二十歳の眼差し
vol.05 HIMI
遡るは2000年。かの大予言を嘲弄し、新時代への高揚感にただ身を委ねていたあの頃。ミレニアムベビーと名付けられた時代の光彩たちはこの世に生を享けた。あれから20年。社会は確実に進歩したけれど、変わらない眼差しはそこにある。2000年代とともに歩んできた彼らの瞳はいま、何を見つめるのか。
ー簡単な自己紹介をお願いします。
HIMI。俳優、ミュージシャンとして活動しています。
ー趣味と特技を教えてください。
趣味はスケボーと、自粛期間中は料理にもハマっていました。あと、散歩も。特技は楽器、歌、スポーツ、英語……..。楽器は一通り弾けます。英語も中学からインターナショナルスクールだったり、オーストラリアに留学していたこともあるので、得意です。
ーお気に入りの場所はどこですか?
家と、多摩川沿いの緑が濃くなっているところを進んだ場所。椅子を置いて、川を見て、ギターを弾いたり。
ー制作活動はどのように行なっていますか?
作りたいものに向けて制作すると、途中でその衝動が止まっちゃうから、色んな作品を見て、聴いて。インプットしたものをミックスして、曲に落とし込んでいます。
ーいまはどんな音楽を聴いていますか?
Dijonの『alley-oop』の気分。かっこいいアルバムです。親や友達と音楽の情報交換はするけど、前ほど新しい作品を探さなくなりました。心地いい音楽をずっと聞いていることがほとんどです。小さい頃から様々な作品に触れているけど、やっぱりマイケル・ジャクソンが原点です。ここから広がって行きました。
ーHIMIさんがモデルを務めていた、EDWIN 503キャンペーンでの「シェリー」のムービーが印象的でした。
尾崎豊さんはじめ、安全地帯や玉置浩二さん、ブルーハーツ、山下達郎さんなどもよく聴きます。尾崎さんのようなスタイルっていまの時代、なかなかないですよね。音数も少なくて、シンプル。でも、最近は徐々にそういった音楽のムードに戻ってきている気がします。時代とともに変わって行ってる。
ーミュージシャンと俳優。HIMIさんの中で、ここにはどのような違いがありますか?
どちらも自分のテンポを大切にしている点では、一緒です。僕のテンポでギターを弾くことで、自分の音になる。役を演じる時も、そこを大切にしています。でも、考え方は全く別かな。音楽の知識はいっぱい持ってるから突き詰めて聴く、俳優は手探りの状態だからこその面白さがある。どちらもすごく好きです。だけど、自分のやりたい作品に出演することで“俳優”になれると思うから、いまはまだ言い切れない。関わる作品はちゃんと選んでいきたいです。音楽はここからもっと広げて行きます。日本がこれからどうなるのかわからないけど、そこで自分自身すらも見失ったら終わり。コツコツ活動を続けて、各地を転々としていきたいです。海外も視野に入れて。でもいまはステイホーム。ひたすらインプットして、できることから少しずつ形にして行きたい。あとはライブが早く再開できるのを楽しみにしています。ライブじゃないと伝わらないよさが、僕にはいっぱいあると思うから。
ー5年前の自分に。
少し威張っててもいいから、胸張って進みなよ。“自信”って子供の頃はみんなが持っていたものなのに、15歳くらいから周りの目を気にし始めて、自分自身が正しいのかわからなくなって。でもその頃見ていた自分の道を、僕はいまも変わらず進んでいるから、どんどん行けって伝えたい。
ー宝物は何ですか。
家族と仲間と自分のギター。あと、自分自身も。自分を大切にしないとやりたいことはできないし、そのためには理解してくれる仲間も大切。いま周りにいてくれる仲間たちと、一緒に進んで行けるのがベストですね。
ー5年後の自分に。
今まで通り一つ一つを大切に。出来ることが増えたからって、ブレずにいてください。みんなはよく「進んでいる途中で道は見えてくる」って言うけど、僕は最初から見つけていたから、あとはより鮮明なものにしていくだけ。その途中で仲間が増えて、それが時代になっちゃえばいいかな。
HIMI
https://linktr.ee/HIMI_official
Instagram:@himimojo
Photography-Yuki Hori
Styling-Toshihiko Hirano
Hair&Make-Chika Ueno
Text&Edit-Mizuki Kanno