[FOCUS ON STYLE]
Vol.2 Schuwa Schuwa - See With LOOPÉ

[FOCUS ON STYLE]
Vol.2 Schuwa Schuwa - See With LOOPÉ

昨シーズンにローンチされたばかりのLOOPÉ(ルーペ)は、すべてのアイテムを異なる2種類の生地で展開し、マルチサイズを用意したコレクションで話題を呼んでいる。どんな着こなし方にも対応する柔軟なラインナップは多様化する現代のライフスタイルにふさわしく、各々が持つファッションスタイルの魅力をより一層引き出してくれるだろう。そんなLOOPÉをデビューしたばかりの男女デュオSchuwa Schuwaが着用。楽曲からMVまでをセルフプロデュースする2人とLOOPÉは、どのように調和するのか。

Schuwa Schuwa
フォトグラファー/映像作家としても活動する渡邉光平(左)と、フランス文学などから影響を受けた紺世晃子(右)による男女デュオ。楽曲からアートワークの制作に至るまで2人によるセルフプロデュースで活動している。

「複雑な曲を明快に」

—2019年に結成していますが、どちらから声を掛けましたか?

紺世:私はもともと、ジャンルで言ったらAORのバンドでコーラスとボーカルをやっていて、対バンを通じて(渡邉)光平さんと知り合い、声を掛けてもらいました。

渡邉:その時僕は、ファンクバンドでギターを弾いていて、それとは別の音楽活動もしたいと思っていたんです。トラックを作り始めていたから、それを形にできたらいいなと。それで話を持ちかけてみました。声を掛けたのは、誠実そうだと思ったから(笑)。


—その時点で、Schuwa Schuwaの方向性は固まっていましたか?

渡邉:まだ手探りの状態でしたが作りたい音の匂いのイメージはありました。

紺世:誘ってもらった時、お互いに好きな曲は共有していたけど、自分たちで作っていく音楽についてはやりながらの模索でしたね。ひとつのコンセプトがある訳じゃなくて、作っていくなかでカッコいいと感じたらそれでオッケーって感じです。

—確かに、デビューEPの『Are You Schuwa?』も取り入れているジャンルは幅広いですね。

渡邉:いろんなことをやっているけど、どこか自分たちのなかにボーダーラインがあって。どういうジャンルってことはなく、言葉にできないけど共通する匂いのニュアンスで4曲を作りました。

紺世:自分たちでも言語化できないけど、まとまりはあると思います。全部通して聴けば、これがSchuwa Schuwaと分かってもらえるはず。

—作曲に2人の名前がクレジットされていますが、どのように作っているんですか?

渡邉:曲によって作り方はさまざまですけど、どちらかがデモを作ったらアイデアを出し合って、一緒に肉付けしながらトラックメイクをしています。2人が納得するまで、一曲毎にスクラップアンドビルドを繰り返した上で、ミックスやサウンドメイクなどの最終的な出音の作り込みは、僕が舵を取っています。

[紺世]WIDE BOXY T SHIRT(Color850、Size11)¥13,750、HIGH WAIST WIDW DENIM(Color190、Size11)¥22,000
[渡邉]CARDIGAN × SHIRT(Color990、Size13)¥23,100、WIDE BOXY T SHIRT(Color850、Size15)¥13,750、HIGH WAIST WIDW DENIM(Color850、Size13)¥22,000
all LOOPÉ

—作詞は紺世さんが担当していて、フランス文学や映画から影響を受けているそうですね。

紺世:フランス文学から影響を受けているのは、歌詞そのものというよりも、制作の上での思想的な部分かもしれません。作詞をする時、あらかじめコンセプトを決めて書くんじゃなくて、トラックの雰囲気に合わせてメロディと一緒に、言葉を選んでいます。例えば『METRO』なら、トラックの雰囲気から映画『時をかける少女』(大林宣彦監督)を連想したので、それを私なりの歌詞にしています。

—楽曲のアートワークも2人で作っていると聞いています。

紺世:光平さんが監督や撮影、編集、デザインをするので私はそれを手伝う形で、MVは基本的に、カメラマンの木本日菜乃さんに手伝ってもらい制作しています。

渡邉:自分たちだけで制作しているから、曲を作るのと同じくらい時間が掛かっちゃっていますけどね。

—アートワークやMVの制作も、結成当初から自分たちで作ろうと決めていたんですか?

