FASHION 2019.09.06

[Report]The LIVE -MADE BY EDWIN-
職人のプライドが宿るジャパンメイドのジーンズ

Photography—Nahoko Suzuki Edit_Makoto Hongo, Mizuki Kanno, Maho Takahashi
EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

1947年の創業以来“MADE IN JAPAN”にこだわり、広く愛され続けてきたEDWIN。ジーンズ一本一本にかける想いと誇りが、永きにわたりシーンを牽引し続ける所以だ。そんな日本最高峰のジーンズブランドの物作りの流儀が体現されたエキシビション、The LIVE -MADE BY EDWIN-が去る8月28日(水)、29日(木)、30日(金)の3日間限定で開催された。

秋田県は五城目町にあるEDWINの自社縫製工場。その地域で生活を送る人々が働き、伝統工芸のごとくその技術は代々引き継がれている。
The LIVE -MADE BY EDWIN-の会場には、この自社縫製工場の模様が再現された、EDWIN TOKYO FACTORYがローンチ。実際に使用されているミシンを会場に移設し、職人たちの手仕事によってジーンズが形を成していく過程が披露された。

一本のジーンズが完成するまでには、全部で44の工程を辿る。そのうち、8工程のみ自動化が採用されているものの、残りの36工程は全て手作業によるもの。それでも約30人のスタッフによって、1日1000本以上のジーンズが作られているんだとか。
今回は、クラウドファンディングで募った来場者のジーンズが出来上がるまでのラスト16工程が、このEDWIN TOKYO FACTORYで披露された。熟年の技を得たスタッフが目の前で“自分のためだけに作るジーンズ”。独自にカスタムされたミシンを使い、正確かつ驚きの早さで縫製が行われている様を、来場者は食い入る様に見つめていた。

それでは、ここからEDWINのジーンズがユーザーの手元に届くまでを、順を追って紹介していくとしよう。まず原料となるのが綿花、これらを紡績(糸をつむぐこと)したものをインディゴに染色していく。

実は染め上がりの瞬間は緑なんだとか。空気と混ざり酸化することで、次第にインディゴに変化して行く。続いて、染め上げられた糸をデニム生地に織り上げる、織布と呼ばれる工程へ。この織布と糸の染めの回数によって、デニム毎の表情を操作している。

色や素材のムラがないように一反から全てのパーツを切り取り、いよいよ縫製へ突入。

こうして形になったジーンズは秋田市の海沿いにあるジーンズM.C.D.に運ばれ、オリジナルの風合いを作るべくさまざまな加工、洗いが繰り返され、ユーザーの手元へと届けられる。

環境への配慮もEDWINの物作りのこだわりの一つ。ジーンズM.C.D.内で出た排水は工場内で浄化され、秋田の田畑を育てる美しい水として自然に戻されるのだ。

さらにEDWINは近年、サステナブルな生産サイクルの実現を目指すためのプロジェクト、CORE COTTON RECYCLEを始動。来春を目標に、ジーンズの製造ラインで発生した裁断屑を繊維製品の原材料として再利用し、ジーンズやショートパンツ、Tシャツなど幅広いプロダクトを展開していくとのこと。会場ではその一部アイテムが公開された。

その他にも、今秋にモデルチェンジする503や、江戸時代以前の衣服の主要素材であった大麻が使用された大麻布ジーンズの展示、10月下旬発売予定のMIZUNOのライフスタイルスニーカーライン、M-LINEとのコラボシューズ、MIZUNO MR1 EDWINのお披露目、著名人、アーティスト陣によるトークイベントやライブパフォーマンスが行われた。

「作り手のジーンズにかける想いが、ジーンズ一本一本に個性を宿し、二つと無いジーンズができること」。EDWINの自社縫製工場で実際に働くスタッフに聞いた、物作りへのプライドだ。今すぐ店頭に足を運び、ステッチやカラーの些細なオリジナリティーに目を向け、自分だけの一本に出会いに行くとしよう。

INFORMATION

The LIVE -MADE BY EDWIN-

開催:
8月28日 10:00~17:00
8月29日 10:00~19:00
8月30日 10:00~18:00
場所:B&C HALL
東京都品川区東品川2-1-3
https://edwin.co.jp/shop/default.aspx

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