毎回、クリエイティブに携わる人々に、お気に入りのZINEをレコメンドしてもらう連載シリーズ『ZINEspiration』。第3回目となる今回は、オフィス用品としてお馴染みのテプラを使った作品制作を行う、アーティストの酒井いぶきに話を聞いた。
映画をきっかけにタイプライターへ興味を持ち、家にあるはずのタイプライターを探してみたところ、実はそれがテプラだったため、そのまま代わりにテプラを使って制作を始めたという酒井いぶき。高校時代は写真部に入部していたものの、部のイベントには参加せず、部の備品のテプラやプリンターを存分に活用して、独自に作品制作をしていたそう。
「最近、テプラの会社(キングジム)の人に会って作品を見せたら、すごく喜んでくれて。『テプラ公認アーティスト』だと思ってます(笑)。テプラをいじってるだけで、他の作品もすごく作りたくなるし、テプラは一生手放せないですね。高校生のころから、コラージュで冊子を作っていて。超アナログなんですけど、Wordしか持ってなかったから、Wordでページの順番を全部考えて、写真部のプリンターで印刷して作ってました。後になって『ZINE』っていう言葉を知って、『私が作ってたのZINEだったんだ』って。もともと紙が好きで、本を集めちゃうんです。去年、高校を卒業してからいろんな国に行ったんですけど、パリに行った時にも服より本をいっぱい買って。韓国のアートブックフェアでも本気で買いまくりました」
最近は、彼女が“お師匠さんみたい”と語る、アーティストの加賀美健らによるZINEイベント『王将ZINEフェアー』にも毎回参加している。
「お正月明けすぐにイベントがあった時は、健さんが普通にコタツで食べたであろうミカンの皮を半分にしてホッチキスで止めただけのものを、『ミカンのZINE』って出してて。健さんがそれをInstagramに載せてたら、『取り置きお願いします』ってコメントがついたんですけど、それに対して『捨てちゃったよ笑』って返信してたことに、私はぐっときて。私もいい意味で適当に作ってるから、自分の作ったものに対して『もう捨てちゃった』っていう感じが何か嬉しかったんです。このイベントはメンバーが集まるのが本当に楽しいですね」
最後に自身の活動について、今後の展望を語ってくれた。
「テプラはもちろんやりつつ、いろいろ混ぜていきたいですね。『これもいぶきちゃんだったんだ』ってよく言われるけど、それでいいかなって。好きなことを、こだわらずやっていきたいです。来年1月に眼科画廊でグループ展に参加する予定なんですけど、もっともっと場数を踏みたいので、『イベントに誘ってください』的なことを書いておいてください(笑)」
【酒井いぶきがレコメンドするZINE5冊】
酒井いぶきのステッカーは、以下のショップで販売中。
INFORMATION
・STRANGE STORE
東京都渋谷区鴬谷町12-3-301
・excube
大阪市浪速区稲荷1-7-30 山崎ビル2F
・ナイスショップスー
http://theniceshop.cart.fc2.com/ca10/683/
・ON AIR
福岡市中央区薬院3-12-31 2F
・酒井いぶき BASE
https://iibbuukkii.thebase.in/