デザイナー古田泰子が手掛けるブランドTOGAの旗艦店TOGA AOYAMAで成山画廊との展示プロジェクト「TOGA TRIANGLE」の第5弾の企画として、写真家、岡部桃の個展がスタートした。

独特な色彩で表された岡部桃の作品は、深く愛した恋人との記憶の記録、死に対する絶望と恐怖、怒りの暴力的エネルギー、過去との長く暗い葛藤の末に獲得した心象風景を写した私小説となっており、震災、残骸、性別適合手術といったショッキングなイメージが奏でるエレジーは、決して終焉の悲しみではなく、新しいエネルギーが生まれる原点、勇気ある葛藤を極自然に描かれている。

本展では、性別移行したふたりの恋人との関係を撮影した写真集『Dildo』、東京、宮城、インド撮影された作品で構成された『Bible』から、作家自身が選んだ8作品を、非性愛者である自身の妊娠・出産を含む6年間を切り取った『ILMATAR』から4作品が展示される。

岡部桃自身、日本では約4年ぶりとなる個展に足を運んでみてはいかがだろう。

ILMATAR／2020／©岡部桃

Bible／2014／©岡部桃

Bible／2014／©岡部桃