CULTURE 2020.05.14

写真と言葉で“東京”と“時代”を映し出す「SOULS」がネットプリントで先行リリース

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

東京を拠点とする写真家、マツモトダイスケがスタートさせたプロジェクト「SOULS」。毎回、一人一号形式として発刊、“時代”についての文章と、その文章に触発されてマツモトが撮影した写真作品を挿絵的に添える構成の見開き+表紙、裏表紙からなる冊子だ。当初はテイクフリー形式で各所に設置する予定だったが、現在の外出自粛要請に伴い、セブン-イレブンのネットプリントを経由する形で先行リリースがスタートしている。

これまでにvol.1の切腹ピストルズ総隊長飯田団紅をはじめ、GEZANマヒトゥ・ザ・ピーポー、フリーダムなパーティー「BLACK SHEEP」主宰のCOGEE、半蔵門のギャラリーANAGRAAI NISHIYAMA、CYDERHOUSEデザイナーのUgOkamotoらが登場。今後もミュージシャン、現代アーティスト、写真家、映像作家、DJ、さらには飲食店経営者、書店員、アニメーター、小学生など有名無名ジャンル問わず「10年後、20年後の東京や日本を楽しませてくれているだろう」人たちが参加予定だという。

特別にここではvol.1の飯田団紅と、vol.7のAI NISHIYAMAの中面を紹介する。vol.10まではネットプリントの有効期限がすでに切れてしまっているが、続く発行を楽しみに待とうじゃないか。

vol.1 切腹ピストルズ総隊長 飯田団紅

vol.7 AI NISHIYAMA

以下は主宰のマツモトダイスケによるステートメントだ。

2019年11月、年末のちょっと前。
前々からずっと『いつか撮ろう』、『いつか向き合わなくてはいけないだろーな』と思っていた【東京】をテーマにした作品を作ろうと思い、このただの企画とは呼びたくはない作品制作が動き出しました。
2020年を意識していなかったと言えば嘘になります。

しかしこれまでコンセプトを主軸とした作品づくりしかしてこなかった自分には、従来のイメージの代表格であるスナップ写真を今更撮るつもりにも、2020年に控えたオリンピックを揶揄する写真を撮る気にもなりませんでした。
考えてみたところ、自分にとっての【東京】とは場所や街ではなく出会ってきた人たちで形成されているのだと思ったからです。

鳥取で生まれ2年の大阪生活をはさみ、20歳で【東京】に出てきて14年。
2011年の震災で否が応でも価値観が変わってしまったけれど僕には作品を作り続けるしかなく、気がつけば34歳になっていました。
未来に残る作品を残したい、そんだけで。

作品のタイトルを【SOULS】と名付け、題字とデザインをお願いしている岡崎絶太郎氏に相談してみたところ、

『ヤンキー雑誌みたい』

との感想でした。

しかし未だに【東京】が自分の街だとは思えない、何かをやらかしたくてこの街に住んでいる僕には逆にシックリときてしまったのでタイトルは【SOULS】に決定。
眉間にシワを寄せていきたい。

そして【東京】で出会った、出会ってしまったとしか言いようがない、未来に向けて活動している様々な人に声をかけ、800文字以内(ざっくりですが)で”時代”というものについて文章を書いてもらい、その文章を読んで僕が撮った挿絵のような写真作品を文章と並べるというスタイルが出来あがりました。

そして2020年、誰も予想などしていなかった感染症の蔓延で作品も当初の意図とは変わっていきました。
それは誰もが同じだと思います。
当初予定していた実店舗に設置してのテイクフリー形式を先送りにして、同時に発行しようと元から予定していたセブンイレブンのネットプリントでのリリースを2020年の3月末にスタートさせました。

強度よりまずはスピード、パソコンモニターやスマホの画面ではなく、実物を手にして欲しい。
少しでも落ち着いたら本誌版の設置も開始します。
この文章と写真が生活の合間、日常の隙に入っていければと思います。
今はまず、この『SOULS』という存在を知ってもらう事が第一と考え、今もこうして活動し続けている所存です。

未来に向け、【SOULS】は時間が経つほどに強度が増していくと思います。
手にとってみてください。
言いたい事は山ほどありますが。
これも写真家としての仕事のひとつだと思っています。
100人やります。
100って数字はなんとなくです。
宜しくお願いします。
【SOULS】は集団ではなく、個の人間の集まりです。

写真家 マツモトダイスケ

INFORMATION

SOULS

主宰:マツモトダイスケ
装丁・デザイン:岡崎絶太郎(MAMMOTH)

https://www.instagram.com/souls_tokyo/

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