時代問わず、バイクという乗り物には憧れを感じる。Triumph(以下、トライアンフ)は100年以上の歴史を持つイギリスの超老舗バイクメーカーだ。そこには明確なスタイルがあって、トライアンフに乗っている人からは底なしのバイク愛が感じられる。
ここでは、トライアンフのニューモデル「SPEED 400」と「SCRAMBLER 400 X」にフォーカス。バイク大好き芸人として知られる徳井義実さんと、同じくバイクを愛用しているWANIMAのドラマーFUJIさんに出演してもらい、バイクが自らのライフスタイルでどんな存在なのかを対談形式で話し合ってもらった。そこで出てきたのが、「バイク=相棒」というキーワード。そこには、どんな思いがあるのかをチェックしていただきたい。
バイクに乗らずに人生を終えるのはイヤだ
ーお2人が会って話すのは今日が初になりますか?
徳井義実(以下、徳井):いや、『シブヤノオト』(NHKの音楽番組、MCとして出演している)で出会ってるから。
FUJI:2017年頃が初だったと思いますよ。『シブヤノオト』には何度か出演させてもらいましたけど、徳井さんがポールダンスを披露されるのを見守った回もありました。
徳井:そうやったっけ(笑)。あの頃にはもうバイクに乗っていたの?
FUJI:いえ、免許を取ったのは4年前なんですよ。
徳井:じゃあ、コロナ禍の間に取ったってこと?
FUJI:そうです! そもそも親父がバイクに乗っていたので、自分もいつか乗りたいって気持ちがずっとあったんですね。でも、なかなか勇気が出なくて踏み出せなかったんです。子供の頃からやってみたかったことを趣味にしていこうと思いたって、まず釣りを始めてハマり、次に何をしようかって思ったときに、バイクをやるしかないなと。それで、仕事の合間をぬって1コマずつ教習所に通い、8ヶ月かけて取得したんです。
徳井:8ヶ月! 長かったねーー! よう心、折れへんかったな!
FUJI:いや、もうギリギリでした(笑)。
徳井:俺、レミオロメンの藤巻くん(藤巻亮太さん、レミオロメンのボーカル&ギター)とちょうど教習が一緒で。2人でバイク乗って、その時点でもう楽しかったよ。
ー徳井さんがバイクに乗ろうと思ったきっかけについても、改めて教えていただけますか?
徳井:最初の最初は高校の時に原チャリに乗っていたんですけど、20代に入ってからはバイクに乗らなくなり、しばらくしてから、たまたま仕事の役柄(映画『莫逆家族 バクギャクファミーリア』、2012年公開)で乗ることがあって、その瞬間に感覚が蘇ってしまって、本格的に乗りたくなっちゃったんですよね。バイクという乗り物が存在するなら、せっかくだったら乗ってみたい。このまま乗らずに人生を終えるのが嫌だなって思って。
FUJI:その感じ、すごくわかります。今は何に乗ってらっしゃるんでしたっけ?
徳井:今がね、何台かあって、トライアンフのボンネビルT120と、ハーレーとハスクバーナと、ホンダのCB400FOUR。でも、この取材だから言うわけじゃなくて、ほんまにトライアンフに乗ってる(笑)。
FUJI:僕は最初に買ったのがホンダのレブルで今はハーレーに乗っています。最近、ホンダのモンキー125を買ってカスタムしたりしているんです。
徳井:カスタムしたくなるよね、わかるわ~。何かしたらやりたくなるよね。
FUJI:以前、徳井さんのCB400FOURを見ましたけど、(カスタムし過ぎて)原型ないっすもんね。
徳井:原型ない! CB400FOUR好きからしたら何してくれてんねんってことになるんやけど。
一同:笑
FUJI:でも、やっぱり自分色に染められる人ってカッコいいなって思いますよ。

徳井義実
ジャケット¥60,500 / パンツ¥63,800
共にY-3(adidas fashion group showroom)
ショールーム☎︎03-5547-6501
その他スタイリスト私物
Styling_作山直紀
バイクは相棒!
