CULTURE 2017.12.29

〜文学と映画〜アメリカ文学を読むんじゃなく、観るのなら。『華麗なるギャツビー』

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Text—Kohei Aoki Photography—Nahoko Suzuki [Still] Edit—Hikaru Fujii, Makoto Hongo Edit Assistant—Shu Nissen, Mami Chino

EYESCREAM12月号、テン年代のアメリカ文学特集はもうご覧になっていただけましたか?
アメリカ文学を読むんじゃなく、観るのなら。ということで、
この年末年始中に、読んでおきたい、観ておきたい作品を本誌からピックアップ。
部屋でのんびり過ごす時間を、いっそう豊かにしてくれること必至です〜

アメリカ文学史上最高の作品という評価を確立している『グレート・ギャツビー』は本作で実に5度目の映画化。物語の舞台となる1920年代、アメリカが未曾有の好景気に沸いたその10年間は“狂騒の20年代”と呼ばれ、様々な消費文化や大衆文化が花開いた。パーティー文化で楽しまれる酒、新しい音楽、きらびやかなファッション。それを享受する若者たちを原作者フィッツジェラルドは“ジャズ・エイジ”と命名した。バズ・ラーマン監督は映画化にあたり、「現代のジャズ・エイジとは何か?」を模索した。

Photo/Warner Bros./Photofest/Getty Images

出した答え、それは“ヒップホップ”である。アメリカ文学最高の古典小説の、その音楽監督に黒人ラッパーのJay-Zが起用され、劇中のパーティーシーンではビヨンセやブラック・アイド・ピーズなど、21世紀アメリカを席巻するブラックミュージックが鳴り響く──もちろん舞台は1920年代のままだ。ギャツビーは貧困家庭の出身で、裏稼業に手を出しビジネスマンとして身を立てた。そんな彼の成り上がり人生を“アメリカンドリーム”として描いたところに原作小説の批評性はあった。現在アメリカでは多くの貧困地区に育つ黒人の若者たちがヒップホップスターに夢を見ている──そういう意味でも、本作は実に優れた“アメリカンドリーム”のリメイクだ。

ORIGINAL.

『グレート・ギャツビー』
スコット・フィッツジェラルド著, 村上春樹訳
(中央公論新社 村上春樹 翻訳ライブラリー 2006年) ¥820

MOVIE.

『華麗なるギャツビー』
[原題]THE GREAT GATSBY
[監督]バズ・ラーマン
[公開]2013年/日本
[Blu-ray]¥2,381(ワーナー・ホーム・ビデオ 2014年)

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