ロンドン出身のアーティスト、シエナ・バーンズの個展「Even Bad Girls Get the Blues」が2月11日より田端WISH LESS galleryにおいて開催される
アイコン的スターからインスピレーションを受けて描かれたエロティックで反抗的な作品や挑発的なスローガンを通して、ジェンダーやセクシャリティについて訴えかけるシエナ・バーンズ。これまでにヒステリックグラマーとのコラボレーションも話題となったほか、トム・オブ・フィンランド財団にコレクションされるなど世界中で高く評価されている。
展示初日に行われるオープニングレセプションには、今回が初来日となるシエナも参加するようだ。
以下、アーティスト・ステイトメント。
本タイトル「Even Bad Girls Get the Blues」とは、ネット上で青春を謳歌する若い世代の視線を通して屈折した、女性的なポップパワーの喜びを表しています。
オンライン環境はますます加速化していますが、人々はまだストリップクラブや銀幕のセックスシンボルなど、古くからの女神像を崇めています。
シエナ・バーンズの作品は、より世間へ認知されるため女神のごとく現状へ立ち向かうクィア・アイコンたちを讃えています。シエナの描くイメージは威厳を放ち、アマゾン・フェミニストまたはストリート・スマート・フェミニストとしてセクシャリティを強く主張し、戦い続けます。
本作品は、スーザン・ソンタグが「キャンプについてのノート」(1964)において、「不自然なものへの愛」として定義したキャンプを揶揄しており、そこでは真実は作為的な事柄によって明らかにされます。
女性的な概念が進化するにつれ、ビーナスへの理想は広がり、一般的なジェンダー基準を多様化させることによって、ル・ポールのドラァグ・レースのスター等、ノンバイナリー美人たち、ポップアイドルの元祖エリザベス・テイラーらも同格化されます。そして往年のスター達は、かつて君臨した華やかな世界に取り憑く、古いハリウッドの亡霊として蘇るのです。
ベラスケスの「鏡のヴィーナス」のように、視線の概念は、レンズの後ろと前にいるクリエイターとインターネットによって複雑化されています。一体誰が誰を見ているのでしょうか?
作家は、見つめ返してくる被写体を描くことで、自身を取り戻し、力を競い合います。彼らは、女性らしさは男性の視線の中でしか生きられないという考え方に対抗し、より強くなったガールズパワーを見せつけるのです。
INFORMATION
シエナ・バーンズ個展「Even Bad Girls Get the Blues」
会期:2023年2月11日(土) – 3月5日(日)12:00 – 18:00
休廊:月・火・水 入場無料
会場:WISH LESS gallery(東京都北区田端5-12-10)
・オープニングレセプション:2023年2月11日(土)18:00 – 20:00