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2023年の結成以来、凄まじい熱量でロックシーンを駆け抜ける4人組バンド・Aooo。 6月3日に待望の2ndアルバム『Rooom』のリリースを控える彼らが、英国発の〈UMBRO〉、カルチャーのハブである〈FREAK’S STORE〉とのトリプルコラボレーションを実現させた。メンバー全員がデザインに関わったアイテム群は、彼らの音楽と同様に、日常に溶け込み誰かの「スタイル」を彩る遊び心に満ちている。制作の舞台裏から新作に込めた想いまで、4人の“FREAK”な感性が交差する現在地を訊いた。

L→R/やまもとひかる(B)、ツミキ(Dr)、石野理子(Vo)、すりぃ(G)
四人四色のファッションルーツ
──撮影お疲れ様でした!まずは〈アンブロ〉というブランドの印象から伺いたいのですが、皆さんの記憶の中にルーツとなるようなエピソードはありますか?
やまもとひかる(以下、やまもと):私のリアルな記憶だと、クラスのサッカー部の子たちがみんな着ていたイメージが強いです。まさに「スポーツの象徴」という印象でした。
──やっぱり「サッカー」のイメージが強いですよね。今回、実際にデザインに関わったりアイテムとして触れてみて、その印象に変化はありましたか?
ツミキ:変わりました。正直、今までは「知ってるスポーツブランド」っていう距離感だったんですけど、今回自分たちでデザインの視点から触れたのは初めてだったので。実際に形になってみると、スポーティーな良さは残しつつ、普通にファッションとして「これ可愛いな」って発見が多かったです。
──なるほど。もう一方で、今回企画のハブとなっている〈フリークス ストア〉についてはいかがでしょう。普段お買い物されたりしますか?
やまもと: 以前ニット帽を買った記憶があります。いろんなジャンルのアイテムが置いてあって、手に取りやすいイメージですよね。よく拝見しています。
──皆さんの普段のスタイリングについても教えてください。
ツミキ:僕は基本的にセットアップのジャケットスタイルが好きです。〈アンブロ〉もマンチェスターのブランドですが、僕もイギリスの文化がすごく好きで。現地の人が着ているものやカルチャーを追いかけて、それを身に纏うのが好きです。

やまもと:私はジャージっぽいラフなセットアップを買うことが多いです。身長が低めなので、それをカバーできる形だったり、ベースを持った時にバランスが良くなる形だったり。「形」先行で選ぶことが多いです。
──今日着用されていた〈アンブロ〉のパーカーもすごくお似合いでした。
やまもと:ありがとうございます。今日着てみて、すごく可愛いなと思いました。

すりぃ:僕はカジュアルなパーカーやジャージをよく着ます。ひかると同じものを持ってたりもするよね。
やまもと:そうそう、お揃いになっちゃったり(笑)。
すりぃ:今日ツミキが着ていたゲームシャツみたいなアイテムも、普段からよく着ています。なので、今回のラインナップは私服ともすごく相性が良かったです。
石野理子(以下、石野):私は季節によって系統が変わるタイプ。夏は最近だと少しグランジっぽいもの、冬はシルエットが綺麗に見えるシンプルなものを選ぶことが多いです。


──今回のようなスポーティーなスタイルは、新しい挑戦でしたか?
石野:私服ではあまり取り入れてこなかったのですが、Aoooの衣装でスポーティーな要素を入れることは多いんです。だから今回コラボすると聞いた時は、バンドとの相性はすごくいいんじゃないかなと思っていました。
──今回のデザインは、4人でどのように進めていったのでしょうか。
すりぃ:普段の生活に取り入れやすいっていうのは大事にしたよね。
やまもと:Aoooのロゴで遊びたいなとは思っていて。でも主張しすぎず、使いやすいものにしたいねって。
ツミキ:僕らはバンドの物販でグッズを作る時も、「普段使いできること」を軸にしているんです。今回もその考え方を踏襲して、メンバーで話し合って決めていきました。
──音楽制作にとはまた違う、デザイナーとしての視点や、今回だからこそ得られた新たな発見はありましたか?
ツミキ:それこそ「Aooo」というバンド名自体が、すごくデザイン的な要素を持っているなと改めて気づきました。
やまもと:いろんなフォントで遊べるよね、線がシンプルだからこそ。
ツミキ:そうそう。今回のキャップの「Aooo」はあえてスポーツブランドっぽくあしらってみたり。音作りとはまた違う、ちょっと大喜利チックな面白さがありました。
石野:〈アンブロ〉さんのシグネチャーであるロゴに合わせて、Aoooのロゴも少しカクカクさせて遊び心を足してみたり。さりげないけれど「コラボ感」がしっかりあって、個人的にも気に入っています。
日常に溶け込む、遊び心溢れるデザイン
──今日のコーディネートで、新しい発見はありましたか?
ツミキ:カッチリした印象になりがちなセットアップに、スポーティーなゲームシャツを取り入れるだけで、だいぶ雰囲気が変わるんだなと実感しました。いい塩梅のカジュアルさというか、ちょうどいい「抜け感」が出るんですよね。
やまもと:今日、石野がアノラックの上からベルトをして、ワンピースっぽく着ていたのがすごく可愛かった!

