原作の漫画も撮影前に読ませていただいて、いろんなキャラクターがいる中でアンにすごく惹かれていたので、演じられるのはうれしかったです」

―― 脚本を読んだ印象は?

「脚本を読んだ時というよりは、実際に撮影が始まって、セットであったり、ほかのキャストの方とシーンを撮っていくうちに、ここは漫画であったあのシーンだなと思ったり、それがリアルに再現されていることに、私たちもやりがいを感じたり、刺激をいただきました」

―― 監督からはどんな演出がありましたか。

「役者に寄り添ってくださる監督なので、お芝居のテイストや自分の思うキャラクター像の意見も聞いてくださって。今回の私は、頭脳戦が得意で論理的に物事へ対処していく役ですけど、声のトーンや声量など、細かいニュアンスも監督と相談しながらキャラクターを作っていきました」

―― 本作における三吉さんの発声は、特筆すべき点です。声を張らずともよく通り、早口でも自然で内容が聞き取りやすい。

「もとから声を張る方ではないんです。ただいつもよりアンの役は低い声で話しているので、よりしっかり聞こえるように滑舌を気にしながらセリフを言っていたのですが、友人やマネージメントの方とか、事前に観ていただいた方からも、セリフが聞き取りやすいと言っていただいて、うれしかったです」

―― アンの役作りについてどう取り組みましたか?

「私が登場するのがビーチと呼ばれる舞台で、そこでは登場人物がほぼ水着という設定で、私はシャツとパンツを履いていますが、結構肌が露出しているので、意識して少し身体作りをしました。あとは、ほかのどのキャラクターも個性が際立っていて、特にビーチのメンバーは主張が激しいので、セリフの言い方とか仕草とか、あえて私は誇張しすぎず大袈裟にならないように、『こういう論理的で冷静な人いるよな』っていうくらいの感覚でやるように心がけました」

―― アンとご自身とを比べて、似ている点はありますか。

「実際の私とは違いますが、ピンチの時、こういう風に冷静に判断できる女性が一人いてくれたらいいなって思います。でも私も基本的に冷静なので、危機的状況になってもあたふたしてしまう方ではないと思います」

―― 平静を保つためのコツや、撮影中に苦労された点などを教えてください。

「ほかのみんなはチーム戦をやっていたり、協力しあって『げぇむ』に参加していますが、私が演じるアンはいろんなことを単独で調査するので、一人で集中する環境が自分にとってよかったと思います。苦労したのは、アリスの実力を試す頭脳戦で、水に浸るシーンがあるのですが、あそこは3日に分けて撮影しているんです。水位がだんだん上がってくるのですが、初日は膝下、2日目は胸ぐらい、3日目は顎の下という感じで撮影していたのですが、私の立ち位置が水が後ろから出てくる一番近くで、気をつけていないと揺れて流されてしまうんです。キャラクター的に微動だにしない方がいいので、スタッフの方々に下でロープを用意していただいたり、片足に重りを乗せたり、安定させるまで大変でした」

―― 共演者とのエピソードを聞かせてください。

「今回はお久しぶりの方が多くて、山﨑賢人さん、朝比奈彩ちゃん、虹郎さん、同じ(アミューズ)事務所の先輩方お二人も出ていらっしゃいますし、金子ノブアキさんもそうですね。現場での緊張もすでにほぐれた状態で、シリアスな撮影の合間には、和気藹々としていました。山﨑さんとは、私もほとんどドラマに出たことがない時に、山﨑さんのドラマデビュー作でご一緒していて(『熱海の捜査官』2010)」

―― 本作の主題の一つは、ある境界線上に置かれた人間の問題解決法や決断力を問うものだと思います。三吉さんは決断を迫られた時、何を優先しますか?

「物事によりますね。一言では言えないんですけど、誰かと一緒に何かを決めないといけない時は、相手の意見を尊重しつつ、みんなが気持ちいい決断をします。でも自分のこだわりたい事や、自分らしさを発揮したい時は、自分の意思を大事にします。その時々、誰に対してか、というのを考えます」

―― 演技においてもそうですか。

「基本的にそうですね」

―― 今回の撮影で、ご自身が学んだことや成長したことがあれば教えてください。

「私はネットフリックスをとても観ていたので、ずっとマネージャーさんにもネットフリックスの作品に出たいと言っていたんです。それが幸運なことに叶いました。自分が望んでいたチームと一緒に作り上げていくものは、ストレスさえもポジティブに捉えられる。今回、最初にスタッフもキャストも撮影に入る前に集まる機会があって参加したんですけど、スタッフの方々も作品に対する想いを伝えてくださったり、コミュニケーションもしっかりとれて、チーム感が良かったので、こういう作品を大事にしたいと思いました」

Jacket ¥111,000, Pants ¥67,000(kolor/tel _03-6427-6226)
Shoes ¥79,000(Gianvito Rossi/tel _03-3403-5564)
Earrings ¥25,300, Ear cuff〈Right〉 ¥11,000
MEMENTO PATTERN.
Ring ¥20,000(Dot.

INFORMATION

Netflixオリジナルシリーズ「今際の国のアリス」
【Netflixにて全世界独占配信中】
監督:佐藤信介
出演:山﨑賢人、土屋太鳳、村上虹郎、森永悠希、
町田啓太、朝比奈彩、桜田通、三吉彩花
©麻生羽呂・小学館/ROBOT

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