ー今ではバイクがライフスタイルに欠かせない存在になっていると思うんですけど、最初に路上で運転したときのことを覚えていますか?
徳井:いやもう、そもそもね。僕、中免(普通自動二輪車免許のこと)も大型免許も持っていない状態で1台、買ってるんですよ。新宿ルミネの出番の合間に2時間くらいあって、近くにあった店で見つけたバイクにひと目惚れして買ったの。
FUJI:すっごい(笑)。
徳井:そっから、もう買ったからにも免許を取りに行こうってなって。それで中免を取ってからはハスクバーナのTC125を買って、それに乗って大型免許を取りに教習所に通って。だからもう、乗りたくて乗りたくてたまらなかったんですよ。だから、めちゃくちゃ嬉しかったですね。大人になってあんなにワクワクすることないです。教習所からもう楽しかったですからね。
FUJI:そうっすよね。教習所でエンジンを始動すると、自分のバイクだって気持ちになるというか。教習所のバイクだから本当は違うんですけど、だけど今日は俺の相棒なんだ、みたいな。
徳井:そう、バイクには相棒感があるよね。そこが特殊やねんな。自転車は小学校の時からの友達、車は大人になってからのパートナーって感じ。で、バイクは中学や高校からのツレ。なんだか地元を思い出すような気持ちにもなるし不思議というか。バイクでしか感じられない気持ちになるもんね。一緒に冒険に出る相棒って感じがする。
FUJI:しますよね。僕もちょっと遠くで仕事があるときとか、できるだけバイクで行きたくて。でも、この間マネージャーに僕の直してほしいところを聞いたんですよ。そしたら「現場にバイクで来てドヤ顔するのを辞めてほしい」って言われて(笑)。知らず知らずのうちに自信がにじみ出ちゃってるんだなって思ったんですよ。
一同:笑。
徳井:ま、ドヤってるよ。バイクを止めてメットを脱いだ時の顔は確実にドヤってると思います。
FUJI:信号待ちでトラックがいたら、コンテナに映る自分の姿をスッと見ますもん。
徳井:見るなぁ。これ、車に対してもあって。バイクに乗って身体がむき出しの状態になっている自分の方がなんていうのかな、強い、みたいな(笑)。自分も車に乗るくせに、俺は生身で相棒と戦っているんだ、みたいな。君ら車とは違うんだぞっていうね。
FUJI:その感覚、めっちゃわかります(笑)。
徳井:なんか俺の方がカッコいいと思う。チャレンジャーだ! みたいな。
一同:笑。
徳井:そんな感覚があるから、家から仕事までの移動でバイクに乗っていると、その時間がすごく楽しいものになるし、そこに価値を見出すようになってくるよね。気づかなかった発見があるし、ただの移動が体験になるから。
FUJI:本当にそうですよね。それに、俺は自分に自信がないタイプなんですけど、バイクに乗ってる自分は絶対カッコいいって思えるんで、バイクに乗り始めて自分のことが好きになりましたね。趣味の幅も広がりますし、人生は1度きりなんだから、徳井さんがさっき仰っていたように、乗れるものなら乗った方がいいし、自分の場合は人生観が大きく良い方向に変わりましたよ。
徳井:自信が出るっていうのはあるかもね。バイクって1個キャラが乗っけられるでしょ。『バイクに乗っている人』って見られるようになるから。
FUJI:そこもバイクの特徴ですよね。意外性が出てカッコいいって思われたりとか。
徳井:自分を持っている人に見えるし、実際に持っている人も多いもんね。あとは、普通にライダースジャケットを着れるようになったりとか。バイクに乗ってへんときはライダースジャケットを着ている自分が恥ずかしくて(笑)。
FUJI:あーー、わかります。
徳井:でも、バイクに乗り出してからは大手を振って着れるぞって。
FUJI:俺も去年買ったんですよ、ライダースジャケット。それを着てメンバーの前に行っても、もう「似合わないよ」とか言わせない。だって、バイクに乗ってるんだから。
一同:笑。
徳井:そんなバイカー用のウェアは見ているだけでも楽しいし、単純にショッピングの楽しみも増えたかな。やっぱりバイクに乗るぞって時は服装も考えるし、そういうの込みで楽しめるのがバイクですね。

トライアンフのバイクは乗る楽しさを残してくれている
ー最初にお話にあった通り、徳井さんは普段からトライアンフを愛用されているわけですが、そもそもトライアンフに対してどういうイメージがありますか?