渡邉:決めていた訳じゃないですけど、まずは自分たちでやってみたいと思っていました。人に任せたほうがクオリティは高いかもしれないけど、自分たちの作品だから効率が悪くても、勉強して100%の愛情を注いで取り組みたいんです。純度の高いSchuwa Schuwaらしさを、まずは自分たちで出し切ってみたいと思っています。

紺世:手探りで作るからアクシデントもあるけど、そこでの発見もあるから、それがいいと思っています。

渡邉:自分にはできないと決めつけて諦めたくないんです。どんなにすごい人がいたとしても、頑張れば同じようにできる可能性をみんな持っていると思っています。100%の愛情を持って向き合えば、僕らみたいな普通の人間でもカッコいいものが作れるんじゃないかという気持ちで、Schuwa Schuwaをやっているんです。紺世に声を掛けた時も、お互いまともに曲を作ったことがなかったし。

紺世:最初に誘われた時、一緒に曲を作ると聞いて「作ったことがない」って言ったら、「僕もそうだから大丈夫」と返されたのが私にとって新鮮で、いい考えだと思いました。やってみたらおもしろいし、曲も形になったし。次々と壁があるけど、それを乗り越えるために勉強しながら作っているから、Schuwa Schuwaの活動を始めて、できることが増えました。分からないけど、これをやったら自分が知らないことに出会えるかもしれない、という好奇心が強いです。きっとやればできるし、できるようになればカッコいいって純粋な気持ちで取り組んでいます。

渡邉:そんな僕たちだけど、本気でやればカッコいいものを作れるんじゃないかという希望だけでここまで突き進んできて。結果的に、本当に自分が好きだと思える曲や映像を作れたと思っています。

—現時点での「純度の高いSchuwa Schuwaらしさ」は、どのように考えていますか?

渡邉:アウトプットはなるべく平易に、伝わりやすい形にすることが大事だと思っています。

紺世:歌詞もそうですね。難しい言葉を使わないで情景を伝えたいです。

渡邉:僕はコンセプトを理解することで、初めてその意味や魅力が見えてくるタイプの芸術には明るくなくて、むしろ直感的な分かりやすさをいつも大事にしています。それもあって、ポピュラーって意味でのポップミュージックをやっているつもりです。

紺世:2人で作っているからこそ、決してシンプルなトラックにはなっていなくて、聴き込むといろんな音が重なっていることがわかります。でも、完成した作品が難解で、伝わらなかったら意味がないので、最終的にはスッと理解できるものを作ることを心がけています。

—今後目指すアーティスト像はありますか?

紺世:ジャンルレスにやっていきたいです。決まった形に縛られず、自由に、自分たちが好きだと思えることを追求していきたいです。だから、次のEPは違う雰囲気になるかもしれません。そこでもっと濃い、私たちらしさが滲み出ればおもしろいと思います。

渡邉:今話したとおり、楽曲やアートワークやMVの制作は自分たちでやっているから個人主義に見えるかもしれないけど、意固地になっている訳じゃないんです。『Are You Schuwa?』は(WONKの)幹(井上)や荒田に手伝ってもらったし、SeihoさんやXL Middletonにリミックスしてもらったり、誰かと一緒に制作するおもしろさは理解していて、表現の幅を広げるためにも、機会があればいろんな人とコラボレーションしていきたいと思っています。今後は選択肢を増やしながら、自分たちらしさを煮詰めていきたいです。

「こだわっているけど難しさを感じさせないシンプルさがいい」

—どんなファッションが好きですか?

紺世:私はシンプルさのなかにエッジを効かせるコーディネートが好きです。シンプルなアイテムのなかに、アクセントになるアイテムを取り入れています。

渡邉:僕もシンプルなほど好き。アー写もシンプルなコーディネートを選んでいます。僕らの写真のなかに他の人の作品が入ってくる感じがしちゃうので、グラフィックやデザインが効いている服は避けました。

—服の選び方で大事にしていることはありますか?

