[DAIRIKU × SUGARHILL × BEAMS]三者鼎談。
東京カルチャーを担う新世代と過ごす夜。

Photo_ Syuya Aoki Text&Edit_ Shu Nissen

[DAIRIKU × SUGARHILL × BEAMS]三者鼎談。
東京カルチャーを担う新世代と過ごす夜。

Photo_ Syuya Aoki Text&Edit_ Shu Nissen

いま注目の若手ブランドと言えば? DAIRIKUSUGARHILL。そう答えることに誰も異論はないだろう。
満を持して今シーズンから取り扱いがスタートとなるBEAMSにて、そんな彼らを繋ぐトリプルコラボレーションが決定した。これを祝し、それぞれのデザイナー&バイヤーへ座談会形式でインタビュー。かねてより親交の深い彼らの所縁の場所で酒を飲み交わすうちに、トークは熱い展開に。東京ファッションシーンを面白くする若者たちの想いを伝える。

「僕らは今できる100%をやり続けて、それが歴史になればいいなって思います」。(岡本大陸)

ーこのお店はみなさんよく来るんですか?

岡本大陸(DAIRIKU):そうですね。陸也と僕が最初にちゃんと話した場所もここです。

林陸也(SUGARHILL):(飯塚)コウさんは昔から展示会に来て頂いてたんで知ってたんですけど、めちゃ仲良くなってここで飲んだりするようになったのはこの1、2年の話ですかね。

飯塚昴(BEAMS):ちょうど同時期に初めて2人の展示会に行かせて頂いて、そこから毎シーズン欠かさず足を運んでいます。話していたら共通の友人が多かったんでよく会うようになりました。そんな感じですね、最初の出会いは。

飯塚昴_BEAMS バイヤー

ーバイヤーとして、飯塚さんから見てそれぞれのブランドはどんな印象でした?

飯塚:もともとバイヤーになる前からお2人のブランドを見させて頂いてました。大陸君は、僕が展示会に行くようになった頃には、もう知っている人は知っているブランドになっていましたね。アジアファッションウィークでグランプリを受賞したとき、その審査員にBEAMSも入ってたんですよ。だから社内でも「とんでもないやつが出てきた!」みたいな話になってたんです。

岡本:それ初めて聞きました。

飯塚:映画をテーマにした洋服作りは、すごく分かりやすいし、なおかつアメカジをベースにしてるんで、BEAMSにもすごく整合性があるブランドだなというイメージでした。あとは、例えば上の世代からすると、馴染みのあるクラシックな定番も、僕ら世代からするとそもそも新しく見えたりして、若い子から人気なのはそういう要因もあるんだろうなと。

岡本大陸_バンタンデザイン研究所在学中に自身のブランドDAIRIKUを始動。16年にはAsia fashion collectionでグランプリを獲得。17年にはNYファッションウィークにて、ランウェイ形式でコレクションを発表し、2018SSから展示会をスタート。

ーSUGARHILLの方はどうでした?

飯塚:SUGARHILLは、ド直球の男らしいアイテムを作ってるブランドだなっていうのが最初の印象でした。海辺で撮っているルックを見て、めっちゃカッコいいと思ったんです。どうしても展示会で見たくて、いきなり1人で行きましたね。

林:すげー嬉しかったです。

ーみなさん同世代ですよね。いま何歳なんでしたっけ?

飯塚:僕が27歳、大陸君が26歳、陸也君が25歳で、ちょうど1個ずつ違いますね。

ーDAIRIKUとSUGARHILLは近い世代のブランドとして、知り合う前から意識し合ったりしてました?

林:ていうか、後にショールームが一緒になるんですよ。DAIRIKUが一期先で、僕が後から入って。

岡本:俺その前に展示会行ったけど、陸也がいなかったっていうね。

林:それ一生言われるんですけど(笑)

飯塚:その話は僕も聞きました。

林陸也_ニューヨークファッション工科大学(FIT)を修了した後、武蔵野美術大学へ入学し、首席で卒業。在学中に国内外の有名ブランド(FACETASMや LANDLORD)で経験を積み、2016年にSUGARHILLを始動。

岡本:まだ知り合いじゃなかったんですけど、友達から「SUGARHILLっていうブランドがあって、確か歳は1個下で〜」って聞いて、それはすごい意識しちゃうじゃないですか。「マジかよ!年近いの玉さん(TTT_MSW デザイナー)だけやと思ってたのに!」みたいな感じで。そしたら表参道で展示会中で、誰でも入れるってことで、見に行ったら本人いなかったんですよ。だから名簿に岡本大陸って大きく書きました。

林:めっちゃでかかった(笑)僕の携帯が壊れて買いに行ってたんですよ。戻って来たら「お客さん来たよ〜」って言われて、名簿にバーンと岡本大陸!って(笑)

ーそれはやっぱり対抗心から?