石野:私くらいの身長の方がLサイズを着ると、ちょうどお尻がすっぽり隠れるくらいの丈感になるんです。そうやってブラウジングしたりすると、「スポーティーすぎるのは苦手かな」という人でも挑戦しやすいかなと思います。私は普段、衣装でレイヤードをすることが多いのですが、このアノラックも下が透ける素材なので、組み合わせ次第で色々遊べるなと思います。
やまもと:夏フェスの夜とか、少し肌寒い時にも良さそうだよね。
──フーディーも何にでも合わせやすそうで、これからの時期に重宝しそうですよね。
すりぃ: Aoooのワッペンもアクセントになっていて、めっちゃ可愛いんですよ。今までは前を開けて着ることが多かったんですけど、これなら中にTシャツやシャツを着て、閉めても開けても楽しめそうです。
ツミキ: どのアイテムも〈アンブロ〉さんならではの機能性の高さがあるので、アクティブに動く方にもぜひおすすめしたいです。
──それでは、ファンの方にはどんな風にコラボアイテムを着て、楽しんでほしいですか?
石野:とにかく機能性が優れているので、ライブで着てほしいです。野外でも室内でも、シチュエーションに合わせて使い分けてもらえたら嬉しいです。
すりぃ:普段着としてガシガシ着てほしいですね。このロゴ、本当に可愛いので。白なら猫の毛も目立ちにくいですし(笑)。

やまもと: 5月からツアーが始まるのですが、温度調節にもぴったりだと思います。ライブハウスでも、脱いだらちっちゃくまとまる素材ですし。
ツミキ: ショルダーバッグも容量があって、PCを入れて持ち歩いたり、アウトドアにも便利ですよね。あと、僕たちが目指しているのは「着ること自体がその人のスタイル(アイデンティティ)になるようなバンド」なんです。それこそニルヴァーナやジョイ・ディヴィジョンのように、そのバンドが持つカルチャーを背負って、ファッションから染まっていくような。今回のデザインも、僕たちの音楽を好きな人が「自分はこれが好きだ」と表現するための、一部になってくれたら嬉しいです。
着ることがスタイルになる。Aoooが提示する新たなカルチャー
──ところで、今回のハブとなっている〈フリークス ストア〉の「フリーク」には“偏愛”という意味があるのですが、“こだわり”の強い偏愛アイテムや、夢中になっていることはありますか?
ツミキ: 偏愛…お酒ですかね(笑)。僕は特にウイスキーが好きで。「アイラモルト」っていうスモーキーなウイスキーを集めるのが趣味なんです。熟成年数による違いを飲み比べたり。
──かなりの本格派ですね!
ツミキ:いいやつはストレートやロックで、普段使いはハイボールで楽しんでいます。
すりぃ:僕は猫ですね。二匹飼っているんですけど、猫って理想像を押し付けてこないんですよ。人間同士だとつい「こうあってほしい」と期待してがっかりすることもありますけど、猫にはそれがない。
やまもと: (すりぃを見て)疲れてるんだね…。
ツミキ:休んだほうがいいよ(笑)。
すりぃ:(笑)。保護猫なんですけど、鹿児島から来た子たちで。運命を感じて引き取りました。家で「猫吸い」するのが最高の癒し時間です。
ツミキ:こないだのレコーディングの時も、一度機材を取りに家に帰って戻ってきたら、服に猫の毛がいっぱいついてて(笑)。
やまもと: 「急いで行ってきます!」って言ったはずなのに、家で猫としっかり向き合っちゃったんだね。

──(笑)。やまもとさんはいかがですか?
やまもと: 私はキャラクターグッズを集めるのが大好きです。ぬいぐるみはもちろん、トイレマットやスリッパまで全部揃えちゃいます。
──特にお気に入りのキャラクターは?
やまもと: 「しろたん」というキャラクターです。
石野:ひかるちゃんにそっくりなんですよ。
やまもと:(笑)。ハマりすぎて「しろたん」のショップでバイトもしてたんです。
──すごい!では、最後は石野さん。
石野:私は映画、特にドキュメンタリーや史実に基づいたクライム系をよく見ます。最近衝撃を受けたのは『アクト・オブ・キリング』という作品です。虐殺の加害者に当時の様子を再現させるというドキュメンタリーなのですが、最初は嬉々として語っていた加害者が、演じることで心に変化が訪れ、被害者の痛みが流れ込んでくる…あの変化の瞬間は凄まじかったです。こんな作品は他にないなと思いました。
すりぃ:観てみたいな…。
──最後に、6月3日にリリースされる2ndアルバム『Rooom』についても少し伺わせてください。
ツミキ:絶賛、制作中です! (※この取材を行ったのが3月下旬頃)
やまもと:あとちょっと…いや、ちょっとじゃないか(笑)。早急に完成させないといけない、という佳境にいます。
──1stアルバムから今作にかけて、4人の変化はありましたか?
ツミキ:1stにはなかった「コンポーザーの組み合わせ」に挑戦しています。メンバー全員が曲を作れるので、「この二人で共作したらどうなるか」といった実験的な試みを初めてやっています。そこはぜひ楽しみにしていてほしいです。
──2ndアルバムのリリースを経て、さらにAoooとしての規模感や表現の幅も広がっていきそうですね。
石野:そうですね。今回〈アンブロ〉さんとコラボさせていただいたことで、音楽だけにとどまらず、Aoooが持っている空気感やカルチャーごと愛してもらって、それが手にとってくれた誰かのスタイルやアイデンティティの一部になってくれたら嬉しいなと思いました。6月3日に出るアルバム『Rooom』も、これまでとはまた違うテイストの曲がたくさん入っています。ウェアと合わせて、今の私たちのモードを楽しんでもらえたら嬉しいです!