紺世:私はサイズ感。タイトだったりルーズだったり、アイテムによって違う理想の着こなし方になるかを考えています。

渡邉:僕は柄ものよりも、シンプルでスタンダードなアイテムを選ぶことが多いです。

紺世:LOOPÉのアイテムは、光平さんが普段から着ている感じ。

渡邉:むしろいつも着ている服より合わせやすくて、着心地もよかったです。

—LOOPÉはすべてのアイテムを2種類の生地とマルチサイズで展開していますが、いかがでしたか?

渡邉:僕は小柄なので、いつもサイズで悩むんです。古着が好きだけど、合うサイズが見つからないことが多かったりして。LOOPÉを着てみたら、サイズはちょうどいいけどタイトじゃなくて、ゆったりと着られたのがよかったです。

紺世:シンプルだけど洗練されていて、みんなが自分の似合う服を見つけられるという印象です。私も小柄だけどしっくり合いました。コーディネートの幅が広がると思います。


—“日常にそっと馴染む定番服”がLOOPÉのコンセプトです。Tシャツやデニムパンツなどといった定番服はどんな存在ですか?

渡邉:定番はずっと変わらなかったという訳じゃなくて、いろんな人たちが改良を重ねて、削ぎ落とされた結果としてのイデアだと思うんです。その過程を信じているから、僕は定番服を使ったシンプルな着こなしが好きなんです。

紺世:LOOPÉの服はスタンダードだから直感でいいと思えるけど、きちんと生地にこだわっているところがいいですね。

渡邉:普段は洋服の糸の違いまで意識していませんでしたが、他との違いに特別感を抱けました。その気持ちになれることはすごいことだと思います。素材やサイズに哲学を持っているけど、難しさを感じさせないシンプルなデザインが日常に馴染む由縁だと思いました。

—Schuwa Schuwaの楽曲はシチュエーションを問わずに聴けると思います。その点はLOOPÉの“日常にそっと馴染む”というところと共通しているように感じました。

紺世:それは最初に話し合っていたんですよ。曲作りを始めた時、朝でも夜でも聴けるような曲を作りたいって。2人で曲を作っているから、ひとつの世界観に偏っていないのが、シチュエーションを問わないということに繋がっていると思っています。

[紺世]トップス¥13,750、デニム¥22,000(LOOPÉ/株式会社ジョイックスコーボレーション tel_03-5213-2532)、ネックレス¥39,600(END/GALLERY OF AUTHENTIC tel_03-5808-7515)、シューズ¥69,300(Paraboot/Paraboot AOYAMA)、その他スタイリスト私物
[渡邉]シャツ¥23,100、インナーに着たTシャツ¥13,750、ボトムス¥22,000(LOOPÉ/株式会社ジョイックスコーボレーション tel_03-5213-2532)、メガネ¥49,500(ayame/Continuer tel_03-3792-8978)、シューズ¥71,500(Paraboot/Paraboot AOYAMA tel_03-5766-6688)、その他スタイリスト私物

RELAX FIT LONG SLEEVE T ¥15,400

Schuwa Schuwa

2019年11月に結成。フォトグラファー/映像作家としても活動する渡邉光平の世界観と、フランス文学などから影響を受けた紺世晃子の感性が交わり、独自の物語性を創り上げる。2022年3月にデビューEP『Are You Schuwa?』(https://ssm.lnk.to/AYS)をリリース。一部楽曲のアレンジとミックスに、渡邉と大学時代から交友のあるWONKの荒田洸と井上幹が参加。SeihoとXL Middletonによるリミックスも収録されている。
https://www.schuwaschuwa.com/

INFORMATION

LOOPÉ

公式サイト:
https://www.loope.jp/shop/default.aspx
公式Instagram:
@loope_official

Photography_Cho Ongo
Styling_Toshihiko Hirano
Hair&Make_Karen Suzuki
Text_Showgo Komatsu
Edit_Mizuki Kanno、Akinobu Nagasawa

POPULAR