新宿連載を読んでいただき、ありがとうございます。今回は、番外編 #秋葉原 でお伝えさせてください。
4月13日に、自身初となる写真集「13」を発表しました。それにともなって同タイトルの展示も4月27日まで開催いたしました。
個人的にではありますが、この10年、新宿連載の内容のように、知らない人に話しかけ、お話を聞き、写真を撮る、という行為を続けています。今回の展示は、秋葉原にありますノーガホテル秋葉原東京さんよりお声がけいただき、今年の1月に13日間滞在させていただき、出会った宿泊者および街の人を記録しました。
「聞き・書き・撮影」を続けて10年というと、まだまだ短いですが、今回のお話をいただいたときは、続けてきてよかったと心から思えました。18歳のころから、人のお話を聞くことと、日記を書くことが好きだということを口にしていました。そして20歳でカメラを手にしました。知らない人に話しかける際、あまりにも相手の人に警戒されるので、その解消法のためにカメラを買って肩にかけました。それから学生、会社員時代を経た中でも、この時間だけは自分にプレゼントするよう続けてきました。
写真も弟子入りやスタジオに入ることを考えた時期がありました。が結局、その選択には至りませんでした。今はそれでよかったと捉えています。というのも、カメラを手にしたときのように、僕は何か課題があれば、極力自分で考えて、回答を出すことを怠りたくないです。そこに楽しさがあり、そのためなら何度でもトライ&エラーを繰り返したいです。写真の撮り方、声のかけ方、お話の聞き方……どれも、足を止めてくれた路上の人から学ばせていただくように、毎回・毎回が本気で、本番です。
今、展示作品と本を目の前にし、思うことがあります。それは、本当に「やってよかった」という達成感です。形になる前に躊躇していたことや想像だけで会話していたことよりも、はるかに実施して得られる経験が大きいです。これはお金では手に入らないもので、自分が思っている以上に、大きな経験や発見になっている気がします。一緒になって楽しんでくれる仲間ができたことも、今回の宝です。
まだまだ写真のキャリアをスタートさせたばかりですが、自分なりにそのフツフツとした感情に向き合い続け、「何をあなたは今できるの?」の問いへ、今のアンサーを返した気持ちです。最後になりましたが、今回の展示と本の制作の経緯を、J-WAVEのPodcastにてお話しさせていただきました。合わせてお聞きいただけますと幸いです。宜しくお願いいたします。
INFORMATION
加藤雄太
「毎日、知らん人に話しかけたら?」先輩の一言をきっかけに、
2014年より街行く人々の写真を撮り、話を聞き・書く生活を始める。2022年、独立。
HP:yuta-kato.com
Instagram:@_yuta_kato_