岡本:というよりは、なんでおらんねん!と思って(笑)もちろん今も意識もしますが、当時は知らないからこそ気になっちゃうところがあったんですよ。それがいつの間にか一緒のプレスルームに入っていて、また別の意識が生まれましたね。同志というか。でも初めは、合同展示会で一緒に並んでて、このバイヤーは何分見てたけど、BEAMSは俺の方が時間短かったなとか、すごく気にしてましたね、やっぱり。

飯塚:ちなみに、そのとき僕はまだバイヤーになってないですからね(笑)

ー良い意味でのライバルにも思えます。

岡本:僕の中では陸也ってすごい都会感がある人間なんですよ。でも僕は田舎から東京に来ていて、そこの差をずっと感じてますね。別に悲観的でもないしどっちが上下とかないですけど。最近『あの子は貴族』って映画を見た時にもすごい思って。門脇麦さんが松濤に住んでるお嬢様役で、水原希子が地方出身って話なんですよ。ちょっとした劣等感じゃないですけど、どこかパズルが揃ってない感じ。だからずっと羨ましさとリスペクトはありますね。それだけじゃないけど。

林:僕からしたら目的があって東京に来てる人たちには、ハングリーさを強く感じますよ。それは自分にない部分で、すげえ羨ましい。僕はまだ地元にいて、普通に家族と住んでるし、結構のんびりだし。

HUE_岡本大陸と林陸也が主催し、2019年8月30日に渋谷CONTACTにて開催されたオールナイトイベント。第二回では、踊ってばかりの国とAge Factoryが出演したほか、シンガーソングライターのNTsKiとDYGLのギタリストYosuke Shimonakaのセッションなどが行われた。

ーすごく素敵な関係性だと思います。HUEもそんな2人だから生まれたイベントですよね。

飯塚:僕も2回目のHUEに行かせてもらって、結構衝撃的でした。あれ2年前ですよね。25歳だった僕よりもっと年下の20代前半の子たちがすごい集まってて、ライブ会場もとんでもない人だかりでした。2人の影響力の大きさに本当にびっくりした瞬間でしたね。

林:言ってもらえて嬉しかったのが「知ってる人がいない」ってことなんですよ。ゲストで有名な子が何人もウロウロしてて、業界の人たちでここのグループが〜、っていう作られたパーティじゃなくて、各々がただ好きな音楽や人に集まっていた。主催側やPR会社が知らない客層が来て、かつ熱気を帯びていったイベントで、そういう場所を作れたのが良かったです。

岡本:陸也と僕で全然違う界隈の出演者を呼べたことで、普段はみんなそれぞれ別の方向を見てる人たちが、一堂に集まった瞬間で、最高の場を提供できたんじゃないかなって思いました。僕あのとき泣きすぎて。高校の同級生なんですよ、Age Factoryが。学生の頃はそんなに仲良くなくて。お互い尖ってた感じやったんですけど、一緒にできたことに感動して、めちゃくちゃ泣いちゃって。

飯塚:年下の子たちがこんなすげえことをやってるっていうのが、本当に羨ましかったですね。

ー今回のコラボレーションの話に移っていきたいと思うんですけど、そもそものきっかけは?

飯塚:僕が去年の3月に今の部署に入ってバイヤーとして2021SSの買いつけをしてる時期だったんですよ。もう2人のブランドはずっと見させてもらいつつ、勝手ながら関係性は少し築けてたなっていうのはあって、僕としては温めてた武器だったんですよ。

林:たぶん本当に飯塚さんじゃないと、この野良犬みたいな2人を扱えなかったと思います(笑)

飯塚:ずっと目指してきたバイヤーにやっとなれて、このタイミングと縁を逃したくないなと。先輩方に取り扱いの提案を、両ブランド同じ日にプレゼンして、めでたく決まりました。それがちょうど今シーズンですね。せっかくならBEAMSで始まったっていうのを、2人のファンに知ってもらいたいなって思って、コラボの提案をしました。すごいなと思ったのが、シーズンテーマが重なったんですよね。DAIRIKUは、60年代後半から70年代前半のアメリカのヒッピーカルチャー。SUGARHILLは、同じ年代の日本のヒッピーカルチャーにフォーカスを当てていて。

DAIRIKU 2021SS COLLECTION “Flower Children”

ー本当に偶然なのか、それともなにか理由があったんでしょうか?

