FASHION 2017.09.20

KATHARINE HAMNETT LONDON INTERVIEW with LIONEL COPLEY -キャサリン ハムネットブランドの矜持-

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
photography_TAKURO TOYAMA[FACTORY1994], translation_SAORI OHARA, text_MAKOTO HONGO

ファッションの観点から環境や人種問題をいち早く問い、グリーンやエシカルコンシューマリズムを牽引するUKブランドのキャサリン ハムネット。その片腕として30年、キャサリン・エレナ・ハムネット女史をバックアップしてきたのが、ライオネル・コプリー氏だ。久々の来日にあたって、これまで、現在のシーンに思うこと、これからのヴィジョンを今改めて聞いた。

英国レーベルの信念

四半世紀以上キャサリン ハムネットというブランドで働くことで、常にすごくグラマラスな時間を得られているよ。
現在、日本のビジネスクルーには8人のデザイナーがいて、キャサリンと僕とチームでディスカッションをしているんだ。彼女がブランドの一番のボス。僕はデザインディレクターだよ。
彼女自身はお父さんが軍人でハイソサエティな出身だから、彼女はハイエンドなイギリスの衣服に多種のアクセスを試みている。興味深いのはトリッカーズとコラボした最初の人物だということ。たくさんの人が知らないと思うけど。彼女はジョンスメドレーやマッキントッシュとも共作した初めてのデザイナーなんだ。彼らは古参のブランドだったので、彼女によってトラディショナルなプロダクトがよりウエアラブルになった。キャサリンはこれらのブランドの背景を知っていたので、ファッションに上手く取り入れることができたんだよね。その作業は本当にエキサイティングだったよ。
そりゃワードローブや靴って古くなるけど、彼女はその経年変化すら好んで、自信を持ってデザインする。多くの伝統などからインスピレーションを受けてね。イギリスっていつも小綺麗にしてなくてはいけないっていう文化ではなくて、長く使い続けていることに美徳がある。どこでクリエイトされていても、キャサリン ハムネットにはそんな英国らしいバックグラウンドを反映して生まれているんだ。

エシカルのパイオニア

キャサリンは流行にのって使い捨てにされる物をまったく追い求めない。
だからこそ、常に同じスタンスで、常に同じクオリティを提供できるんだ。キャサリン ハムネット ロンドンのアーカイブはとても貴重だけれど、30年前に作ったウエアを今着たとしてもスタイリッシュに見える。それはトレンドのサイクルがあるとしても、彼女はどんな時もその中にフィットしているから。
テン年代に入ってやっと大多数がエシカルとか環境に優しいとかに目覚めて浸透してきているけれど、キャサリン ハムネットではすでに1991年に“Green Cotton by the Year 2000(2000年までのグリーン・コットン)”というエンバイロンメンタルなテーマでショーを行ったんだ。他のブランドではデザイナーが後ずさりして表立って出ないこともあるけれど、キャサリンは本当に堂々と、とてもアクティブに社会問題に向かっていく。

2年弱前に、カニエ・ウェストが自身のブランドを立ち上げる時に、キャサリンにコンサルタントとしてお願いして、過去のコレクションを借りているんだよ。YEEZYとかそのクリエイションには彼女のテイストが随所に入っている。カニエも“Kanye loves KATHARINE HAMNETT”ってインスタに上げていたり。
そもそも、カニエに協力的になったのは、彼女はアフリカの農家や染色工場の有害な作り方を止めて、アパレル産業のシステムをオーガニックに改善したくて、彼の今すごい影響力を通してそのことを世間に広めたかったのがきっかけ。期待したけど、以外とそうでもなくて……彼は単純に彼女のアーカイブが好きでコラボしたいってだけだったんだよね。
でも、どちらにしろ、彼女のエコロジーで持続・継続性のある考え方やクリエイティビティが今のシーンを牽引しているっていう一例だね。

今後の自身の展望

彼女の方がずっと理想主義者で、僕はもっと現実主義(笑)。今はキャサリン ハムネットのデザインディレクターの他に自分の事業も始めていて、ライフスタイルに興味がある。ここ日本にもスポンサーがいて、ブティックホテルやトイレタリーとか今後プライベートなネームでプロジェクトやアイテムを展開することも考えているんだ。
今日着ているキャサリン ハムネット風に、僕のスローガンを挙げるとすると、“何をするにしても自分自身でいること。それと、見返りを求めずに自分のクリエイティビティはすべてを与えること“。お返しを見越していると、勝手にがっかりしちゃうこともあるからね(笑)。

Profile

ライオネル・コプリー
1987年よりキャサリン ハムネットのメンズデザインディレクターを務める。以来、本国のロンドンはもとより、パリ、ミラノ、ニューヨーク、東京などでコレクション展開を手掛け、国際的な評価を獲得。

www.katharinehamnettlondon.jp
キャサリン ハムネット ロンドン 渋谷ファイヤー通り店 tel 03-6416-1621

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