徳井:クラシカルなオートバイの良さをちゃんと残しながら、現代のバイクにしていると思いますね。デザインの面にくわえて、バイクに乗る楽しさをちゃんと残してくれている。その辺り、英国のスピリットが生きているんだろうなって感じます。伝統的なカッコよさを大切にしながら時代に合う形で進化させていくというのは、もうトライアンフならではの文化なんだろうなって思います。

ー今日は「SPEED 400」と「SCRAMBLER 400 X」を少し触っていただきましたが、見た感じの印象としていかがでしょう?
徳井:ちょっとエンジンかけましたけど音がいいです。
FUJI:400CCで、この鼓動感っていうのはなかなかないですよね。バイカーは音を気にする人が多いですけど、ノーマルでこの迫力はカッコいいです。あと、やっぱり見た目がいいです。
徳井:カッコいいよね~。
FUJI:大人っぽさとやんちゃさが同居している感覚がありますね。
ーこの2台は400CCなので中免でも乗れるというのもポイントです。そこはいかがですか?
徳井:街乗りとして、細々した交差点を運転するときも気楽にいけそうですね。この2台ならロングツーリングもゆとりを持っていけそうですし楽しめる幅が広そうです。でも、サイドのボディを見るとすごく迫力があるしカッコいい。
FUJI:大型っぽい本格的な見た目ですよね。700CCくらいありそう。
徳井:……ほしくなってきちゃった。
FUJI:僕もです。今日、コレいただけるんですよね?
一同:笑。

ーこの機会なので、何かお互いに聞きたいことはありますか?
徳井:前にドラムをやろうと思ったことがあって電子ドラムを買ったんだけど全然叩けるようにならなくて。音楽を聴いていてもドラムのカッコいい部分を追いかけたりしているし、何ならYouTubeの企画でドラムにチャレンジしようかと思ったことが何回かあって。
FUJI:本当ですか? そのときは是非、呼んでください。
徳井:え? 来てくれる??
FUJI:絶対行きます、バイクで!
徳井:それは嬉しいなぁ。いつか呼びます。
FUJI:実は僕もYouTubeをやりたいなって思っているんですけど、どうですか。YouTubeって楽しいですか?
徳井:うん、楽しいよ! 自分で好き勝手できるから。それこそアーティストはやっている人が多いよね。ギタリストやドラマーだったり。
FUJI:やってますね。でも、自分がやるならドラムを叩きたくないなって。それこそバイクや釣り、あとはこれからやろうと思ってることですけど、キャンプとか。
徳井:なるほどね。ドラムできて、バイクがあって、釣り、どれもけっこう人気のコンテンツではあるから、どれをやっても面白いと思うよ。
ーいつかYouTube上でお2人が絡むことがあったら、その時は今日のことを思い出すと思います。最後に、バイクに興味があってこれから乗ってみようかと考えている人にメッセージをお願いします。
徳井:バイクに乗っていると、自分が映画の主人公になったような気がするし、ヒーローになれるので、乗ってみて楽しいことしかないです。もう、教習所がいきなり楽しいから、まずは免許を取りに行っちゃうのがいいんじゃんかと思いますね。免許は持っていて損はないですし。
FUJI:その通りですね。乗らないと見れない景色があるわけなので、まずは1回乗って決めればいいじゃないですか。合わなかったら乗らなければいい。まずはバイクの世界に飛び込んできてほしいです。
左から、SCRAMBLER 400 X、SPEED 400