岡本:実はもともと考えていたテーマは違うものだったんです。コロナ禍で、僕らもやりたかったイベントができなくなったり、すごい不自由な世の中になっていって。でも逆にそんな不自由な世の中やからこそ、明るいコレクションにしたかった。だから予定していたアイディアを1回全部取っ払ったとき、僕がもともとずっと好きやった映画『イージー・ライダー』が思い浮かびました。学生時代のニューヨークコレクションのテーマでもあるので、原点回帰っていう意味もあります。ヒッピーカルチャーと、”自由とは何なんや?”ってことについてのコレクションにしたかったんです。今はまだHUEでみんな集まれへんから、ウッドストック・フェスティバルとか、『イージー・ライダー』のバイクに乗って旅してるロードムービーのニュアンスがすごく欲しいなと思って。ただ、僕自身のファッション遍歴では正直、着たことなかったんですよね。でもその分、成長もできたと思ってます。陸也はわりと見た目もヒッピーな感じあるし、理由は全然分かるけど、きっと考えてることはあるんだろうなと。

林:ヒッピーを選んだっていうか、シーズンごとに音楽のムーブメントみたいなものは軸にしていて、そこから飾っていく感じなんですよ。コロナで〜って一言で済ませるのは陳腐で僕はあまり好きじゃないんですが、暇な時間が皆あったじゃないですか、そのときに何をしたかっていうのがやっぱり強く反映されますよね。HUEで呼んでいたバンド踊ってばかりの国の人たちは、何も変わらずにずっとスタジオにこもって音楽を作っていて、「ライブができないから何かしたい」って言われて、2ヵ月ぐらい生活も共にしていろいろ手伝ってたんですよ。吉祥寺に40年ぐらいやってるスタジオがあって、昔だと村八分ってバンドが出入りしていた場所。そこで音楽を作る中で、カルチャーのルーツをたどる作業に触れたことも大きかったです。自分は、ずっと東京にいて、府中なんですけど、学校も国分寺だったりとかして、ジャパニーズヒッピーたちって中央線で発生した文化だから、僕もそこにルーツを感じる部分もあるんですよ。だから、まぁヒッピーというか、浮世離れした人たち、形にならない何かを表現する人たちの思想に強く触れた数か月でしたね。不自由だったから自由を求めたのはみんな同じだろうし、その中で、ないもの探そうっていう気持ちで始まったんだと思います。

SUGARHILL 2021SS COLLECTION “Acid Beat”

飯塚:僕もただ2人が仲が良いからコラボしたいっていうのは本当になくて。きっと必然的にすべてが重なったんですよね。BEAMSとしても、60年代70年代はすごい欠かせない時代背景ですし、バイヤーとしての感覚含め、その年代がずっと好きで、流行ってないときからフレアパンツも履いてたぐらい。自分が好きな年代を自分が大好きなブランド2つが同じタイミングで表現してきたっていうのが、ポイントでしたね。これはちょっと大げさかもしれませんが、正直、僕にしかできない提案ができたと思っています。やっぱりファッション業界盛り上げたい気持ちは強いし、バイヤーとして、デザイナーの人たちの可能性を広げる場所を提供していきたい。だからこそ、今若いブランドでやるならこの2つしかないって自信を持ってプレゼンできました。

ーそうして生まれた今回のアイテムについて教えてください。

飯塚:最初は、Tシャツだけを提案したんですよ。じゃあデザインどうするっていう話になったんですけど、意外とグラフィックがなかなか決まらなかったんですよね。

林:自分があまりグラフィックをやらないのもあって、最初はシャツの案もあったんですよ。

岡本:僕らそれぞれオリジナルで作ってる生地もあったりするから、それを混ぜ合わせるっていうのもいいなと。

飯塚:最初の商談で僕がLevi’sのコーデュロイのパッチワークのジージャンを着てて、こういう感じいいよねって。後日、2人が作っていたシャツの生地を持ってきてくださったんですが……。

岡本:合わせたんですけどダメでしたね。

林:これ意外とカッコよくねえなって話になって(笑)

飯塚:それで、二人はずっと定番でデニムを作っていたので、Tシャツだけじゃ世界観を表現できないし、デニム素材を使ってもう一つアイテム作ってみましょうかっていうのが、このパンツになりました。先にデニムの方を作ったんです。

岡本:SUGARHILLとDAIRIKUをどう融合させるかを考えて、生地だけって考えはサボってたなっていう。簡単な感じで最初は思ってたんですけど、やっぱり違うブランドなんで難しくて。

