Heel Collective
Instagram:@heel_collective
Twitter:@heel_collective
New Shit
2020.7.11 release
https://heelcollective.stores.jp/
スケーターたちが行き交う東京、ストリート。その中でもひと際気になるニューフェイスがHeel Collectiveだ。昨年より本格始動した同クルーだが、昨年12月にMORTARで行われたフルレングスビデオ「Happiness」の試写会は、当時無名にも関わらず200人以上が押しかけ、彼らの存在を周知させることになった。その後も次々とドロップされるビデオやプロダクトは、スケーターのみならず感度の高いユースから支持を得ている。そんな彼らの動向を探るべく、クルーを束ねるディレクター/フィルマーのShinと、ライダーでありデザイナーのShoheyに話を聞いた。
ーまず、Heel Collectiveがスタートした経緯を教えてください。
Shohey:Heelをやろうって声かけてくれたのはShinだよね。
Shin:元々ライダーのTommyと同じ職場で、一緒にスケートやってて。3年半前くらいにクルー作ろうぜみたいな流れでメンバーを集めだして。最初はいつかブランド化したいって軽いノリだったけど、去年くらいから本格的に動き出した。そのターニングポイントの一つが、某ブランドのディレクターに言われた一言で。「明日仕事辞められる?」って聞かれたときすぐ首を縦に振れなかったんだよね。それが悔しかったし、結構自分の中で刺さったから、速攻で仕事辞めてこっちに本腰を入れた。そのあとShoheyが入ったんだけど、デザインやってるのも知ってたから、俺がやりたくないことをやってくれるし、Shoheyが苦手なことを俺がやれると直感的に思って。
Shohey:そうだね。俺は得意なことだけをやればいいって状況になりたかったし、週5日働くって道じゃなく、好きなことで生きていける道を知りたくて、一緒にやることにした。
ーHeel Collectiveという名前の由来は何ですか。
Shin:映画とかの悪役(=Heel)から取ってるんだよね。実際に悪役的な動きをしてるわけじゃないけど、世間的なスケートの立ち位置みたいなところで。実は最初SKATE BOARDSって名前だったんだけど、一番最初に作ったステッカーにAが抜けてて(笑)。3ヶ月後くらいに気づいたタイミングで、SKATE BOARDSってデッキカンパニーとかによく付けられる名前だし、俺らはそうじゃないから変えようってなった。
ーそもそも二人はいつからスケートをやってるんですか。
Shin:俺は大学4年。
Shohey:俺は中3とかかな。9年間サッカーをやってたんだけど、チームで動いたりすることが苦手だったんだよね。だから一人でやれるものを探してたのかも。
Shin:たしかに。俺は剣道やってて、剣道って団体戦も個人だから団体スポーツが得意じゃなかったかも。あとスノボやってたからオフトレで始めて。かっこいいからってよりは遊びではじめた。
Shohey:そうだね。自転車で路面を漕ぐより、地面との感覚が近い乗り物というか、コントロールが一番効くものがたまたまスケボーだったのかもしれない。
ーもともとフィルマーとしても活動してたんですか。
Shin:最初に撮り始めたのは2018年の2月。クルー結成時から映像作ろうって話はあったけど、誰もやるやつがいなかったし。そこに需要があるのはわかってたから、思い切ってやっちゃおうと。
ー撮影や映像を作るときに意識してることはありますか。
Shin:俺的にスケーターって、ビデオよりもインスタとかの方が生で見る感覚に近いからかっこいいんだよね。ビデオで見ると「あれ、この人はここがかっこ良いのに」みたいな気持ちになっちゃって。だからあまり撮影ってプレッシャーを与えないように、携帯で撮るみたいな感覚でカメラを構えるようにしてる。あとは、かっこいい・かっこわるいじゃなくて、楽しんでるっていうメッセージを伝えたいかな。見てる人にどこまで伝わってるかわからないけど、どの映像にもストーリーがあるし。スケートじゃない部分でも一連の流れが見えるように作ってる。
ーデザインを考える上でこだわりを教えてください。
Shohey:一番はHeelのみんなが似合うことかな。あとはShinが思ってることをなるべく具現化するようにしてる。だから個人でやってるブランドLittle Willowとは自然と全く別ものになるね。どちらかというとHeelはピースなイメージで、自分のブランドは自分の中の汚いものを出す感じだからダークな雰囲気になってる。
ーHeelではよく花や地球を使ってますが、何か意味はありますか。
Shohey:スケーターって10〜20代半ばが一番動けるときで。花も綺麗に咲いたあとに枯れるから、花は俺らを表してるんだよね。それに花を見て幸せになる人もいるから、そういう意味で感動を与えられたらいいなと思って。地球は、全世界わけ隔たりなくみんなで楽しくやっていこうぜって感じの意味。次に新しくリリース(7月11日発売)するTシャツ(※写真1)にも使ってるよ。
写真1
写真2
ー毎回テーマがあるんですね。
Shohey:そうそう。例えば前回発売したブルーと黒タイダイのTシャツ(※写真2 右下)は、自由と社会の混在を表してて。真っ青だった空が社会によって濁ってきたイメージなんだけど、胸には花のロゴがあって。濁った中でも一輪の花を咲かせるみたいな、Heelで自由に生きていける部分もあるんだぞっていうメッセージを込めてる。歪んだロゴを使うことが多いのは、俺らはこういう性格だから苦労することもあるけど、まっすぐ生きていけなくてもいいじゃんって想いで。
ーデザイン自体はいつからやっていますか。
Shohey:もう生まれたときから(笑)。何かを伝えるときに普通は言葉だったり文字とかで伝えるんだろうけど、俺の場合は伝えたいことを絵に描いてた。だから自分の得意なことを社会に当てはめようと、デザイン事務所に勤めてたこともあった。けど実際は、上司にコーヒーを出したり身なりを整えたり、社会的なルールやマナーがたくさんあって、それに違和感があったし苦手だったんだよね。しかもスケボーも大好きだったから、拘束時間によってそれが阻まれることに耐えられなくて辞めちゃった。けど今は限りなく自由にデザインができているし、まだ映像だけで食べていける訳ではないから、商品を手に取ってもらうためにも頑張りたいね。
ーHeelならでは強みは何だと思いますか。
Shohey:個々にみんな何かを持ってるところかな。
Shin:本来であれば一緒にいないやつらが一緒にいる感じがする。良いか悪いかはわからないけど、俺らは他から見たら全然違うでしょ、みたいなやつらが揃ってるかな。例えば服装がスケーターぽくないとか、そういうの関係なくただ出会って、そいつが良いから一緒にやるし。悪く言えばHeelぽくないやつもいるかもしれないけど、個を生かしたいからそれで良いと思ってる。
Shohey:全員違うから補い合えてるのかもね。個々で表現できる場所が違うからうまくバランス取れてるというか。
Shin:それが一番表れてるのは俺とShoheyかも(笑)。
Shohey:今までずっと一人で遊んでたから、他人との予定を詰めることが苦手で。だから「俺はこっちやるからお前はそっちをやって」って感じに分担して一つのことができるのはHeelが初めてかもしれない。
Shin:確かに。俺は逆で、もともと人とやるのは好きだけど、人の上に立ちたいタイプだし目立ちたがり屋だから誰かと肩を並べてやるのが苦手だったんだよね。だから今回人生で初めて誰かと並行してやることを受け入れられた。
L→R
Q1. 名前/年齢
Q2. 最近テンションが上がったこと
Q3. 三年後の自分へひとこと
ーHeelをやってて楽しい瞬間はどんなときですか。
Shohey:プロダクト制作でいうと、デザイン段階からいいと思うものもあるけど、実際に版を作って刷ったときに、予想以上にいいとテンション上がるね。
Shin:デザインをプロダクトに起こしたときに、「こんなにかっこよかったの!」って発見だったり、いろんな人が着てたりする喜びはめちゃくちゃ大きい。それがすごい楽しいし、着てくれる人がいることは嬉しいよね。もちろんデザインで買ってくれるのもいいけど、一番は俺らがやってるからHeelの商品を買いたいって思ってほしいな。俺らの活動に共感してくれる人がいるって信じてるし。服じゃなくて俺らを見てよって気持ちが強い。だから売れるデザインよりも意味の方が重要だし、映像もかっこいいよりも頑張ってる方が大事かな。
Shohey:俺はデザインも見てほしいよ(笑)。ほんとは絵も売れたら嬉しいけど、やっぱり服とか身近なものじゃないと中々手にとってもらえない。最近は服を作る人も増えてるから、同じもので勝負する上でどこまで差別化できるかは自分次第だなって思う。俺にとってのデザインは、スケボーよりも長くやってることだし、体が衰えても洗練できることだと思ってるからそこは頑張りたい。
ー最後に、これからHeel Collectiveとしてどうなっていくのが理想ですか。
Shohey:やらなきゃじゃなくて、やりたいことでお金を稼ぐ。何かのために働くんじゃなくて自分のために働くとか、外からのしがらみを自分たちで作りたいな。一般的な社会で普通に働けたら楽だと思うけど、俺は今まで何も気にせずに生きてきたからそれができなくて。外れていることがかっこいいと思ってるわけじゃないし、ちゃんとできないから相容れないんだよね。だからそういう同じような人たちで集まれたら良いなって思う。そういう人たちが唯一あそこなら働けるって思ってもらえるようになったら良いな。
Shin:ただ好きなことをやりたいって軽い気持ちじゃなくて、自分のやりたいことに本気で向き合ってみたい。やるんだったら、今の俺らでは見えない位置まで到達したいし、見えないものを見たいし。かっこつけてるわけじゃなくて本気で取り組んでるから、今は他のことができませんって状態。俺はスケーターではないから、評価を受けるべきやつらが、評価されるために見てもらえる場を作っていきたい。
好きなことに本気で向き合う彼らの姿は、スケーターならずとも心動かされるものがある。遊びの先を行く彼らは、ユースにとって憧れであり、その道を切り開く希望なのかもしれない。
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2020.7.11 release
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