林:お互いのデニムをミックスしようって話になったんですよね。ただ、半分に切ってがっちゃんこは絶対寒いよねって。だから1回、二つの確立されたものを湯がいて溶かして、それを固めたみたいな。

岡本:ミックスっていうよりかは、むしろよくこんなにうまいこと1個にできたなっていう感じもあって。例えば、ここは僕が使ってるリベットで、ここは陸也が使ってるリベット、これは陸也が使ってるコインポケットで、これは僕が使ってるコインポケットの形、これは陸也が使ってるベルトループで、でもその中には〜みたいな(笑)

林:ほんと工場泣かせ(笑)

岡本:普通に考えてありえないですし、自分でもアホな!って思います。糸変えるとかじゃなくてリベット変えちゃうんですか?みたいな(笑)

飯塚:ごちゃまぜになってるけど、すごく綺麗に収まってるんですよ。これまでの2人の物作りの歴史の中でのこだわりを、完全に好いとこ取りしたデニムになってますね。これが出来上がったときに、本当に2人らしいデニムだなって思いました。

ーファッション好きがよだれを垂らすディテールです。

岡本:これはもうロマンスや。このデニムはメイクラブしてますさかい。

林:SUGARHILLとDAIRIKUが初めて愛し合った夜の初々しさがあるデニムです。

ーそのキューピッドがBEAMSなんですね。

飯塚:本当すごいものができたんで、2人のファンにはこういうディテールを知ってもらいたいですね。ぱっと見で分からない人もいると思うんで。

岡本:もし、正確に分からなくても、「ここはDAIRIKUやん、ここSUGARHILLっぽいやん」って会話が生まれたら嬉しいですね。「あのシーンってこういう背景だよね」みたいな映画や音楽の話をするように、ファッションって楽しいなって服好きに思ってもらえる一本になればなと。僕も昔からそういう会話ばっかりしてきたんで。

林:言ってしまえば無駄なディテールだけど、それがカッコいいっていうのが洋服の醍醐味でもあるんでね。

ーTシャツはどうでしょう?

林:デニムができて、それに合わせるTシャツってなったらわりと話が早かった。

飯塚:トリムTで、グラフィックはストレートにDAIRIKUとSUGARHILLのブランド名に。

岡本:あとはやっぱりウッドストックのイメージはありましたね。HUEは、ひとつのフェスにしたいっていう思いもあるんで。あと、コピーライトの©は、ピースマークにしてます。

飯塚:これ僕がお願いしたんですよね。ハートマークのラブもあることですし、ピースもどこかで入れてもらえないですか?っていう、BEAMSのエッセンスを加えてもらいました。実はラブ&ピースが隠れてるんですよ。

林:3つもあるよ!

岡本:フロッキーでにじませてる加工をして、ちょっとひび割れ風のプリントにしてます。この生地自体もネップが効いていて、ちょっと毛玉感があって、最初からヴィンテージのアジがある。古着みたいだけど新品って風合いを目指してて、それが本当にできた一枚。すべてを通して、2人の思い+BEAMSのコウさんの思いも一緒に表現できました。

林:このTシャツとデニムだけ着ればもう、この夏大丈夫でしょう!コレクションとしても間違いない。

ー今回の為のルックも撮影されていますよね。

岡本:面白いのが、お互いモデルを1人づつスタイリングしたんですよ。1人だけをモデルに使うんじゃなくて、陸也は宮田秀道くん、僕は村田凪くんで、お互いに自分の中のイメージに合う子を選んで。

飯塚:BEAMSとしても、せっかく同世代でできてるんで、ベテランじゃなくて、これから活躍しそうな若い子を選んで欲しいと伝えました。

岡本:今回一番難しいところって、DAIRIKUが60%でも51%になってもダメやし、SUGARHILLが51%になってもダメやなっていう。お互いの気持ちもあるんで、やっぱりそこで1%でもどっちかが強く出ちゃうと、それはいいコラボレーションじゃなかったと思います。それがモデルを二人使うことで、ルックの撮影もお互い気持ちよく着地できたかなと。

林:僕はですけど、撮影の時に大陸君の色使い見ながら、スタイリング変えたり、駆け引きしてて、それは遠慮や押し付けじゃなくて、濃いコミュニケーションの中でのぶつかりあいだったから、心地よかったですね。こう来るか、じゃあ俺こうする、みたいな。

飯塚:いい意味で2人らしいモデルのチョイスでしたね。客観的に見てても、この子は大陸君だよね、この子は陸也君だよね、みたいなのがすごい分かりやすかったです。

Model_Nagi Murata

岡本:写真をお願いした青木君も、20代。僕の中では今回のコラボレーションって、仲良いからこそ生まれたんですけど、そこをなあなあにするんじゃなくて、やからこそ、20代の”これからかましてやるぞ”っていう沸沸としたマインドでやりたかった。

林:反骨心みたいのは正直ありますよね。コレクションと写真的にはすごいナチュラルというか、ラブ&ピースみたいな感じの流れもあるんですけど。でもそうじゃなくて、実は裏にはこういう意図があるのは伝えたい。これを見てる人たちに。

飯塚:今回のアイテムは、是非この記事を読んだうえで買ってもらいたいのが本音ですね。2人の思いと僕の思いを伝えられる機会を特別に頂いたので。

林:細かいことが伝わらなくても、物自体のクオリティが高いから不安はないですけどね。本当に他じゃ作れないものができたっていう自信があります。今回のアイテムがインラインにも合うっていうのが、もうすべて。それがすげーっすよ、マジで。

ー確かに。お互いのインライン両方にマッチするという事実が、どちらのブランドの魅力も反映されていることの証明で、このコラボレーションの成功を表していますね。

岡本:50/50で100%のものができたっていう。

林:いや、100%100%の200%でしょ、熱すぎるわ。

Model_Hidemichi Miyata

ー両ブランドとも、シーンをリードしていく存在だと改めて思いました。これから同世代でどんなカルチャーを作っていきたいですか?今後の展望を教えてください。

岡本:遠慮しないことが一番大事やなと思うんですよ、年上に対して。礼儀は正さないとダメかもしれないですけど、遠慮することはないなと思ってて。先輩方たちも僕らのことを同じ目線で見てくれたらめちゃくちゃ嬉しいですし、僕の方がカッコいいですから!っていうマインドで戦っていかないと、買ってもらう人に絶対失礼やと思うんですよ。やっぱり同じお店に並んでたら、お客さんからすると同じ服だから。年齢がどうやからって、それって言い訳じゃないですか。10代20代、特に高校生とか、ファッション好きになりたての子たちにとっては、全部一緒なんですよ。そこに嘘つくんじゃなくて、俺はこういうカッコいい服作ってるんだよって言えることをやんないと。青木君もめっちゃいい写真撮ってるし、陸也もいて、玉さんとかいらっしゃったりとか、こんだけいい時代が作れそうな予感がある東京ファッションの中で、それができないのは悔しいなって思うんで、遠慮せずもっと頑張っていきたいなっていうのがあります。

林:年齢にとらわれずにっていうのが一番。なんなら古い考え方かもわかんないですけど、とにかくキャリアかなと思っている部分もあって。僕らが若くして始めることができた、幸せな環境にいれたっていうことも大事にしながら、そのポジションを失わないように続けていくことですかね。とにかく、今回のコラボに関しては、なんの疑念もなく、いいものができたなと思います。

岡本:その時代のカルチャーって、僕らが語ることじゃなくて、後に語られるもの。僕らは今できる100%をやり続けて、それが歴史になればいいなって思います。作ったものが、10年20年経っても、「あの時の良かったね」って言われるアーカイブになるように。

林:そういえば、BEAMSのスタッフの子から聞いた話なんですけど、ファーストシーズンで、BEAMSとコラボをしたブランドって今までにないみたいで。その時点でコウさんは、この人にしかできない提案をできちゃってるんですよ。

飯塚:どうなんだろう。でも自分も戦いたいんですよ、やっぱり。BEAMSって大きな看板かもしれないですけど、チャンスをもらってるんで、日本でこれだけ素晴らしい2人、僕より年下でやばい2人がいるっていうのを世の中に伝えたかった。BEAMSに来る若い子たちに、このブランドが買いたいからバイト頑張ろうとか、この服を着ればモテるとか、そういう単純な服好きのマインドになってほしい。その架け橋に自分はなりたい。学生時代から僕はBEAMSでそういう感情にさせてもらったんで、ある意味、恩返ししたい気持ちがあるんですよ。だからこれからも一緒にファッションシーンを盛り上げていきたいですね。

INFORMATION

DAIRIKU × SUGARHILL × BEAMS

4月28日(水)発売
Trim tee ¥23,100(税込)
Flare Denim Pants ¥59,400(税込)

問い合わせ先:ビームス 原宿
東京都渋谷区神宮前3-24-7
tel_03-3470-3947

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